飛行機や自動車などの部品がどのようにしてできることをご存知でしょうか?実は、金属加工と呼ばれる方法によって作られています。今回は、この金属加工の種類や工程を詳しくご紹介します。
金属加工とは
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金属加工は、製品を製作するうえでとても重要な技術になります。製品は、たくさんの部品を組み立てることによって作り上げますが、金属加工は、その部品を作る際に材料を所定の形に加工する技術です。
例えば、鉄鉱石やアルミニウムなどの材料を圧力で成形する圧延(あつえん)と呼ばれる金属加工技術を用いたり、熱処理をすることによって金属の成形を行い、塗装やコーティングを行って金属製品となります。
金属加工の種類その1「機械加工」
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金属加工の種類の一つに機械加工というものがあります。機械加工では、材料から形となるまでの過程で用いられます。その過程では、主に成形・除去加工・付加加工・結合の4つで構成されています。では、実際に機械加工を工程ごとに見ていきましょう。
成形
成形とは、材料を型にはめて形をつくることです。主に鋳造・塑性加工・焼結の3つに分類され、用途にあった加工を用います。
鋳造とは、材料を溶かして型の中で固めて形を作る方法です。塑性加工とは、材料を圧力によって変形させたり切断することによって形を作る方法です。焼結とは、材料を粉末にしたものを焼くことによって強度の高いものを作る方法になります。
除去加工
除去加工とは、不要な部分を取って形を作る加工のことをいいます。こちらは、主に切削・研削・砥粒研磨・放電加工・切断加工の5つに分類されます。では、それぞれの特徴を見ていきましょう。
切削は、刃物を使って不要な部分を取り除き、形を作る加工方法のことをいいます。この方法は効率よく高い精度で加工できるため多くの製品で用いられています。
研削とは、高速回転する砥石車で削ることで表面の粗さを取り除きます。この加工をすることによって、表面が滑らかになるだけではなく加工精度を高めたり、切削では不可能な硬い材料も扱うことができます。
砥粒研磨とは、砥粒と専用の液を使って加工する方法で、寸法の精度を高めたり、表面をより滑らかにするために使われる加工方法です。
放電加工とは、電気のエネルギーを使って切削や研削では加工できないような硬い材料を加工する方法になります。
切断加工には様々な種類がありますが、レーザーやプレスなど高いエネルギーを使って形を切り取り、作る方法です。
付加加工
付加加工とは、元の形に材料を追加してくっつけることで所定の形を作る加工方法です。付加加工をすることによって、機能が増えたり強さが増したりするメリットがあります。最近では、3Dプリンターによる技術がこの付加加工といえるでしょう。
接合
接合という加工方法には、材質的接合・機械的接合・科学的接合の3つがあります。
材質的接合とは、対象の物質を材料的に接合する方法で、摩擦による接合や溶かして材料を接合するものです。
機械的接合とは、ボルトやナットなどの接合金属を用いて接合したい材料に接合する方法になります。
化学的結合は、”糊(のり)”による接着などで水素結合など比較的弱い結合によって接合される方法です。
金属加工の種類その2「熱処理加工」
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熱処理加工とは、加熱と冷却をすることで材料の完成度を高めたり、強度を高めることができ、主に全体熱処理と表面熱処理の2つがあります。
全体熱処理とは、金属材料全体の組織を変えるために行われます。強度を高めたり、さびを防止したりするため「焼き入れ・焼き戻し・焼きなまし・焼きならし」の作業を行います。
表面熱処理では、表面のみの組織を変えるために行われ、硬化させたり、表面の改善をします。
金属加工の種類その3「表面処理」
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表面処理とは、強度や耐久性を高めるために部品の表面に保護膜を形成する加工方法です。主に、電気化学処理・塗装・物理的表面処理の3つがあります。
電気化学処理
電気化学処理とは、部品の表面に金属膜や酸化膜をつくる方法です。
電気化学処理には種類があり、金属の薄い膜を作る”めっき”や金属の表面に化学反応を起こして強度を高くする”化学処理”、電解質が溶けている液の中に金属を入れ、金属を陽極として電気を通して酸化膜を作る”陽極酸化”があります。
塗装
塗装とは、表面を塗料の被膜で覆い耐久性に強い部品や装飾用の部品を作れる処理方法です。塗料に直接浸したり、スプレーで吹付けたり、部品に塗料を流し込む方法があります。また、粉末状の塗料を塗る場合もあります。
物理的表面処理
物理的表面処理は、粒状物を部品の表面にぶつけることによって硬度を上げたり、錆(さび)を除去する方法となります。
このような金属加工を専門に行っている会社はたくさんあります。中でも、関東精密さんは「トライアンドチャレンジ」をモットーにモノづくりをしている会社です。
【株式会社関東精密】
住所:神奈川県横浜市都筑区池辺町4826-2
電話番号:045-507-4222
URL:http://www.kanto-seimitsu.jp/