テレビや映画館などで放映されるアニメを作る「アニメーター」のお仕事に興味を持つ方も多いのではないでしょうか?今回は、アニメーターの仕事内容・給料・やりがい・アニメーターになる方法などを紹介します。
アニメーターとは?
テレビアニメの1秒間には24枚の絵が必要で、これらは全て手作業で書かれています。アニメーターは、この絵を一枚一枚描く仕事です。
アニメーションを作る際には、企画、シナリオ、撮影など様々な工程がありますが、アニメーターは主に絵を書く「作画」を担当します。
アニメーターの仕事をチェック
アニメーターの仕事は分業制で、大きく分けると「原画」と「動画」の2つに分かれます。30分のアニメを制作するのにおよそ2~3か月かかり、7~8社の会社が関わっています。
原画とは、脚本家が描いたコンテに従い、動きを考えて書いていくものです。原画だけではパラパラマンガのようにカクカクとした動きになるため、骨組みのようなものとも言えるでしょう。
動画は、原画と原画の間をつなぎ合わせるための絵で、原画を描く「原画マン」が指定した枚数を描いていきます。動画があるからこそ滑らかに動いて見えるのです。
通常、新人は動画から担当します。
アニメーターの気になる給与事情とは?
出典:Pixabay
アニメーターの仕事は、フリーランスとして働く人が多いため、歩合制が主流となっています。
具体的には、一枚絵を描くごとの出来高制で、テレビ作品の場合、動画は1枚150円~250円、原画は1枚2,000円~2,500円程度が相場です。
20代のアニメーターの平均年収は150万円に満たず、初心者のうちは月に5万~10万円程度しか稼げない人も少なくないでしょう。
フリーランスであれば、福利厚生もないため、年金保険料や住宅などの費用もすべて自分で納める必要があります。そのために、アニメーターを目指す若者が少なく、アニメーターとなっても生活がままならずに継続することができないことも少なくありません。
そのため、現在では、社員として雇用し、新人を育てようという制作会社も少しずつ増えています。
アニメーターのやりがい、苦労とは?
アニメーターの仕事のやりがいは、自分の絵が形になることです。
自分の手がけた作品がテレビや映画館で放映されているのを見たら、感動してしまうことでしょう。経験を積み一人前になれば、映画などの最後に名前が載ることもあり、何にも代えがたい達成感を手にすることができるでしょう。
アニメーターの仕事で大変なことは、求められる絵を描かなければならないことが挙げられます。
絵画や芸術であれば、自分の感性を絵に盛り込んだり、好きなように描くことができますが、アニメーションでは前後の絵やその作品と調和させなければならないため、作品に相応しい絵を描かなければなりません。
また、一秒のアニメを作るのに24枚の絵が必要ということは、30分間のアニメに4万枚以上の絵が必要ということです。求められる絵を描くことだけでなく、スピードも要求されるのです。
アニメーターに向いている人
アニメーターに向いている人の特徴としては、アニメーションが好きということが挙げられます。
特に、新人のうちに任される動画の担当では、一枚一枚の連続したコマを描き続けることになるので、飽きてしまう人もいるかもしれません。
アニメーションが好きであれば、それでも楽しく続けられると考えられ、「好きこそものの上手なれ」という言葉がある通り、好きであること自体が上達につながるものです。
また、責任感がある人もアニメーターに向いています。
アニメーターの仕事は机に向かって黙々とこなすイメージがありますが、アニメーションは数か月間にわたって何社もの会社がかかわる巨大プロジェクトなのです。一人一人が締め切りを守る、丁寧に仕事をするなど、責任感をもって働かなければ、多くの人に迷惑がかかってしまいます。