アレルギーの原因とそのしくみ|アレルギーの対策と現状もチェック

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今や、日本国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っている時代となりました。では、そのアレルギーの原因や起こる仕組みとは何でしょう?今回はそのことも踏まえてアレルギーについてご紹介します。

アレルギーが起こる仕組み


出典:写真AC

食物アレルギーやダニアレルギー、花粉症など様々なアレルギーがありますがそれらはどのようなメカニズムで起こるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

アレルギー反応は、もともと持っていた生体の免疫機能が誤作動を起こして逆に不利益を起こしてしまう現象です。

アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)が体内に侵入すると、その物質を排除するためにIgE抗体と呼ばれるたんぱく質が作られます(感作)。

そして、このIgE抗体がマスト細胞(肥満細胞)の表面にくっつきます。この状態では、アレルギー反応は見られませんが、再びアレルゲンが体内に侵入すると、IgE抗体が作用してアレルゲンを捕え、マスト細胞(肥満細胞)が活動を始めるのです。

そうして、化学物質が放出されて蕁麻疹(じんましん)やくしゃみ、かゆみなどの症状としてアレルギーが出てきます。

①アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)が体内に侵入

②IgE抗体が生成される

③マスト細胞(肥満細胞)にIgE抗体が結合

④再びアレルゲンが体内に侵入

⑤化学物質が放出されアレルギー反応が起こる

食物アレルギーの原因


出典:写真AC

食物アレルギーは子供だけでなく大人になってからも発症するもので、重い症状になると死亡してしまう可能性も出てくるため大変危険なアレルギーです。

主な原因物質としては、ある特定の食物に含まれる”たんぱく質”です。ですが、たんぱく質を多く含む肉類よりも含有量の少ないキウイフルーツや牛乳の方がアレルゲン食物として知られています。

これは、アレルギーを起こしやすい構造のたんぱく質が含まれているために起こるもので、体質的に弱い人も食物アレルギーを発症しやすいと言われています。

食物アレルギーは、原因食物のたんぱく質にのみ反応するIgE抗体が作られるというしくみを持っています。牛乳アレルギーを持っている人が小麦や卵を食べてもアレルギー反応が現れないのはこのためです。

食物アレルギーの中でも重篤症状であるアナフィラキシーショック反応をきたした原因食物は以下の通りです。(厚生労働省参照)

28.2%
牛乳 22.6%
小麦 10.9%
魚類 6.6%
そば 4.2%
エビ 3.2%
果物 2.6%
ピーナッツ 2.4%
大豆 1.4%

皮膚アレルギーの原因


出典:写真AC

皮膚アレルギーの一つに”アトピー性皮膚炎”と呼ばれるものがあります。アトピー性皮膚炎は一般的なアレルギーとは違う要因・メカニズムを持っています。

主に、アトピー性皮膚炎を発症する要因は2つあり、もともと皮膚のバリア機能が低下しているなどの遺伝的要因とダニやハウスダストによる環境的要因です。

遺伝的要因の場合、皮膚の乾燥や皮膚のバリア機能の異常・低下により角質細胞が剥がれ落ち、その間からアレルゲンや最近が入り込むと炎症が起こります。炎症がない場合もアトピー性皮膚炎の患者さんはセラミドと天然保湿因子が不足しているため、ハンドクリームや化粧水などでこまめな保湿が大切です。

環境要因の場合、ストレスはもちろん食物やダニ・ハウスダストがアレルゲンとなって炎症を起こしてしまいます。また、女性では化粧品が肌に合わず炎症を起こしてしまうおそれもあるのです。

アレルギーの原因を調べるテストとは


出典:写真AC

アレルギーの原因を調べるテストは主に「血液検査」「皮膚検査」「食物除去試験」「食物負荷試験」の4つがあります。では、実際にそれぞれの試験方法を見ていきましょう。

血液検査

血液検査で体内にどの程度IgE抗体があるのかを調べることができます。一般的には0~6で抗体価が表示され、スコアが高いとIgE抗体が体内に多くあることを示しています。ただし、数値と症状が一致せず、数値が高いのに症状がでなかったり、数値が低いのに症状が出る場合もあります。

皮膚検査

皮膚検査にはプリックテストパッチテストの2つがあります。プリックテストは、即時型アレルギーに対する有効な検査です。

方法としては、アレルゲンの液体を一滴皮膚に落とし、専用の針でゆっくり刺した後、すぐにふき取り、15分後にアレルギー反応を見ます。陽性の場合は虫に刺されたように赤く腫れたようになります。

パッチテストの場合は、アレルゲンを健康な肌に貼付(てんぷ)して48時間後にアレルギー反応を見ます。

食物除去試験

アレルギー症状に食物アレルギーを疑った場合は、ある特定の疑わしい食品を2~4週間ほど(約30日)食べるのはもちろん、触ることもせず完全に除去して症状の改善が見れるかをテストします。

母乳が主食となっている赤ちゃんにテストする場合は、お母さんの除去も必要となってきます。このテストはかかりつけの主治医とともに、試験期間や症状の変化などきちんと経過を見て行うと良いでしょう。試験をしても症状の改善がなければ、除去試験を中止して他の原因を探してみましょう。

食物負荷試験

食物負荷試験は、食物アレルギーを確定する場合に行う最終的なテストです。どこまでアレルゲンを摂取して良いのか、安全な範囲内での摂取可能量を決めるためにも用いられます。

アナフィラキシーショックが起こる可能性もあるので、かかりつけの主治医の指導のもとに試験を行ってください。試験方法は、ごく少量からアレルゲンとなる食物を食べ、症状や反応を観察します。

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