幼いころ、”竹とんぼ”や”やじろべえ”で遊んだり、作ったりした経験がある方は多いのではないでしょうか?独特の質感を持ち、日本人になじみ深い竹細工の製品の例や作り方、竹工芸を学ぶことができる学校や、東京近郊でできる体験教室まで紹介します。
竹細工とは
出典:ウィキメディアコモンズ
竹細工とは、竹や竹ひごを加工し、編みこんで細工物を作ることや、それらにより作られた工芸品・日用品やおもちゃのことを言います。
竹は割り目を入れると繊維に沿って縦にきれいに割れ、しなやかで折れにくいことから、編んだり加工したりしやすい植物です。
木でも葉でもない独特の性質が、竹細工ならではの質感を生み出します。
竹細工の歴史
平安時代初期、日本最古の文学と言われている「竹取物語」には、以下のような一文があります。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづの事に使いけり
つまり、平安以前には、軽くて丈夫な竹材が使われていたということになります。
また、縄文時代の遺跡から竹を使った製品が出土していることから、古くから日本人が竹を素材として活用していたということがわかります。
竹細工でつくった製品・おもちゃ①【竹箸】
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竹箸は、軽く、持ちやすいのが特徴で、竹はしなやかで折れにくいのもポイントです。
無塗装でも滑りにくいので、食事がしやすいことはもちろん、塗装に使われる化学物質がないので、健康にも安心です。職人さんが丁寧に仕上げることで、ささくれもありません。
竹箸は無塗装のものが多く、多湿な環境ではカビが発生してしまう場合があります。長く使うためには、濡れたままにせずよく乾燥させるとよいでしょう。
竹細工でつくった製品・おもちゃ②【竹かご】
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竹かごは、しなやかで折れにくい竹の特徴を十二分に生かした製品です。多くの木々が倒れるような台風でも、竹はしなやかに曲がり、折れずに堪えることができます。
竹かごは、重いものを入れてもしなやかにほどよく曲がり、耐久性に優れています。
竹細工でつくった製品・おもちゃ③【竹ざる】
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竹細工は通気性や耐久性に優れることから、ざるとしても使われます。
出来立てのパンをお皿に盛ると水分でしなっとしてしまいますが、竹ざるに盛り付けることで、程よく蒸気が抜けるので、サクふわ食感を楽しむことができます。
夏には、そばやうどんを盛るとちょっと涼しげな雰囲気が出ますよね。
竹細工でつくった製品・おもちゃ④【花器】
竹独特の空洞を直接使った製品としては、花器が挙げられます。
竹は、ほかの植物にはあまり見られない内部の空洞が特徴となっています。
その空洞をそのまま活用し、花瓶としても使うことができます。
竹細工でつくった製品・おもちゃ⑤【竹とんぼ】
出典:ウィキメディアコモンズ
竹細工を使ったおもちゃとしては、竹とんぼが有名でしょう。
竹とんぼは、竹でできた棒に竹のプロペラを付けたおもちゃで、手の平で回して飛ばして遊びます。
作り方は簡単で、竹材に穴をあけ、竹軸を瞬間接着剤で留めます。あとはやすりで削りながら角度をつけ、厚さを調節していけば完成です。
竹細工でつくった製品・おもちゃ⑥【やじろべえ】
竹細工では、やじろべえなども作ることができます。先ほど紹介した竹とんぼはトンボの形をしているわけではありませんが、竹細工で文字通り「竹トンボ」のやじろべえをつくることもできます。