鋳造・鍛造の加工方法の種類
出典:写真AC
鋳造の加工方法その1「ダイカスト法」
ダイカスト法とは、溶かした金属を高速・高圧で注入し瞬時に鋳物を作る方法です。
ダイカスト法の特徴としては、寸法精度が高いため薄いものや複雑な形のものも作ることができます。また、大量生産ができるため大幅なコスト削減が見込めます。
鋳造の加工方法その2「ロストワックス製造鋳造法」
ロストワックス製造鋳造法は”精密鋳造”とも呼ばれています。従来の鋳造方法と異なる点が多くあります。作り方は以下の通りです。
①金型にワックスを注入して「型」を作成
②金属が流れる「湯道」に①で作った型をつなぎ合わせる
③②にセラミックコーティングをする。5~6回行い厚みをもたせ鋳型を作る
④鋳型を高圧の蒸気で熱し、ワックスを溶かして空洞を作る
⑤鋳型を焼成し、固める
⑥鋳型に金属を流し込み、製品と湯道を切り離す
以上の工程で作られます。ロストワックス製造鋳造法で作られた製品は、きれいな表面のものが作れます。そのため、外観部品にも利用されます。また、寸法制度が高く複雑な形状の製品を作ることができ、強度アップやコスト削減も見込めるのです。
鋳造の加工方法その3「遠心鋳造法」
遠心鋳造法は、鋳型を水平の回転軸を中心に高速で回転させ、そこに金属を流し込み円筒状の製品を作る方法です。
遠心鋳造法は高速で回転させているため成分が緻密・均一さに優れています。また、リングやパイプ状の製品に関しては木型の制作が不要になるためコスト削減が見込めるのです。
鍛造の加工方法その1「熱間鍛造」
熱間鍛造とは、金属を柔らかくなる状態にまで熱を加えたのち、圧力をかけ成形する方法です。
熱間鍛造では、複雑な形状のものも成形することができます。また、高温下で鍛造を行うことによって、高い強度と靱性を得られます。ほかにも、内部欠陥がなくなり組織が緻密・均一になることも熱間鍛造の特徴でしょう。
鍛造の加工方法その3「冷間鍛造」
冷間鍛造は、熱間鍛造に比べ低い温度、常温下で鍛造する方法です。熱間鍛造に比べて大きな圧力をかけて成形する必要があります。そのため、加工の難易度は高く破損してしまう場合もあります。ただ、熱間鍛造に比べて制度の高い製品を作ることができます。
鋳造・鍛造のメリット・デメリット
出典:写真AC
鋳造(ちゅうぞう)のメリット・デメリット
鋳造のメリットは上記にもある通り、型を作り金属を流し込めば同じ形状のものが作れるので、成形にかかる時間とコストを削減でき、大量生産することも可能です。また、複雑な形状をしたものなど鍛造では製造できないものも鋳造の技術を使えば可能である点もメリットといえるでしょう。
ただし、型の設計や金属を流し込む際の技術的な面でミスがあれば寸法通りに製造できない場合が生じてしまいます。そのまま大量に生産してしまった場合などは大変な影響が出てしまいます。ほかにも、固めた際に大きな空洞ができてしまう「ひけ巣」は鋳造の大きなデメリットといえるでしょう。また、冷却時に割れや亀裂が生じてしまう点も鋳造のデメリットといえます。
鍛造(たんぞう)のメリット・デメリット
鍛造のメリットは上記にもある通り、叩くことによって内部の結晶が整えられ気泡などの内部欠陥を発生させないため、大変強度に優れている点です。こちらも、鋳造同様に金型を用いることによって大量生産することができるためコスト削減が見込めるでしょう。
鍛造のデメリットは、鋳造に比べて成形の時間がかかる点です。強度の優れた製品を作ることができる一方で、加工する際に大きな圧力を要し、時間がかかってしまいます。また、鋳造のような複雑な形状のものを何でも作ることはできません。熱間鍛造であれば、ある程度の複雑な形状も作ることが可能ですが鋳造には及びません。