どのお店に行ってもテーブルの上には必ず置いてあり、日常生活で毎日の自宅での食卓にも欠かせない爪楊枝ですが、じっくり見ることは少なく特に意識したことのない方も多いのではないでしょうか。
実は、どこにでも売っている味気のない爪楊枝だけではなく、江戸時代から続く長い歴史の中で培われた、こだわりの爪楊枝もあることはご存知でしょうか。日本のみならず、世界中探しても唯一ここだけにしかないという、爪楊枝の専門店が東京の日本橋にあります。
今回は、究極の日用品である爪楊枝について紹介します。
江戸時代から続く日本橋の老舗の爪楊枝専門店「さるや」
創業は1704年(宝永元年)という、実に300年以上もの長い歴史と伝統を誇る爪楊枝専門店である「さるや」は、東京の百貨店の中でも格式と伝統がある三越本店の近くにあります。日本橋は江戸時代には多くの呉服店が店を構えていたことでも知られているように、商業の街として歴史のある地域で、現在でも東京の「粋」を感じる衣食住さまざまな分野のお店が多く残っています。
この「さるや」で取り扱っている爪楊枝は、全国の有名料理店も使用しているというお墨付きですが、現在でも日本橋にあるお店はモダンで明るい雰囲気となっており、気軽に立ち寄れるお店になっています。
香りが良く、形が綺麗なクロモジ(黒文字)の爪楊枝
通常の爪楊枝は丸く細い形をしているものがほとんどですが、「さるや」の爪楊枝はやや四角い形をしています。日本各地に自生しているクスノキの一種であるクロモジという木を原料にしています。クロモジの魅力はなんといっても、その香り。優しくて、どこかで嗅いだことのある懐かしいような香りは使用するたびに癒されます。
また、なめらかで柔らかいので口当たりがソフトなところもクロモジが爪楊枝に使用され、長年愛されている理由です。職人さんが丁寧につくった爪楊枝は普段の生活にほんの少しこだわりをプラスしたいという人や、毎日の生活を楽しみたいという人に最適です。
さらに、爪楊枝単体だけではなく、桐の箱に入った爪楊枝も多く取り扱っていますが、その箱の蓋に入れられた文字もひとつひとつ手作業で筆入れをしているというこだわりがあります。世界に二つとないひとつだけの箱になっているので、爪楊枝を使用した後にも小物入れとして使用できます。
桐は昔から湿気から守り、虫除けの作用もあるとされており、着物を収納するには桐たんすと言われてきました。爪楊枝を使用した後の桐の箱にもお楽しみがあるところも魅力ですね。
さるやの爪楊枝クロモジ(黒文字)は、プレゼントにも最適
「さるや」の爪楊枝は非常に長い伝統と格式のある、日本の技術がギュッと詰まった工芸品ですが、シンプルなものであれば意外にリーズナブルに購入できるのも魅力です。
クロモジを使用した爪楊枝であれば、1000円〜2000円前後、桐の箱に入ったものでも、2000円から5000円ほどで見つかります。自宅用としても使いやすい価格なので、日常生活で使用する消耗品に少し粋をプラスして、日本伝統のこだわりの一品である爪楊枝を選んでみてはいかがでしょうか。
また、近年はモノにあふれた時代で、大切な人のお祝い事でプレゼントをするのにも何を差し上げたら良いか気を使ってしまう、というときに「さるや」の爪楊枝はいかがでしょうか。桐の箱入りを選べば、見た目で江戸の粋を感じられて素敵ですし、お料理のアクセントにも役立ちます。
さらに、消耗品なので使用を終えたらすぐになくなるので場所も手間もとりません。最近では、有名なキャラクターとのコラボレーションや全国各地の名品と共同で開発した商品も多く、様々なお取り扱いがあります。他の人とかぶらない、ほんのり嬉しいプレゼントとしての爪楊枝は、もらっても差し上げても嬉しいものです。
出典:日本橋さるや
さるやの爪楊枝で、粋な食卓を
毎日使用するもので、食卓にも粋な彩りを与える爪楊枝ですが、現在では海外からの輸入品やクオリティーの整っていない大量生産がほとんどとなっています。食事が毎日するもの、毎日触れるものだからこそ、ほんの少しこだわりを持って江戸の粋を感じる爪楊枝はいかがでしょうか。あまり目立たない食卓小物だからこそ、思い入れを持って選んで使うことで毎日の生活が豊かになるかもしれません。