こんにちは!粋の体験レポーター松本です。
現在、一日漁師となって職場を学べる体験が開催中です!そんな魅力的な漁師体験できるのは千葉県南房総市にある株式会社庄司政吉商店。
▼体験先のインタビュー記事
船の最高責任者「漁労長」漁師人生とロマン迫る|定置網漁師/和田謙太郎
南房総市は東京から100km圏に位置し、車で1時間ちょっとでいけるアクセスの良いお出かけにはもってこいな場所です。
今回は、実際に職場体験した様子をご紹介します!
漁師の朝は早い!
04:30 事務所へ集合
漁師の朝は早く、午前4時30分に事務所へ集合します。
今回、漁師体験を案内して頂く和田謙太郎さん。船の最高責任者である漁撈長です。和田さんに挨拶を済ませ、出港までの間に着替えや船に氷を積むなど、準備を行います。
出港
準備が整い、いざ出港!
定置網を主に漁をしている庄司政吉商店では、約3㎞先に設置している網のところまで2隻の船で移動します。
船の揺れがすごい。。
体がすこしフワッとするような上下の動きに慌てて鉄の棒に捕まります。この日の波の揺れは少ない方だとおっしゃっていましたが、船乗りに慣れていない私は何かに捕まっていないとバランスを崩してしまう、地下鉄に乗っているような感覚でした。
船を進めていくと、旗が海の上に浮かんでいます。全部で4つあり、網の設置してある場所の目印となっているそうです。
約15分で一つ目のスポットへ到着。
しかし、この日は潮の流れが早く、魚が少ないと判断した和田さんは次のスポットへ移動するようトランシーバーを使って操機長へ指示を出していました。一瞬の判断に、職人の目利きを感じました。
そして次の旗を目指し再出発。その頃には日が昇りはじめ、海を光が照らし始めました。
この日は曇りでしたが、雲の隙間から海に向かって差し込む薄明光線は壮大な景色でした。
朝日を見ながら仕事ができるのも漁師の醍醐味ですね!
約5分後に次のスポットへ到着。
いざ、網の引き上げ体験開始
この船の乗組員は10人。長い柄を使って海に沈んでいる網を引き上げ、専用の機械に巻きつけて引き上げていきます。
そして、もう一隻の船は乗組員が5人。網の反対側で出口を抑え、魚たちを逃がさないようにします。
網を引き上げながら、どんどん魚たちを追い込んでいきます。みんなで声を掛け合いながらフォローしていき、和田さんは一人一人の動きを把握し指示を出していきます。
漁ではチームプレーがかかせないことが伺えます。
和田さんからの声がかかり、私も網の引き上げに参加しました!
網は水深27mまで沈んでいて、引き上げる際は声を掛け合い、タイミングを合わせながら行います。
機械を使って引き揚げますが、その機械に網を入れていく時に網の重量感を扱いの難しさを味わえます。
いつ魚が顔を見せるのか、網を引き上げるたびにワクワクが膨らんでいきます。
徐々に鳥たちが群がるようになり、魚が水面から顔を見せ始めました。
出向前に積んだ大量の氷を、魚を一時保管する船中心部の床の下にある箱へと入れていきます。
引き上げ体験「大量の魚と対面」
2隻の船の間隔はかなり近くなり、水面には数えきれない魚が密集しています。
トビウオが網を超えて逃げていく光景や狭い網の中を必死に泳ぐ魚が鮮明に見え、まるで整理されていない水族館のような光景です。
いよいよ網ですくい上げます。
一回の引き上げで何百何千匹はいるであろう魚たちが一気に船の中に入っていきます。
網の正面から、自分の足元に入っていく魚をみて興奮していると
和田さんが「今回はちょっと少ないね」と一言。ここ1,2年は獲れる量が減ってきているとのこと。多いときは60tくらい獲れるそうです。
それでも何百、何千匹もの魚が網にかかっているのを目の前にすると、興奮は隠しきれませんでした。
引き上げ完了→かもめと並走体験
引き上げた網はまた海へ設置しておきます。網は2か月に一度掃除を行うとのこと。
今回は一か所だけの引き上げだったので、少し早めの帰港となりました。
帰港&選別
港へ戻り、市場に魚を出すためみんなで魚を種類別に選別していきます。魚の大きさによっても分けるので、量が多いと午前いっぱいかかることもあるそうです。
想像を超えるスピードで選別していく漁師さんたちに圧倒されました。
また選別の量もそんなにあるのくらい多く、たくさんの種類の魚が取れたことを実感しました。
朝ごはん!漁師飯体験!
魚を市場に預け、事務所に戻って獲れたての魚を専属のシェフが調理します。
今回はカツオの刺身、カンパチの若魚である庄子の煮つけ、まぐろのからすみを白米とお味噌汁と一緒に頂きました!美味い!
市場の見学
他の漁師さんの漁船も丘に戻り、魚が揃えば市場にてせりを行います。
オークション形式で魚に値段がつけられ、最高の値をつけた買い手に販売します。市場では業者関係者の声が鳴り響きます。
網の修理
今回のレポートでは、網の修理は省略させて頂きましたが
本来の体験では、実際に漁で使用している網の定期メンテナンスを手伝うことができます。
網の修理が終われば、2度目の専属のシェフが調理したお昼ごはんを頂けるそうです!
漁師さんとお魚と記念撮影
これにて1日職場体験の終了です。
ためになる漁師体験
和田さんは知識が豊富で、魚についての質問であれば何でも答えてくれました。獲れたての魚よりも、死後硬直から1日置いた方が、実は旨味が出て美味しいという豆知識も。
今回の体験を通じて、漁師という職業の魅力や作業の難しさ、職場の雰囲気などを感じることができました。帰宅し、余韻に浸りながら頂いた魚を捌いて食べました。
船・朝日・定置網漁・漁師飯・捌きと非日常と学びが詰まった職場体験。
皆さんも体験してみてはいかがでしょうか。