東京都の下町と言えば浅草や上野、両国や向島が全国的に知名度が高いと言われています。しかし、それらの場所に負けずとも劣らない下町が葛飾区に位置する柴又ではないでしょうか?
古くから柴又帝釈天と呼ばれ親しまれてきた、題経寺(だいきょうじ)の門前町として栄えた柴又は人気映画シリーズ「男はつらいよ」の舞台として取り上げられたことで、東京屈指の人気観光スポットに成長したと言われています。
環境省が定める「日本の音風景百選」にも選出されるほど、下町風情を色濃く残した柴又は、京成電鉄金町線の柴又駅をはじめ、北総鉄道の新柴又駅、京成電鉄と北総電鉄の共同使用駅である京成高砂駅などの徒歩圏内に位置することから、非常にアクセスの良い観光スポットと言えるでしょう。
柴又観光の魅力
東京の下町観光を希望する観光客にとって、映画「男はつらいよ」の主人公、寅さんの地元柴又は上野や浅草に並ぶ下町の観光スポットとして、注目される存在だと言えます。
粋でいなせであることに、絶対的な価値観を置く浅草の下町文化より、柴又は人間臭さを感じられる、東京の下町のように映るのかも知れません。
東京の下町文化を牽引している意識が高い浅草や、上野エリアと比べると葛飾エリアは、肩の力が抜けた下町だと言えます。泥臭く人情味溢れる下町文化は浅草に代表される、下町エリアと比べると洗練されていないとも言えますが、本来の下町風情は柴又の方に分があるのではないかと言えます。
柴又の観光名所①
フーテンの寅像
photo by Takashi .M
葛飾柴又を下町の観光スポットにのし上げたフーテンの寅次郎は、現在でも下町観光スポット柴又の立役者として親しまれています。寅さんの地元柴又に位置する柴又駅の駅前には、1999年に地元柴又を振り返りながらも立ち去る「フーテンの寅」像が設置されました。
その後18年の時を経て寅次郎を見送る妹「さくら」の像も設置され、柴又駅前では往年の名作「男はつらいよ」のワンシーンがリアルに再現されています。
フーテンの寅像設置の際にも、全国から寅次郎ファンが押しかけたことから、兄弟像が仲良く設置された柴又駅前は「男はつらいよ」ファンにとっての聖地としての環境が整ったと言えます。 照れ屋の寅次郎であれば「よせやい!照れるじゃねーか!」と威勢の良いタンカを切るのではないでしょうか?
柴又の観光名所②
帝釈天参道
photo by puffyjet
柴又の観光スポットとして最も知名度があり、柴又を訪れる観光客が必ず足を運ぶ場所と言っても過言ではないのが、柴又帝釈天ではないでしょうか?柴又の町が門前町として発展し、寅さんの実家である「とらや」や「くるまや」が位置するのも帝釈天の参道です。
柴又帝釈天参道には「とらや」や「くるまや」のモデルとなった高木屋老舗という草団子を中心とした和菓子店が実在し、多くの寅さんファンの観光客で賑わっています。寅さん人気で一躍下町の観光地にのし上がった柴又は帝釈天の存在なしには語れないと言えます。
柴又の観光名所③
柴又ハイカラ横丁
出典:写真AC
下町の雰囲気を色濃く残す葛飾柴又の観光スポットとして近年注目を集めているのが「柴又ハイカラ横丁」です。ハイカラ横丁の名前が示すとおり、昭和の時代の雰囲気をそのままに再現し数千種類の駄菓子を用意した1階の「柴又ハイカラ横丁」と、レトロな玩具が勢ぞろいした2階の「柴又オモチャ博物館」で構成されています。
コンビニエンスストアが普及したことで姿を消してしまった、昭和時代の駄菓子屋の雰囲気を見事に、再現した店内には、懐かしさを求めて葛飾柴又に足を運んだ、観光客が昭和レトロな雰囲気を満喫しながら、駄菓子を購入する姿が見られます。
昭和の時代を知らない世代でも、懐かしさを感じることができる店内は、葛飾柴又の新たな観光スポットとして注目を集めています。