狂言師になるには|気になる年収や一般人が狂言師になる方法

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狂言師とは


出典:フォト蔵

伝統芸能である狂言を演じる役者を狂言師といいます。狂言は能楽の分野の1つのため、狂言師が所属する能楽協会の名簿では「狂言方能楽師」といっています。能と狂言とは違う芸能ですが、同じ日に上演されることが多く、これを総称して能楽といいます。

公文式のTVCMに、親子で出演している野村萬斎さんは有名で、ご存知の方もいるのではないでしょうか。「陰陽師」や「のぼうの城」など俳優としても有名ですが、もちろん狂言師であって、プロの役者なのです。

狂言師の仕事


photo by midorisyu

狂言師の仕事はもちろん、役者として狂言を演ずることです。同じ能楽の舞台で演ずる能と狂言の違いはご存知でしょうか。能では主役であるシテ方が面を付けますが、狂言では素顔で、表情豊かに演じます。そして狂言は、笑いの芸で、セリフもわかりやすいものです。歌舞伎のように、大規模な舞台装置も使いません。

1日ごとに違う演目を上演するのも能楽の特徴です。狂言師は、狂言のみを演じ、能は演じません。狂言の世界は、和泉流大蔵流とに大別され、さらにその流派の中で活動している家々があります。狂言の公演は、家々ごとに行うケースがほとんどで、他の家や流派との交流は、もともと多くありません。

ただ最近は、能と組み合わせない単独の狂言公演も多く、他家、他流にゲストで出演したりされたりといった機会も増えてきています。狂言(そして能)を観る場所としては、千駄ヶ谷の国立能楽堂などで公演が行われています。

この他、東京・横浜に5か所の能楽堂があります。地方では、屋外の能楽堂を舞台として、薪能など開催されていて、プロの狂言師が出演することもあります。狂言師の仕事にはこの他、アマチュアの弟子に技術を伝授するというものもあります。

狂言師の気になる年収


photo by midorisyu

狂言師の年収は、240万円~540万円程度です。アマチュア弟子からの謝礼も収入に含まれます。能楽師の中では、能のシテ方、ワキ方よりも低く、お囃子(はやし)と同等です。狂言師は勤め人ではありませんので、福利厚生などはありません。

狂言師のメリット・デメリット


出典:フォト蔵

年収を見てわかる通り、狂言師になったからといってお金持ちになれるわけではありません。これはデメリットといえます。伝統芸能の世界で生きていきたいという信念を持った人でないと、続かないでしょう。もちろん本当にやりたい人にとっては、なれるだけで幸せな世界だと思われます。これはメリットといえます。

狂言師に向いてる人、向いてない人


photo by Chris Gladis

伝統芸能にも色々な種類がありますが、狂言の世界は比較的狭いものです。かつてこの狭い業界で、宗家襲名騒動をおこした狂言師がいました。しばらくは良くも悪くも話題になりましたが、現在では見る影もありません。

伝統芸能の世界では、実力を認められない人の出番はないのです。このように、修業の労苦を厭う(いとう)人には向いていない世界でしょう。反対に努力した人には、大きなやりがいが待っています。

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