毛鉤の作り方やテンカラ釣りを紹介|伝統工芸品「播州毛鉤」とは?

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毛鉤の種類


出典:写真AC

毛鉤は、その巻き方によって「普通毛鈎」「順毛鉤」「逆さ毛鈎」の大きく3種類に分けることができます。 普通毛鉤は、毛が針の軸に対して真横に伸びています。毛鉤の最も基本的な巻き方です。 順毛鉤は、毛が針先のほうに向かって傾いています。動かして魚を誘うために用いるので、ほかの毛鉤と組み合わせて使うことが多くなります。

逆さ毛鉤は、毛が針の根本に向かって傾いています。動きが大きく変わりやすく、特にテンカラ釣りに向いている毛鉤です。 ただし、これらの種類はあくまで見た目から分類しただけにすぎません。ほとんどの釣り師は、自分に合ったものを1種類だけ使うのが基本です。

手作りの毛鉤


出典:写真AC

毛鉤は、わずかな材料と手間をかけるだけで簡単に作ることができます。 材料に用いる針は、フライ用のものを使用します。ラインを結びつける環付きのものが使いやすいでしょう。サイズは、魚に合わせて10番から12番程度のものを選びます。 毛鉤に巻きつけるスレッドには、50番程度のミシン糸を用います。ボビンホルダーがあると、巻きつけるときにやりやすくなります。

胴巻きには、ピーコックハールと呼ばれるクジャクの羽や毛糸などを。毛鉤の毛となるハックルには、作りたい形や色に合わせた鳥や動物の毛を使います。 糸を巻きつけるときには、小型の万力であるバイスにフックを固定します。糸でピーコックハールを巻きつけていき、最後に羽を付けて接着剤で仕上げればできあがりです。

播州毛鉤

播州毛鉤は、兵庫県で作られている毛鉤です。 その全てが手作業のみで、クジャクカワセミ、ヤマドリなどの鳥の羽を絹糸で巻いて作られています。 通常の毛鉤にくらべると、金箔や漆が用いられ、より鮮やかな色合いとなっています。見た目も水棲昆虫をイメージで再現しているため、どこか幻想的なオブジェのようにも映ります。

の種類は、魚や季節、天候、水質などに合わせて1000種類以上もあるとされています。 もともとは京都で作られていたものですが、幕末に播州の農家に伝わり、副業として営まれてきました。明治時代になると水産博などで様々な表彰を受け、昭和62年になると経済産業大臣から伝統的工芸品に指定されました。

平成19年には「播州毛鉤」が地域団体商標として登録され、現在ではその生産額が全国の9割以上を占めています。 もちろん工芸品としてだけではなく、その実用性の高さから多くの釣り師に愛好されています。 

自分で作ることのできる毛鉤


出典:写真AC

最近ではルアー釣りに慣れてしまい、なかなか釣ることができない魚も増えてきました。そのような魚でも、日本伝統の毛鉤を用いると釣れるケースがよくあります。 釣れる魚の種類も意外と豊富で、マス類だけではなく、鮎やブラックバスなどもよくかかります。

何といっても、毛鉤の最大の魅力は自分で毛鉤を作ることができる点でしょう。単純な作りだからこそ、自分なりの工夫を凝らすことができ、釣れたときにはその嬉しさも一入です。 釣り方自体にはまったく難しいところはありません。初心者の方も、是非古来の日本人にならって始めてみてはいかがでしょうか。 

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