「一言居士(いちげんこじ)」の意味と使い方|類語・対義語・英訳も

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「一言居士」という四字熟語があります。実際には「彼は一言居士な性格だ」などといった使われ方をします。さて、この「一言居士」という言葉の意味をご存知でしょうか。

日常生活では、なかなか使われない言葉ではあるものの、何かの際に使われても意味が分からないとは言いにくいものです。「一言居士」の言葉の意味を解説しますので、この機会に是非覚えてください。

【意味】 どんなことであっても、必ず一言述べないと気が済まないこと。
【由来】 「居士」と、「くり抜く」や「人の心に苦痛や動揺などを与え」、「真相を明らかにしようと追及」などの意味を持つ「抉(こじ)れる」という言葉から。
【類語】 「一徹短慮(いってつたんりょ)」「頑固一徹(がんこいってつ)」「偏狭頑固(へんきょうがんこ)」「漱石枕流(そうせきちんりゅう)」「短慮一徹(たんりょいってつ)」「論客」「うるさ型」
【対義語】 「何も言わない」「口を挟まない」「胸の内を明かさない」「腹に収める」
【英訳】 a person who has something to say on anything and everything
以下では、一言居士の意味や由来、使い方などを詳しくご紹介します。

一言居士の意味


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「一言居士」は、読み方を「いちげんこじ」と言います。

また、その意味は「どんなことであっても、必ずひとこと言わないと気が済まない」ということを表現する言葉となります。特に意見を求められている訳でもない場合においても、とにかく何か言ってしまう、または言おうとする人の事を指している言葉となります。

「居士」という言葉が付く似た熟語で「直言居士(ちょくげんこじ)」という言葉があります。

しかし、「直言居士」の意味は、「歯に衣着せぬ物言いで、良い悪いのはっきりと意見する人」の事を表現している言葉です。この場合は、どちらかと言えば相手の為を思って言っているという、前向きな感情が含まれている表現となっています。

一言居士の由来・言葉の背景


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「一言居士」という言葉を分けて考えると、「一言」はそのまま「ひとこと」となります。

また、「一言居士」の「居士」はもともと仏教の言葉で、古代インドにおいては資産のある家などの家長を意味していました。また、中国では学特が高いにも係わらず仕官しない人のことを指しています。

そして日本では、出家した僧侶を意味する言葉ではなく、在家の状態で仏教に帰依する男子を表していました。また、男子が死んだ後には、戒名の最後につけられる称号となっています。最近では、ある一定の特徴や習慣などを持つ人に向けて、「軽い親しみ」もしくは「からかい」の意図がある言葉となりました。

その「居士」と、「くり抜く」や「人の心に苦痛や動揺などを与え」、「真相を明らかにしようと追及」などの意味をもっている「抉(こじ)れる」という言葉をもじって、「一言居士」という言葉となったといわれています。

一言居士の使い方


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それではこの「一言居士」とは、どんな場面で使うことができるのでしょうか。例文を何個か上げていきますので参考にして下さい。

・彼は会議の場になるといつも一言居士で、うとまれてしまう

この例文では、意見は求められていないのに余計な一言を発してしまうことを表現するために一言居士が用いられています。

・一言居士な性格が災いして、いつも人とぶつかってしまう

こちらも、何か意見を言ってしまうことが良くないことを意味するために一言居士が用いられています。

・彼女には一言居士な面もあるけれども、決して悪気があるわけではない

この例文では、思わず意見を言ってしまったり一言多い性格であることを一言居士を用いて表しています。

・父は一言居士な所があり、子育て中の娘たちに教育方針などについて講じることがある など

この例文も父親が娘に対して一言多く、少しお節介な面が見られる様子を一言居士という言葉を用いて表しています。

これらの例文から分かるように、一言居士という言葉は一言多い人に対して言う表現で使います。ひとこと言ってしまうからといって、悪い意味ではない部分もありますので気をつけましょう。

一言居士な人の特徴


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一言居士な人は、その意味のとおり一言言わないと気が済まない人なので、時に人間関係で失敗してしまうこともあるかもしれません。

しかし、あまり言いたいことを言えない人よりはストレスが溜まりにくいと言えるかもしれません。言いたいことを言うということは、精神衛生上はとても必要なことなのです。

また、一言居士な人が必ずしも悪い人とは限りません。周囲の人から、嫌煙されてしまうかもしれませんが見方を変えてみると、一言居士の人はお節介、つまり相手のことを思いすぎる節があるということです。思いすぎるあまり、つい一言余計なことを言ってしまったり、意見を言ってしまうのです。

どの四字熟語にも、由来があります。

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