「泰然自若(たいぜんじじゃく)」の意味と由来|例文も紹介

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「結婚式のスピーチの途中、急に停電になって周りがざわついたが、彼は内容を暗記していたらしく泰然自若としてそのまま立派なスピーチを終えた」というようなときに使われる、「泰然自若」という言葉をご存知でしょうか。

学生時代にはあまり使う機会のない言葉ですが、社会人になり、経験豊富で落ち着いた年配者に対しては良く使われる言葉です

そのため、正しい意味や使い方を理解しておかなければ、場合によっては相手の気分を害してしまうことにもなりかねません。こちらでは、泰然自若という言葉の意味や由来、使い方などについてご紹介していきます。

泰然自若の意味


出典:ぱくたそ

泰然自若という言葉の意味は、冷静で落ち着いており、どんなことにも動じない様子を指しています。

突発的なトラブルを冷静に処理するときや、予想外の展開になった場合でも、慌てずに落ち着いて行動しているときなどに用いられ、基本的に相手を褒める意味で使っています。

この言葉は、ただ単に物事に動じない様子を指しているのではなく、トラブルの中でも的確にやるべきことを行う場合などに用いていますので、突発的な出来事に鈍く、慌てない場合などには使われません。

泰然自若の由来

泰然自若という言葉には、特に出典などはありません。ただ、元々「泰然」という言葉だけで、悠然としていて物事に動じない様子を表していましたし、「自若」という言葉もいつも落ち着きを失わず、普段通りにしている様を意味しています。

この場合の「泰」というのはおおらか、ゆったりしているという意味、「然」はそれを肯定している意味で使われています。また、「自」は自然、自分らしいという意味であり、「若」はそのようであるという意味で使われています。

つまり、「泰然」と「自若」はどちらもいい意味で落ち着いて普段通りの様子であることを意味しており、二つの似たような意味の言葉を組み合わせ、さらにその長所を強調しているのです。

泰然自若の例文


出典:ぱくたそ

泰然自若という言葉は、普段通りの環境ではあまり使われません。というのも、普段はほとんどの人が落ち着いて自分らしい行動をしているからです。

例えば、「理不尽なクレームをつけられたときも、彼女は泰然自若として、顧客に説明を行っていた」のように、何らかのトラブルにおいて普段と変わらない様子を強調するときに用います

また、泰然自若という言葉は、そのあとに「として」「とした」などをつけて用いることが多いですが、「急に天気が悪くなった時も、泰然自若たる彼はすぐに人数分のタクシーを呼んでくれた」のように使うこともあります。

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