日本舞踊とは
日本舞踊とは、言葉通りに捉えると「日本の踊り」です。 「踊り」といっても多様で民間伝承で伝わってきたものもありますが、ここでは舞台芸術としての踊りを指します。舞台芸術のとしての「日本舞踊」は、流れとして「舞楽」や「能楽」といった要素を取り入れながら様々な流派で発展を続けてきました。
日本舞踊の歴史
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日本舞踊の歴史は上述したように様々な潮流を汲んでおり、一概に「いつ始まった」と定義できません。
ただ、記録としては平安時代に皇室に伝わった「雅楽」という日本独自の歌や舞に、大陸から伝わった仏教芸術が混じり合ったものの中に、既にその萌芽を認めることが出来ます。
日本舞踊の五大流派
日本舞踊には現在に至るまで様々な流派が存在していますが、最も重要な5つの流派のことを「五大流派」として区別しています。
①花柳流
最大の流派と呼ばれ、1849年頃に創始されました。 リズムの粒度が非常に高く、踊りの厳密さを重視することで知られています。
②藤間流
1704年頃創始されました。 今では「家元」と「宗家」に分派しています。 花柳流が踊りに厳密さを求めるのに対称的に、藤間流では自由でおおらかな踊りが特徴になります。
③若柳流
1895年に創始されました。後継者争いなど様々な紆余曲折を経て沢山の分派を持っています。 手振りを重視することで品格のある舞踊であるとされています。
④西川流
詳細は不明ながら1700年前後創始とされており、最も古い流派の1つです。宗家家元、10世扇蔵は1999年に人間国宝として認定されました。
⑤坂東流
1800年代初頭に創始されました。歌舞伎役者を流祖とし、ゆえに大衆に受け入れやすい筋書きがあり、多くの定番となる作品を生み出しています。
それではここから、日本舞踊の三大構成要素である「舞い、踊り、振り」について解説していきます。 先ず「舞い」について解説します。
日本舞踊の種類①
舞い
出典:写真AC
重い音楽に合わせて、穏やかな動作で舞台を周回する動作を基本とします。 心理状態を静かな動きで表現する役割が強く、後述する「踊り」と比較して、貴族的要素が強いと言われています。
日本舞踊の種類②
踊り
「踊り」について解説します。 軽い音楽に合わせ、拍子を取りながら快活な動作でうねりをつけて動くものを基本とします。 大衆文化的であると言われ、江戸時代の大衆文化興隆の流れの中で様々な民間伝承を取り込んで発展しました。
日本舞踊の種類③
振り
「振り」について解説します。 様々な音楽に合わせ、ストーリーに合わせた具体的動きを表現するものです。 筋書きを描き出すための役割が大きく、これも江戸時代の歌舞伎等の大衆文化を取り入れて複雑化していきました。