気になる職業チェック!「鍛冶師」の仕事って?年収・勤務形態は?

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「鍛冶師」という職業を聞いたことはありますか?「歴史の教科書やゲームの中で見たり聞いたりしたことがある」という人が多いのではないでしょうか。そんな「鍛冶師」は、もちろん現実の中に今も存在している職業なのです。

しかし、実際に何をする仕事なのか、どのくらい稼げるのか、勤務形態がどうなっているのかなど、わからないことばかり。そこで今回は、気になる職業のひとつ「鍛冶師」について詳しくみていきましょう。

鍛冶師とは

ゲームの登場人物で、工房を持っていて、そこで刀などの武器を鍛えてくれる鍛冶師キャラクターがいますよね。現実の世界では、鉄などの金属製品の鋳造・製造・修理・加工をする人のことを鍛冶師といいます。

包丁などを鍛える伝統工芸として有名な鍛冶製品も多くありますし、東京都千代田区をはじめとして、日本各地に「鍛冶町」などの地名としても残されています。現在では、主に刃物や工具、農具などの製品を制作していますよ。

鍛冶師の仕事内容


出展:写真AC

鍛冶師の主な仕事は、鉄・鋳物などの金属を熱して、刃物や工具、農具の形に整えていくこと。途中、金槌などで金属を打ち鍛える作業を繰り返し、不純物をできるだけ取り除いていくのです。

鍛冶師として働くには、特殊な技能が必要だとされています。古来より生活に密着した道具を作る職業なので、どこに行っても重宝され、かなり古くから専業化されてきた職業のひとつです。

しかし、さまざまな工業機械の発展とともに、鍛冶師の仕事も機械化されてきました。そのため、鍛冶工房の数も減り、今では鍛冶師の技術を学ぶこともかなり難しくなってきています。

鍛冶師の勤務体系

鍛冶師として働く場合、家業を継ぐ形で就職する人がほとんどでしょう。全くの未経験から目指す場合、最近は弟子を取らない職人も多く、弟子入りが最大の関門ともいえるかもしれません。そのため、農具や工具、刃物メーカーなどに就職し、そこで技術を学ぶのもひとつの手です。

勤務体系も会社によってさまざま。福利厚生としては、厚生年金や各種保険があります。

鍛冶師の年収

“さて、気になる鍛冶師のお給料は、いったいどのくらいなのでしょう。一概にはいえませんが、例えば刀鍛冶の場合、まず刀匠資格を持つ刀鍛冶のもとで5年修業をして、ようやく実質試験の役割を果たしている研修会への参加資格を得られます。

その後、お礼奉公を終わらせ、晴れて独立。しかし、独立にもお金がかかりますし、作刀依頼はたくさん来るものではありません。普通の会社員のようにはいかないものです。

刀鍛冶は、有名な人なら年収は1000万円程度だといわれています。というのも、いくら価値が高い刀を作っても、その後の販売コストがかさんだり、買い手がすぐには付かなかったりして、値下げをして販売することもあるためです。

そのため、年収もピンキリ。「どこで修行や勤務をするか」「どんな勤務形態を取るか」でも、かなり条件が変わってしまうんですよ。”

鍛冶師になるメリットやデメリット


出展:写真AC

鍛冶師になるメリットは、作品展などを開催すれば、たくさんの人たちに自分の作品を見てもらえることです。反応を直接見れることで、制作意欲につながるのです。反応がもしよくなかったとしても、それを次の仕事や作品作りに生かす材料になるでしょう。

デメリットとしては、技術をモノにするまでの間にかかる金銭的な負担が挙げられます。充分な蓄えがある人ならば問題ないかもしれませんが、修行期間から考えれば、負担は相当なものだといえるでしょう。また、鍛冶師の技術は特殊技能なので、一朝一夕に身に付くものではありません。技術を習得できれば、それを生かして刀鍛冶のような芸術作品だけでなく、家づくりなどさまざまな分野で活躍することも可能でしょう。

鍛冶師に向いてる人/向いてない人


出展:写真AC

前項でも述べている通り、鍛冶師の技術はすぐに身に付くものではありません。全工程を手動でこなしていくので、根気がいる作業の連続です。

また、熱した鉄を金槌などで何度も叩いて鍛えるのには、体力も必要です。根気のない人には難しい職業ではないでしょうか。反対に、ひとつのことに集中してものを作るのが好きな人には、向いている職業だといえるでしょう。

そして、鋼を熱する際は、経験に基づく温度管理が必要とされ、炉から出すタイミングも見極めなければなりません。そのため、すばやく正確な判断力も必要なのです。

鍛冶師の仕事は、生活に根ざした実用品生んでいくこと。より良いものを作るための創意工夫は欠かせません。「物作りが好き」「図面を引くのが好き」という人にも向いているでしょう。

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