七輪とは、海底に植物性プランクトンの死骸が堆積して出来た珪藻土を主原料に焼成して作られる火鉢の仲間で、日本の伝統的ないわゆるコンロです。
極めて保温性が高く、木炭や豆炭を燃料として、効率よく熱調理ができます。
また、小さくて軽いので持ち運びに優れ、屋外でも比較的簡単に使用することが可能です。 このため、我が国では古くから庶民の間で馴染みの深い保温・調理用火器として、広く愛されてきました。
七輪が生み出す、鉄さえ溶かす遠赤外線効果
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七輪は、直接素材へ火を当てるのではなく、木炭から発生する赤外線で効率よく遠火から調理できるのが特徴です。 このため炉としては万能で、できないことはほとんどありません。 正しい使い方をすれば、誰でも遠赤外線による本格的なアウトドアクッキングを楽しむことができます。
中でも、その強みを最大限に発揮してくれる調理方法が焼き物です。 炉に載せて十分に熱した焼き網の下から食材の表面に香ばしい焼き色を付けつつ、素早く旨味を内側に閉じ込め、更に芯までふっくらと火を通す匠の仕事は七輪ならではと言えるでしょう。
燻すことにも長けていて、網から滴り落ちた肉や魚の脂が炭火から煙となって立ち昇り、ありふれた食材でも極上の燻製へと生まれ変わらせてくれます。 他にも、炊く、煮る、炒る、蒸すと何でもござれ。
炊飯に使えば、かまどで炊き上げたような米一粒ひと粒まで艶やかでふっくらとした仕上がりになりますし、大変火持ちがよいので煮物などはじっくりとトロトロになるまで煮込むことができます。 送風口のおかげで火力調整も容易です。熱燗を温めながら、するめなどの乾物を同時に焙ってツマミに一杯、なんて使い方も。
七輪は、その構造と使われている多孔質の珪藻土により断熱効果が高いので、着火済みの炭火の運搬や他の火鉢などへの火熾しにも重宝されてきました。 また、七輪の強い火力は鉄すら溶かします。これを利用して刃物を鍛造や、陶芸の焼成をするなんて使い方まで出来てしまいます。
何より、網から覗く炭火のきれいな茜色はどことなく夕焼けを思わせて、多忙な現代社会に生きる我々の心までじんわりと暖めてくれます。 こうした調理器具の枠に留まらない幅広い使い方と郷愁を感じされてくれる独特の風情が、今でも七輪が根強い人気を誇るその所以なのです。
七輪の使い方①
準備するもの
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七輪を使用するために必要なものは以下の通りです。
・七輪
いくつかの形や大きさがあります。目的・用途・場所などに合ったものを選びましょう。
・木炭などの燃料
やはりおススメは備長炭。七輪の命です。できるだけ良い炭を使いたいですね。 予め日干ししておくと火付きが良くなります。
・種火用の着火剤
こちらも、固形、液体などいくつかの種類があります。使い方の分かり易そうなものを選ぶと良いでしょう。 食用油に浸した古新聞で代用するという手もあります。
・着火器具
ライター、マッチなどですが、火おこし器などのより確実で扱いやすい道具があります。 ・炭を扱う器具 火ばさみなどの炭火を間接的に掴むための道具です。
・食材用の網や金串など
炉の上に食べ物を置いて調理するためのものです。熱に強い素材にします。 どんな使い方をしても、確実に炭で汚れてしまうので使い捨てのものを選ぶと後片付けが少し楽になります。
・軍手
炭を扱うので必須です。 ・団扇 送風口からの火力調整に使います。 火の粉や灰が舞う点に注意。場所によっては、火事の原因にもなります。
・防火用の水
念のためにバケツなどに張っておき、近くに置いておきましょう。 金属製の容器なら、後述の火の後始末にも使えます。
・火消し用具
上記の防火用とは別に、後述する使用後の炭火消しに使う火消し壺などの道具です。
・食材
これが無くては話になりませんよね。 七輪なら、採れたて新鮮な高級食材からスーパーの手頃な食品まで美味しく調理できます。
