氷屋の仕事を紹介|歴史/氷屋「松月氷室」/将来性を紹介

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氷屋とは不純物を取り除いた氷を作る製氷業者のことであり、製氷業者が作った氷は家庭用冷蔵庫で作った氷などと区別するために「純氷」といわれることが一般的です。

純氷の特徴として、結晶が大きく溶けにくい、透明度が高いなどがあり料亭や昔ながらの和菓子屋さん、甘味処等で販売される手製のかき氷などの氷にされるのもこの純氷になります。

氷屋は全国にありますが、高齢化などが進んでおり後継者問題などが出てきている状態です。今回はその氷屋についてご紹介します。

戦国時代から存在していた?氷屋の歴史を紹介


出展:写真AC

氷屋の歴史は古く、氷室などを氷屋にすれば戦国時代までさかのぼることになります。氷室などは冬の間に氷を保存しておき、夏の暑いときに冷たい氷を口にできるという特権階級のみが楽しめるものであったといえます。

氷屋としての存在は明治時代からの出自とされており、現在の様な不純物などを除いた純氷が作られるまでには長い時間がかかったといってもいいでしょう。 製氷業というものが完成系を迎えたのは昭和に入ってからのことになります。

天然氷を作る氷屋はどれほど現存するのか?


出展:写真AC

製氷業は現在高齢化の一途をたどっています。これは純氷などを作るまでにかかる時間や工程などが腰などを傷めやすく、手荒れなども悪化してしまうことなども要因になっています。

現存する氷屋は減少の一途をたどっており、特にバブル崩壊からは多くの氷屋が閉店を余儀なくされ、現在では20弱とさえされています。

高齢化の一途であった製氷業界ですが、最近では若者が「自分を見出せる職業」として後継者に名乗りを上げることが多くなってきました。

氷屋の作る純氷は無味無臭であり、お酒に用いればアルコール本来の味を楽しめるようになっています。 この縁の下を支える、裏方のポジションをやってみたいという若者が製氷業界にも参入し始めたのは大きなニュースといえます。

氷屋の中でもSNSやブログなどを使って独自の展開をしているのが「松月氷室(しょうがつひむろ)」です。

松月氷室では自社で作った天然氷の販売やかき氷などを喫茶で楽しめるようになっています。 松月氷室は日光に本店があり、関東内に支店などを構えており、減少傾向だった氷屋に一石を投じた存在です。

松月氷室を始め、独自の展開を始める氷屋などが登場し、業界の変化期に入っているといってもいいでしょう。

天然氷ができるまで約1年!氷屋が天然氷にかける手間とは?

天然氷を作る方法は冬からの準備になります。氷池を凍らせ、表面の氷を掃除することを繰り返し、20日前後で切り出し作業になります。切り出した氷は、40キロになることなども多く、この氷を氷室に運びオガクズの中に保存することになります。

この状態で約1年氷を保存することが可能であり、斬りだしの天然氷は時間や手間がかかっていることがわかります。 こうして作られた天然氷は中が完全な透明であり不純物がほぼゼロのものになります。

アルコールなどはもちろんですが、そのまま砕いて口にしても天然水そのものの味を楽しむことができ、ぜいたくな気分はもちろん、家庭で作った氷との味の違いに驚くことになります。

氷屋に将来性はあるの?


出展:写真AC

氷屋は斬りだし作業などをはじめて肉体労働が多く、その割に対価が少ないことなどから減少の一途と高齢化をたどっていました。 ですが昨今の自分にしかできない仕事や受け継ぐことの大切さを感じる若者たちが今度は新たな氷屋のスタイルを体現しています。

大人が楽しめるアルコールのためには天然氷は不可欠です。そのもっとも深い部分を支える氷屋という存在の認識と共に、今度も氷屋は新たな展開を行っていく業種といってもいいでしょう。

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