「青田買い」の意味や使い方|稲作が盛んな日本ならではの言葉

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「大手企業の青田買いで中小企業は人材確保に四苦八苦している」 みなさんは上記の文の意味がわかりますか? 「青田買い」(あおたがい)という言葉は耳にしたことがあると思います。

「なんとなくだけど意味を解っている」という人が多いのではないでしょうか。 ちゃんと調べて正しい意味を理解している人、正しい使い方ができている人は意外と少ないのです。

今回は、そんな「青田買い」という言葉の意味や、正しい使い方について見ていきましょう。

青田買いの意味


出典:写真AC

「青田買い」とは、田んぼの稲が成熟をする前の段階、収穫時期よりも前に田んぼの収穫量を見越して先に買うという意味の言葉です。 現在では田んぼの「稲」を「人材」に置き換えて就職活動などの場面で使われたりしています。

優秀な学生を早いうちに確保することでビジネスマンとして活躍してから雇用するよりも低コストで雇うことができる。先の価値を見込んで早いうちに確保するというような意味で使われる言葉です。 将来の利益を見越して早いうちに安く手に入れるというような意味合いで使われています。

青田買いの由来 ・言葉の背景

青田買いの「青田」とは読んで字のごとく稲が成熟する前、収穫時期よりも前の段階の青々とした状態の田んぼのことを言います。 稲が成熟前でまだ青いうちに将来の収穫量を見越して買い付けてしまうことを青田買いと言いました。

殿様が食糧確保のため早いうちから田んぼの収穫を先買いしたことが始まりとも言われています。 現代では「青田」を「人材」など投資先に置き換えてよく使われています。

青田買いを使う場面


出典:写真AC

・大手企業が優秀な学生を青田買いしている。

・プロサッカーチームでは若い選手の青田買いが横行している。

・彼を青田買いのつもりで採用したが入社早々能力を発揮して即戦力となっている。

・若い選手の青田買いの大きなリスクはケガでプレイができなくなることだ。

・大物投資家は事業の青田買いが上手い。

青田買いの類義語・対義語

青田買いの意味である「将来に利益や結果が期待できそうなものを早いうちに買っておくこと」と同じような意味の言葉を紹介します。

・先買い(さきがい)

・先物買い(さきものがい)

・先行投資(先行投資)

対義語としては、青田買いが表現する「将来に利益や結果が来たいできそうなものを早いうちに買っておくこと」とは違い「優秀であってもなくても早いうちに刈ってしまう」様を表す意味である「青田刈り」となります。 そもそも「青田買い」と「青田刈り」は似たような言い回しですが実は全く意味が異なります。

青田刈りの使い方を間違っている場合が多いのですが、大抵の場合が青田買いと意味がごっちゃになっている事が多いです。 青田刈りとは、戦国の世で戦の時に使われた作戦です。 相手の大名の兵糧を攻める為に、敵の城の周りの田んぼの稲を実っていない状態で刈ってしまい、米を収穫させないようにしたことを言いました。

このように、稲の価値とは全く関係なし早くに刈ってしまうこと、収穫させないようにすることを青田刈りと言います。 一方、青田買いは稲の価値を見込んで早いうちに買うことです。 収穫することを前提にしていますので青田刈りとは意味が全く異なります。

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