【手軽に飲めるお茶】リーズナブルで飲みやすい「番茶」の魅力とほうじ茶との違い

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番茶とは

緑茶や煎茶、ほうじ茶など日本では様々な種類のお茶が愛飲されています。その中で多くの人に親しまれているのが番茶です。

緑茶の一種で普段使いしやすいリーズナブルなお茶が番茶と呼ばれます。 柔らかな新芽を使用して作られる高級茶に対して、番茶は夏以降に収穫し硬化が進んだコワ葉と呼ばれる茶葉や、一度収穫した後、遅れて伸びた遅れ芽と呼ばれる茶葉、高級茶の製造ではじかれた大型の茶葉などを使用して作られます。

地方によっては、ほうじ茶のことを番茶と呼ぶことがありますが、ほうじ茶は煎茶や番茶を強火で焙煎して作られます。一般的には番茶は緑茶の部類に属すと考えられていますので、別の物として扱うべきだと言えるでしょう。

番茶の製法


出典:写真AC

茶は発酵の度合いで分類されます。完全に発酵させた紅茶や、一定時間発酵させた後に発酵を止める烏龍茶などの発酵茶に対し、日本茶は収穫後すぐに発酵を止める不発酵茶とよばれています。

収穫(摘採:てきさいと呼ばれます)された茶葉は放置しておくと自然発酵が始まり発熱します。発酵熱は茶葉の品質を劣化させることから、湿度の高い風を当てることで茶葉の熱を取り水分を保ちます。

その後茶葉を蒸し上げることで発酵を止めます。蒸すことで茶葉は変色することなく、みずみずしい緑色を保ち、抽出される茶も緑色となることから緑茶と呼ばれます。

蒸しあがった茶葉は熱いうちに力一杯揉み込みます。揉むことで広がっている茶葉が円筒形に変化し茶葉の組織が破壊され、茶を抽出しやすくなります。

従来は手作業で行われていましたが、大きな茶メーカーなどでは機械化が進んでいます。

揉みあがった茶葉を乾燥すれば茶の出来上がりです。こちらも従来はゴザの上に茶葉を広げ天日に干して乾燥していましたが、機械化された工場では茶葉乾燥機で乾燥させます。

1番茶・2番茶・3番茶・4番茶の数字は何を意味する?


出典:写真AC

日本最大のお茶所といわれる静岡県では、通常年4回の茶葉の収穫が行われます。このことから茶業界では取扱う茶葉を4つに分け1番茶、2番茶、3番茶、4番茶と呼び表します。

これは茶葉の収穫期によって分けられ名付けられたもので、4~5月にかけて収穫製造される1番茶、6月に収穫製造される2番茶、7~8月の3番茶、9~10月が4番茶と呼ばれます。 その年の最初に収穫される1番茶は「新茶」とも呼ばれます。九州南部の暖かい地方から収穫が始まり、1番茶の収穫は桜前線のように日本列島を北上していきます。柔らかな若葉を収穫する1番茶は非常に香り高く、爽やかなみずみずしさが特徴です。

2番茶、3番茶、4番茶は1番茶と同じ茶の樹から収穫されるものの、温かい季節に生育するため茶葉の生育が早いため、1番茶に比べると風味が落ちると言われています。

番茶は3番茶、4番茶を使用して作られることが多いのですが、新茶の製造時にはじかれた大きな茶葉を使用したものも存在します。

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