樹木医の仕事を紹介|気になる年収や必要な資格は?

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樹木医とは

国土面積の約67%もの森林面積を持つ日本は、世界でも有数の森林大国だと言えます。町中には街路樹が、公園には植樹された樹木が溢れ生活に潤いをもたらしてくれています。樹齢100年を超える古木や巨樹は日本各地に点在し、土地のシンボリックな存在として扱われています。

古木や巨樹からは力強い自然の息吹を感じるものですが、実はこれらの樹木の中には病害や虫害、著しく変化する環境などに晒され、著しく樹勢が衰えていくものも数多く存在します。

緑の文化財とも言える古木や巨樹を守り、良好な状態で次世代へ手渡すために古木や巨樹の保護管理を行っているのが、樹木医と呼ばれる樹木の専門家たちです。

樹木医は「一般財団法人 日本緑化センター」が1991年から開始した民間資格で、有資格者が樹木医を名乗ることができます。

樹木医の仕事


出典:写真AC

樹木医はその名の通り、言葉を発することのない樹木の担当医として古木や巨樹の保護管理を行います。

亀裂が入ったり裂けてしまっている古木や巨木が、プラスチック樹脂などで修復され保護されているのを目にしことがありませんか?この処置を行うのが樹木医です。

また根からの栄養分の吸収効率が下がっている古木などには、肥料を与えるなどの処置を行い樹勢の衰えを予防します。 公園の緑地の計画や設計、設計監理を行い、人的被害や物損被害の原因となり得る落枝や倒木等の予測や予防策を講じるのも樹木医の仕事に含まれます。

また、後継樹の育成や樹木に関する知識の普及や指導などを樹木医が行う場合もあります。

樹木医の年収/勤務体系/福利厚生


photo by JayMantri

樹木医の有資格者と言っても、一般的な医師のように開業医として起業することはまずないと言えます。通常、樹木医は樹木に接触する機会の多い大手住宅メーカーの林業・部門や造園部門に勤務するケースや地域密着型の造園業者に勤務するなどの形で就労します。

多くの造園業者の雇用体系は日給月給制を導入している傾向があり、30歳男性の年収は約400万円程度と言われています。 樹木医の有資格者に対する待遇は所属する企業によって異なります。

例えば造園業者に所属する場合、対外的にも樹木医が在籍する造園業者という謳い文句は、造園業の経営に大きくプラスに働くものだと考えられることから、造園業者にとって樹木医の存在は大きなものだと言えるでしょう。

樹木医の有資格者に対しては資格に対する機能手当てなどが、月々の給与に加算されるケースもあります。

また、新しい研究成果や必要な技術を習得するために参加する会議や研修を業務の一環として捉え、研修費用が会社負担になる場合や研修が休日に行われる場合は休日出勤扱いになるなどのケースもあるようです。

樹木医のメリット・デメリット


photo by staboslaw 

樹木医は樹木に対する専門的な知識や技術を有する「樹木の専門家」であることを証明してくれる資格です。樹木を扱う業界自体が大きくないために、資格取得後も実際に現場でスキルを磨き続けることで、転職や起業の道が開けやすいのは樹木医にとって大きなメリットだと言えます。

一方で、樹木医はネームバリューが大きな資格ではないことで、樹木医が専門的な知識を持つ樹木の専門家であると言うことが伝わり難い傾向にあるのも事実です。

樹木医の資格は国家資格ではなく、民間資格であることから有資格者に対して高い評価を行わない企業も存在するのはデメリットだと言えるでしょう。

樹木医に向いてる人、向いてない人


photo by MiraDeShazer

一般的な医師も実は結構な肉体労働であると言われています。樹木の医師である樹木医の仕事は間違いなく肉体労働であると言えます。自然や樹木が大好きであることは、樹木医に求められる最も大きくて重要な条件です。

場合によっては樹木の根の周りを自らツルハシやスコップなどで掘り返し、根の状態の確認をしなければならないケースもあります。肉体労働が苦にならないというのも、樹木医に求められる条件だと言えるでしょう。

樹木医は害虫を駆除するために、虫に直接触れる機会も少なくありません。虫が苦手で克服できそうにもないという方にとって樹木医の仕事は辛いものになると考えられます。

上記のような肉体労働をしたくない、できればデスクワークを希望すると言う方にとっても樹木医の仕事は魅力的でないのではないでしょうか。

樹木医の将来性


photo by benscherjon

既に紹介した通り、樹木医は1991年に資格化された比較的新しい資格だと言えます。1991年以降多くの樹木医が誕生し、樹木の研究や調査、そして診断が行われ必要に応じて治療の処置を施すなどの活動を続けています。

自然環境を守ろうと言う機運は年を追うごとに活発になり、多くの樹木医たちが行ってきた研究や調査を基に、さらに積極的な樹木保護が行われていくことは想像に難くないと言えるでしょう。

このような背景から、樹木の保護に対する専門知識や高い治療技術を身に付けた樹木の専門家である樹木医に対するニーズは今後益々高くなることが予想されると言えます。

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