岸和田だんじり祭・鳴り物と彫物
出典:写真AC
岸和田だんじりで奏でる囃子は、鳴り物と呼ばれています。演奏する人たちは、山車なかに入り、担当する楽器を演奏。地区の青年団から選ばれた5人が担当します。篠笛は2人が担当し、7本調子で指穴が6つの笛を使います。山車の真ん中には大太鼓が1つです。
左右に小太鼓が置かれて、柱には金属製の器のような楽器・鉦がぶら下がっています。鳴り物の仕事は、お祭りを盛り上げるだけではありません。奏でる音楽のリズムを変えることで、山車を引く速度を調整。並足・曳き出し・きざみなどのリズムによって、引き手に山車の速さを伝えています。
うつくしい音色もさることながら、山車に施された彫り物もまた、岸和田だんじりの魅力です。彫り物には、ケヤキの木目が残されています。派手な見た目ではありませんが、町人たちが興したお祭りにはふさわしい彫刻といえます。
山車には、歌舞伎や人形浄瑠璃の場面を捉えた物や、源平の戦い、中国の三国志・水滸伝などがモチーフです。山車の側面や、大屋根の下、小屋根などに細かな彫刻が施されています。また、小屋根の下にある空間には、立体的な彫刻を配置。迫力のある彫刻が観られます。
岸和田だんじりの役職
岸和田だんじりでは、町内から選ばれた年番たちが、祭りの運営を行います。祭りの責任者は年番長です。年番の代表者が年番長に就き、岸和田だんじりを統括する役目を担います。また、各町内にも役職を設けて、お祭りの運営を円滑つに進める努力も欠かしません。
主な役職は次の通りです。
町を取り仕切る町会長、世話人から選ばれる曳行の責任者、後進の指導にあたる相談役(世話人を辞めた人たちが務めます)のほか、若頭と呼ばれ、かじ取り役の後梃子を担当する組や引き手を担当する青年団のまとめ役などがあります。
ちなみに、各組織の年代は、子ども会が15歳前後まで、青年団が25歳前後まで、組が35歳前後まで、若頭が45歳前後まで、世話人が55歳前後まで、いわれています。
2018年岸和田だんじりの日程
2018年度の岸和田だんじりの日程は、次の通りです。
9月 試験曳き:9月2日、14日 午後2時から午後4時まで
宵宮:9月15日 午前6時から午後10時まで
本宮:9月16日 午前9時から午後10時まで
10月 試験曳き:9月30日 午後1時から午後5時まで
宵宮:10月6日 午前6時から午後10時まで
本宮:10月7日 午前7時から午後10時まで
岸和田だんじり会館
岸和田だんじり会館は、1993年に営業を始めた資料・展示館です。岸和田だんじりの歴史や、資料、祭りの仕組みなどを紹介。みどころは、山車に施される彫刻や、残されているなかで最も古いだんじり、町内会の法被です。岸和田だんじり会館では、貴重な展示物がまじかで見られます。大型のビジョンや映像などからも、迫力あるだんじりの様子を体感できます。
入場料:大人600円、小人(小・中学生)300円
開館時間:10時から17時まで 入館は、16時まで
休館日:月曜日 月曜が祝日の場合は開館
住所:岸和田市本町11-23
アクセス:岸和田だんじり会館へは、南海電車の利用 岸和田駅からは、歩いて10分ほどで到着