【食べられる耳?!】栃木県の郷土料理「耳うどん」の発祥と名店を紹介

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「耳うどん」という少し変わったうどんをご存知でしょうか。その名前から想像できるように、まるで耳のような形をした、うどんとは言い難い少し変わったうどんです。

耳うどんは、佐野ラーメンでも有名な栃木県佐野市にある、仙波地区に昔から伝わる郷土料理で、年の暮れに用意しておき、お正月に残ったおせち料理を耳うどんと一緒に煮込んで食べたりされています。

耳うどんは、小麦粉と塩だけを原料として作られていて、すいとんに似ている、モチモチとした食感を持つうどんです。

うどんとは名前に付きますが、一般的なうどんとは全く違う食べ物です。ちなみに、京都市東山区祇園町にある「うどんミュージアム」でも耳うどんは、人気があるうどんの一つにあげられています。

耳うどんの由来・意味


出典:写真AC

耳の形をしたうどんなので「耳うどん」という名前がついている、非常に特徴的なこのうどんですが、江戸時代の終わり頃に起源となるうどんが出来たと言い伝えられています。

大正時代になると、耳うどんを悪魔の耳に見立てることで、その耳うどんを正月の三ヶ日に食べてしまえば、家の話などを悪魔に聞かれることが無くなるので、一年間を無病息災で過ごせるという、魔除けのご利益から食べられるようになりました。

耳を食べることで、周りからの悪口が耳に入らないので、円滑に近所との付き合いが運べるという意味もあり、こういったことから正月に食べられるようになったと言われています。

耳うどんの作り方


出典:写真AC

耳うどんの原材料は小麦粉と塩だけなので、とてもシンプルで誰でも簡単に作ることができます。耳うどんの作り方は、基本的には一般的なうどんと同じように、小麦粉と塩をこねて寝かせ、うどんの元となる生地を作ります。

ここからが耳うどん、ならではです。寝かせた生地を麺棒などで薄くのばし、1辺が4センチくらいの四角い形に切り分けます。その四角く切り分けた生地の両隅を引き寄せて耳の形にしていくわけです。材料はうどんと同じですが、形状が一般的なうどんと違うため、耳うどん独特の食感が楽しめます。

耳うどんが名物の「野村屋本店」


photo by inazakira

耳うどんの本場である栃木県佐野市には耳うどんを楽しめる店舗が数多くあります。その中でも特に人気を集めているのが、JR佐野駅から歩いて5分ほどのところにある、創業が明治40年という歴史を持つ「野村屋本店」は耳うどんを代表する老舗店舗の一つです。

地元に人たちに人気がかるばかりでなく、著名人も数多く足を運ぶ名店です。メニューには「耳うどん(ゆず・しいたけ入り)」、「田舎風耳うどん(けんちん汁)」、「煮込み耳うどん(みそ味)」、「カレー煮込み耳うどん(もち・チーズ入り)」、「もつ煮込み耳うどん(もつ煮入り)」と種類豊富な耳うどんがあります。

ほかには、もう一つの名物である大根そばが食べられる「佐野名物セット 耳うどん・大根そば」などがあります。野村屋本店の耳うどんにはおせち料理の一つである「だて巻き」が入っているのが特徴です。

営業時間:平日 11:00~19:15(第4水曜日は14:30まで)、土・日・祝 11:00~19:30

定休日:木曜日(祝日の際は営業)

野村屋本店公式サイト:http://www.mimiudon.com/

耳うどんの魅力


photo by TAKA@P.P.R.S

栃木県佐野市の仙波地区で魔除けとして昔から郷土で食べられ続けてきた耳うどん。

独特な見た目は、初めて見る人ならそのインパクトの大きさは明らかで見るだけでも楽しめます。

また、食感と味わいは食べた人しか分かりません。耳うどんの本場、佐野市へ足を運ぶのも良いですし、自分で作って食べるのも簡単でおすすめです。

是非一度その独特な食感を味わってみてはいかがでしょうか。

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