反面教師の使い方
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これまで反面教師という四字熟語の由来や意味、類義語をまとめてきました。ここからは、実際に会話や文中で使用するとき、どのような使い方をするのかをチェックしていきます。
意味や使い方を誤ってしまうと、相手に誤解を与えてしまう可能性もあるので、正しい使い方を知って適切に用いましょう。
理不尽に怒る上司
職場などで、自分の機嫌によって態度がコロコロと変わる上司っていませんか?機嫌がいいときはニコニコと接してくれても、虫の居所が悪ければ、部下に当たり散らして社内の雰囲気を悪くしてしまうでしょう。そんな理不尽な上司がいた場合には、反面教師という言葉がぴったりです。
【例】
「あの上司を反面教師にして、感情のコントロールがいかに大切か学んだよ」
「自分に部下ができたときのために反面教師にしよう」
勉強をしない友達
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テスト期間になっても遊んでばかりで、勉強しない友達っていますよね。そんな友達に対しても、反面教師という言葉を使用できます。
【例】
「君のことを反面教師にして、わたしは勉強を頑張るね」
「今回の試験は絶対受かりたいから、君を反面教師にさせてもらう」
上記の例は、文字にするとキツい言葉のように見えるかもしれません。しかし、仲が良くて気心知れた友達同士であれば、会話の流れで冗談半分に使うことも可能です。
友達であれど面と向かって「勉強したほうがいいと思う」と伝えられない場合が多いのではないでしょうか。そんなときに「わたしは勉強するよ、君を反面教師にさせてもらいます」と笑い話のように発言することで、やんわり相手への気持ちを伝えられるのです。
自分のことを反面教師にしてほしいとき
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実は、反面教師という言葉は他人に対して使用するのみでなく、自分のことを表現する際にも使用できるのです。例えば、年下の後輩や部下などに、なにかを相談された場合。「自分のこれまで失敗したエピソードや経験を反面教師にしてほしい」という意味で用います。
【例】
大学受験について相談されたとき
「あの大学に行きたいのであれば、過去問を何度も解いたほうがいいよ。自分は過去問を解かずに受験して、英語の点数が低かったから、僕を反面教師にして君は頑張ってね」仕事について相談されたとき
「あのプロジェクトは、特に慎重にリサーチしておくといいよ。自分はこの前リサーチ不足で失敗したから、反面教師にしてね」
このように、相手へ自分の失敗したことを伝える際に、注意を促す意味でも使用できます。
誰かと誰かを比べるとき
“他人と自分の場合だけでなく、他人と他人を比べる場合にもこの言葉を使用できます。
【例】
自分の父親と旦那さんを比較するとき
「わたしのお父さんは亭主関白な人だったけど、その話を聞いて反面教師にした旦那さんは、家事を率先してやってくれている」
兄弟で比較するとき
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「遅刻ばかりしていつも先生に怒られている長男を反面教師にして、次男は時間をきっちり守っている」
このように、誰かとの行動を反面教師にして、第三者が行動を改めている場合にも使用できます。
しかし、この場合は使い方やシーンを誤ってしまうと、相手に誤解を与えかねません。ただの悪口や嫌味だと勘違いされないように、使い方には十分注意するようにしましょう。
自分への戒めのために使用するとき
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反面教師は、誰かの行動について批判的に捉えるのではなく、自分の行動を見直して改めるためにも使用できます。
【例】
「この前友達に●●をしないように注意したけど、自分も昔していたことがあるから二度としないように、彼の行動を反面教師にして気を付けないと」
「最近自分もあの人みたいに怒りっぽくなっている。反面教師にして自分は気を付けよう」
このように、自分の悪いことについて、反省の意味を込めて使用できるのです。この場合は、自分の改善すべき点について分かった上で、一層注意して気を付けるために用いられます。
反面教師の意味から学べること
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反面教師という言葉から、「こうなってはいけないといわれる存在や物事に向けた言葉」であることがわかります。
もしも誰かから「あなたを反面教師にする」と言われれば、それは「あなたの失敗から私も学ばせてもらう」ということです。 あなた自身が反面教師とならないように気をつけましょう。