「上司にA社の件について有耶無耶にされた」、「どうしていつも有耶無耶にするのだろう」といったときに使われる、有耶無耶という言葉の意味をご存知ですか?
有耶無耶という言葉にはどのような由来があるのか、どんなときに使うのか、類義語や対義語についてもご紹介します。
有耶無耶の意味
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有耶無耶(うやむや)とは、はっきりしない、すっきりしないといった意味をもつ言葉です。 例えば上司に業務内容について訊ねたとき、なんだかはっきりしない曖昧な答え方をされて、モヤモヤした気持ちになったことはありませんか?
有耶無耶とはそういった状況になったときに使う言葉です。
有耶無耶の由来/言葉の背景/語源
有耶無耶という言葉の由来は、例えばもやもやと同じ意味をもつ和語である説や、有りや無し、という言葉を漢文のようにしたなど、いくつかの説があります。 このどちらかのうちもっともらしいのは有りや無し、を漢文のように書いたという説ですが、実は有耶無耶は初めから漢文で、訓読みをすると有りや無しになります。
それでは一体どの説が有力かというと、秋田県に伝わっている有耶無耶の関が語源となったという話しがあります。 秋田県と山形県の間にある鳥海山には大昔、手長足長といった妖怪が住みついており、とても悪いことをしていました。
手長足長に怒った鳥海山の神様である大物忌神は、3本の足をもつ鴉である八咫烏に「手長足長が出れば有や、いないときは無や」と知らせるように伝えたのです。 このように色々な説がある有耶無耶という言葉ですが、現在のところ確実にこれが由来であるといった説は出てきていません。
有耶無耶の例文
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有耶無耶は以下のような場面で使うことが多いです。
・わざと曖昧なことを言ってこちらの質問を誤魔化されたとき
誰かに何かを訊ねたものの、わざとらしく誤魔化されて結局はっきりとした答えをもらえなかったときに使います。 政治家が聞かれたくないことを聞かれ「その点については調査中です」と答えたときや、上司が「それについてはまた今度」と結論から逃げたときなどでしょう。
相手の中には答えがあるものの、言いたくない、言えば自分の立場がまずくなるとわかっているからこそ、わざと曖昧にするのです。
・モヤモヤするような結末を迎えたとき(はっきりとしない結果に終わったとき)
物事がはっきりとしなかったときに使います。 映画のラストシーンでその物語の答えが出ず、曖昧なまま終わったときや、野球などの試合で引き分けに終わったときなどです。 白黒はっきりつかずになんだかモヤモヤ感が残るような結末を迎えたときに使うことが多いといえます。
・うまく言い表せないようなモヤモヤ感を抱えたとき
対象についてうまく言葉にできないようなモヤモヤした気持ちになったときに使います。 3つのどの場面でも共通しているのは「はっきりした答えをもらえなかった」ということ、有耶無耶とはそうしたときに使う言葉なのです。