天河神社とは奈良県の吉野にある神社で、イチキシマヒメを祀っています。
イチキシマヒメは、航海の安全を守ると言われている宗像大神の中の1柱です。後に音楽や財福をつかさどる弁財天(サラスヴァティー)と同一視されるようになりました。
弁財天像が御神体として祀られており、1年に1回だけ例大祭のときにのみ公開されています。他にも四代天皇やアメノミナカヌシノカミなど、100柱を配祀しています。その歴史はとても古く、その創建は飛鳥時代です。
江戸時代までは琵琶山白飯寺という名前でしたが、のちの廃仏毀釈より現在の天河神社に改号されました。
天河神社がある場所は、高野山、恐山、比叡山という3つの強力な霊場の中心にあり、強力なパワースポットとしてとても有名です。5つの鈴が連なってできている五十鈴、水の勢いが強い竜の形のした手水など、いろいろな特徴をそなえています。
中でも注目したいのが能面や狂言面がそろった木造能狂言面30面です。クオリティの高い古面のコレクションとして、国の重要文化財に指定されています。また、行事として能楽の奉納が行われることも有名です。能面や能装をそろえており、本殿の中には大きな能楽の舞台があります。
天河神社の由緒
天河神社のはじまりは7世紀頃、霊山大峯の開山のときまでさかのぼります。当時から神聖な場所として知られていた弥山を弘法大師(空海)が開山して、山を鎮護する神を祀ったのがはじまりです。
その後、弥山大神に窮地を救われた天武天皇がお礼として建てた神殿が、天河神社の元になりました。現在のお社は平成元年に建て替えられたものです。
天河神社の御利益
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天河神社は芸能の神と呼ばれる弁財天を祀っていることから、音楽や芸術のご利益があると言われています。芸の上達や才能の開花を祈願する方々にとても人気で、実際に芸能人が訪れることも多いです。
アーティストの聖地としても有名で、能はもちろん歌や演奏が奉納されることもあります。また、イチキシマヒメは水の女神なので、水難からの守護にもご利益もあります。財宝の大神としても有名なため、商売繁盛を祈願する方も多いのです。
天河神社の五十鈴
天河神社で最も有名なのが、アマテラスオオミカミが天の岩戸にこもった時に、使用したとされる神器五十鈴です。
かつて、太陽を神格化したアマテラスオオミカミが天岩戸にこもってしまい、世界に災厄があふれました。アマノウズメが五十鈴を手に舞い踊ったことにより、天の岩戸が開かれたと言われています。
拝殿の鈴として拝殿にあり、参拝者でも自由に鳴らすことが可能です。鳴らし方が通常の鈴と異なるのが大きな特徴です。普通の鈴のようにふるのではなく、円をえがくように腕全体をつかって大きくまわすことで音が響きます。
五十鈴についている3つの鈴はそれぞれ、いくむすび、たるむすび、たまめむすび、という名前がついており、魂が成長する3つの過程を表しています。音を鳴らして聞くことによって、体や精神の浄化ができ可能、魂の調和を行うことで本来の状態に導きます。
五十鈴を模したネックレスや根付のお守りはとても有名です。天河神社独自のお守りなので、お土産として渡してもたいへん喜ばれます。
天河神社の諸芸上達守り
芸の道を求める人々がこぞって求めるのが、天河神社の諸芸上達守りです。芸上達のためのお守りは、芸能の神を祀る天河神社ならではの、天河神社でしか手に入りません。淡い色合いや花と扇の文様が可憐なお守りで、女性を思わせる色と柄が祀っているイチキシマヒメを思わせます。
裏に描かれた天河神社の象徴である五十鈴のマークが特徴的です。金糸でかかれた諸芸上達守という字が、確かなご利益を感じさせます。購入して仕事や習い事に持っていけば、あなたの才能開花の助けになってくれるでしょう。