松阪牛とは
松阪牛とは、三重県松阪市及びその周辺で飼育された牛で、神戸牛(神戸ビーフ)、近江牛、に並ぶ「日本三大和牛」の1つでもあります。 松阪牛の読み方は、「まつさかうし」が正式になりますが、「まつさかぎゅう」でも問題ありません。
また、「まつざかうし」「まつざかぎゅう」と「ざ」の部分に濁点を打つ表記は正しくありませんが、語呂の都合上そのような読み方であれば問題無いとされています。
「肉の芸術品」の異名を持ち、霜降りで柔らかな肉質、深みがあり上質な香り、脂肪の溶け出す度数(融点)低く舌触りの良さが、松坂牛の特徴とも言えます。
松阪牛の歴史
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平安時代前は肉を食べていたのですが、平安時代に仏教が定着すると、肉を食べなくなり、牛は専ら役牛(耕作や運搬などに使う牛)として用いられました。
江戸時代になると、兵庫県但馬の雌牛(但馬牛)の子牛を、紀州(和歌山県)に移入しました。理由は、紀州が規制や税負担の無い地域であった為です。それら子牛をある程度まで大きくして農作業を教え、その後に役牛として近畿各地に送り出していました。
明治時代になって多くの人が肉を食べるようになると、美味しい牛肉を人々は求めるようになりました。
松阪周辺でもこの牛を導入していましたが、和牛、特に松阪周辺で育った松阪牛は食肉牛として優れていることがわかったのです。 その為、東京の有名レストラン、デパート、百貨店等が松阪牛をわざわざ購入しに行きました。
また、1935年に東京で「全国肉用牛畜産博覧会」という品評会で名誉賞を受賞したことから、全国的に知られるようになりました。 さらに、戦後の1949年から「松阪肉牛共進会」が始まり、松阪牛の名声をさらに高めました。高度成長期以降より、松阪牛は次第にブランド牛肉として認知されるようになっていったのです。
松阪牛の格付け基準
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松阪牛の基準としては、
①旧22市町村での松阪牛生産区域(松阪市、津市、伊勢市、久居市、多気町、明和町、飯南町、飯高町、一志町、嬉野町、白山町、香良洲町、三雲町、大台町、大宮町、度会町、小俣町、玉城町、宮川村、勢和村、美杉村、御園村)であること。
②松阪牛個体識別管理システム(各松阪牛をインターネットで検索し、消費者が一目で品質に安心安全で、産地偽装をしていないことが分かるシステム。)に登録された黒毛和牛で、かつ未経産の雌牛であること。
③肥育期間が、松阪牛生産区域での肥育期間が最長・最終であること(生後12ヶ月までに松阪牛生産区域で導入され、導入後の移動は生産区域内に限られる)。
④牛肉枝肉格付等のシステムの条件を満たし出荷されたもの。 が、挙げられます。
松阪牛と他の黒毛和牛の違い
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松阪牛と他の黒毛和牛の違いは、数多くの黒毛和牛の中でも厳しい選定の中で選ばれたものが松阪牛として扱われています。
また、牛肉の中でもトップクラスと呼ばれており、他の黒毛和牛やブランド牛よりも非常に高いのも違いと言えます。さらに、上質で柔らかく、美しいサシの入り方、口の中でとけてしまう程の肉質の加減は他の黒毛和牛では出せないレベルのもので、松阪牛ならではのものでもあります。
飼育方法も他の黒毛和牛と異なり、松阪牛はビールを飲ませることが特徴的です。ビールを飲ませることにより食欲促進させ、食い止まりがなくなり、さらに肉付きが良くなります。
その為、枝肉が大きくなると共に脂身も多く含まれた肉質になるのも松阪牛と他の黒毛和牛の違いともいえます。
松阪牛で舌鼓を打つ
贅沢品として相応しい松阪牛ですが、なぜこれ程までに高級であり有名であるのかは、歴史や品質の観点からでも一目瞭然なのです。
ブランド牛も、松阪牛、神戸牛、近江牛だけでなく、米沢牛や前沢牛と多々ありますが、その中でも図抜けて美味しく高いのも松阪牛の魅力ともいえます。
超高級品ではありますが、一度は食べてみたいお肉ですね。皆さんも是非、他のお肉とは比べものにならない程のクオリティーや感動を味わってみてはいかがでしょうか。