「私はあの人のことをよく知っているが、遊び歩いたり羽目を外したりすることもなく、本当に品行方正な人だ」というときなどに用いられる、「品行方正」という言葉をご存知でしょうか。
品行方正という言葉自体はよく耳にすることも多いですが、一般的によく知られていることもあり、逆に改めて正しい意味を調べる機会が少ない言葉であるとも言えます。
そこで、普段よく聞くことがある品行方正という言葉の正確な意味や由来、使い方などについてご紹介していきます。
品行方正の意味
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品行方正という言葉の意味は「心や行動がきちんとしていて礼儀正しいこと」「道義的にも正しく模範的なこと」です。単に行儀が良いことを品行方正という人もいますが、「品行」というのは、道徳的な意味での行いを指しており、「方正」というのは正しく、きちんとしているさまを指しています。
マナーがきちんとしている人でも、道徳的に反しているような場合には、使うことができません。品行方正という言葉は、行動と心の正しさ、共に備わっている場合に初めて使うことができるものなのです。
品行方正の由来
品行方正という言葉は、そのままの語で由来となっているものは見つかりません。ただし、意味を同じくする「身行方正」という言葉があり、こちらが日本で形を変えて品行方正という言葉になったのではないかと考えられています。
身行方正という言葉の由来は、中国の春秋時代の「管子」という書物であると言われています。この書物は、当時の政治家であった管仲という人物の思想をまとめたものですが、その中に「身行(みずから行うこと)方正」という言葉が用いられています。
品行方正の例文
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品行方正という言葉は、誰もが認める、道徳的に正しいことをしている様子に対して用いられます。そのため、「私の上司は部下にも分け隔てなく優しく、困っている人がいれば進んで手を差し伸べる人だ。その上、誰に対しても気遣いがしっかりしており、まさに品行方正で理想的な人だ」などのように用います。
一方で、近年ではこのように道徳的に優れている人を「まじめすぎる」と堅苦しく感じる風潮もあるため、時には品行方正という言葉を、素直に称賛する意味で使わないことがあります。
例えば、「あそこの家の子供は遊びに誘っても全く付き合おうとしないし、勉強ばかりで、本当に品行方正なお坊ちゃまだ」という使い方をすることがありますが、この場では行いの正しさを褒めるというよりは、からかいも気持ちを込めて用いています。