「海千山千」という言葉を知っていますか? 海千山千の監督、海千山千の社長など、人物を評する時などに使われる言葉ですが、その意味をきちんと理解できている人は以外と少ないのではないでしょうか。
「あなたは海千山千の人ですね。」と言われたらどう感じますか? この言い方は褒めているのでしょうか?それとも皮肉?または、貶しているのでしょうか?
答えは褒めていません。皮肉を込めてけなしている捨て台詞と言ったところです。
それでは、ここから海千山千についてひも解いていきます。
海千山千の意味
出典:ぱくたそ
海千山千とは「長い年月に様々な経験を積んで、一筋縄ではいかないしたたかで、ずる賢いやり方。またそのような人を指す」こんな意味があります。
海千山千という言葉には、「ずる賢い」「老獪」「したたか」などと言った言葉の意味がありますが、決して良い意味ではありません。よって、誉め言葉とし使うことは間違いなのです。
例えば「私の師匠は海千山千の技術をもっている素晴らしい職人だ」という使い方は間違いになります。 海千山千は、人物を評する以外の使い方もされますが、決して誉め言葉ではないのです。
例えば「相手のボスは海千山千の相手なので戦いを有利に進めるのが難しい」など、試合、交渉、ゲームなど、勝負ことにおいての相手を評する時などに「相手はずる賢くて強敵だ」と言った意味で使うのが正しいでしょう。
海千山千の由来
海千山千という四字熟語の由来は、古代中国の故事からきています。
海に千年、山に千年棲んだ蛇は龍になるという中国の古くからの言い伝えが語源となって生まれた言葉です。「海に千年、山に千年」の略であり、「海千河千(うみせんかわせん)」とも言います。
海に千年、山に千年棲んだ蛇が龍になっていると想像してみて下さい。 戦う相手であったら相当な強敵ですよね。
海千山千の例文
出典:ぱくたそ
「決勝の相手は海千山千の監督が率いるので油断ならない」 「商談相手は海千山千の課長だからしっかり準備しておこう」 「あそこの会社は業績が厳しいみたいだけど、海千山千の社長だから何とかすると思うよ」
スポーツの世界で使われると 「相手は海千山千の絶対王者だ。」など、相手が凄く強敵であるという意味にもとれます。
海千山千の類義語・対義語
老獪(ろうかい)、強か者(したたかもの)、老猾(ろうかつ)、ずる賢い、などが同じようにたくさん経験を積んでいて、人を上手に欺くことに長けていて、抜け目がなくずる賢くしたたかといった意味があります。
一方で百戦錬磨(ひゃくせんれんま)、経験豊富(けいけんほうふ)、千軍万馬(せんぐんまんば)などは一見同義な意味に思います。しかし、海千山千と同じく多くの経験を積んで高いレベルに到達していると言うような意味がありますが、相手に対して悪い意味ではなく良い意味で使われる言葉です。
決してずる賢いと言ったようなネガティブな意味を感じないですね。