「一蓮托生(いちれんたくしょう)」の意味と使い方|仏教の思想を表した言葉

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私達が普段生活している中で使用している「日本語」。コミュニケーションツールとしては、非常に大切なもので、人と人を繋ぐ重要な文化です。言葉なくして文明の発達はありえませんし、もっと言えば人間の進化にもかかわること、と言っても過言出はないでしょう。

そんな言葉ですが、普段の生活ではあまり使わないような四字熟語などがあります。では、まず以下の文章をお読みください。『今日の試合は、惨敗だったね。とても勝てる気がしなかったけど、大丈夫かな?この先不安だよ。』『大丈夫、まだ新しい体制になって初の試合だし、これから一蓮托生で、もっとがんばって行こう』

この文章の中で今回取り上げるのは「一蓮托生」という言葉です。この文章を読んで「一蓮托生」の意味を掴むことはできましたか?

これからこの「一蓮托生」という四字熟語について、その意味や使い方、例文、由来などを説明していきます。

一蓮托生の意味


出典:ぱくたそ

「一蓮托生」の意味ですが、運命やこれから先のことを仲間と共にすることです。

つまり、運命共同体のようなものです。この四字熟語を分解して解説します。「一蓮」は、1つの蓮の花を表します。「托生」は、命を預けるという意味があります。

結果、どうなっても行動や運命を共に歩んで行こうということです。もう1つは、仏語で「死後、極楽の同じ蓮華の上に生まれること。」を意味します。

一蓮托生の由来

「一蓮托生」は、元々は仏教の考えからきています。『生きているうちに良い行いをした人は、あの世へ行っても極楽浄土で同じ蓮の上に生まれ変わることができる。』という仏教の思想から生み出された。こうして考えてみると、「一蓮托生」という言葉1つの重みも感じますね。

一蓮托生の例文


出典:ぱくたそ

ここでは「一蓮托生」の具体例をあげて、どんな時に使えるのかを、説明致します。

「この戦いには、絶対負けられない。どんなことがあっても、死ぬ時も生きる時も全員一蓮托生だ。」

スポーツの試合での絶対に勝たなければならない重要なゲームにおいて、一致団結して死ぬ気で頑張ろうと、メンバー全員の意思統一と気持ちを1つにまとめる場合などに使えます。

「君と僕は夫婦なんだ。夫婦とは、一蓮托生で困難にも、向かっていかなければ、ならないんだよ。」

夫婦というのは、互いに命を預けて支え合いながら、共に歩んでいかなければならない存在であるということです。生計と生活を共にし、一生寄り添って生きる夫婦は、まさに運命共同体と言える関係です。

その他には、以下のような文例があります。

「旅行の途中に巻き込まれた事故で、それまで知らないもの同士の他人が、一蓮托生で助け合い、難を逃れた」

知らない者同士の間でも、一致団結さえすれば、一連托生にはなれるのです。上記3つのような文章で、一蓮托生という言葉は使うことができます。ぜひ機会があれば、忘れないためにも積極的に使ってみてください。

一蓮托生の類義語・対義語

「一蓮托生」と似ているような意味を持つ類義語としては、以下のようなものがあります。

・同腹一心(どうふくいっしん) 同腹一心とは、「志を同じくすること」「一致した心を持つこと」「連帯責任」などを意味します。

・運命共同体 前述の例文でも、度々登場した言葉です。意味は、運命を共にする人々ということです。夫婦や、同じ会社に属する人、グループや団体などです。

・一致団結 たくさんの人が1つの目的のために集まることです。

「一蓮托生」の対義語としては以下の者があります。

・分崩離析(ぶんぽうりせき) これは組織などがバラバラになることを意味します。

どの四字熟語にも、由来があります。

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