お寺に行くとにこやかな笑顔と柔和な声で訪れる人を癒してくれる住職。
実はそんな柔和な雰囲気と違って、実際にはすることも守るべき決まりもたくさんある大変な仕事です。そんな住職の職業事情を解説します。
住職とは
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住職というのは一般的に住持職と呼ばれている人であり、仏教の職名の一つになります。具体的には一つ以上の寺院を管掌している僧侶であり、その寺の最高責任者、ということになります。
日本の仏教は多くの宗派があり、宗派ごとに資格規定がありますから、一概に僧侶であれば誰でも住職になれるというわけではありません。
住職と言う名前の通り寺院に住み込み、または寝泊りしていることが殆どなのですが、無人の寺院の住職になることもあるようです。
住職の仕事
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住職の仕事はその寺の管理のほぼすべてということになります。人を雇って行わせることもありますし、自分でできることは自分でやります。
具体的にいえば寺の掃除などは自分でもできますが、他にやることが多ければ人を雇ってしてもらうこともあるようです。庶務に加えて当然、修行の身なので読経などの日々のお勤めも欠かさずやることになります。
住職はその寺の檀家さんのところを回ることも一つの仕事です。説法なども積極的に行う住職もいますし、申し出があれば法事や葬儀などで行うこともあります。
住職の年収/勤務体系/福利厚生
気になる年収ですが、その寺の経済状況によって住職の収入も大きく違うことになります。平均値があまり意味をなすような仕事でもないのですが、あるデータでは600万円~700万円が平均収入とされています。
勤務体系としては朝が早く、夜も早く終えるということになります。きちんとした宗教法人のところは会社員同様、正規雇用で理事的な立場になる人も中にはいます。
雇われ住職というのもいます。福利厚生も、普通の組織として厚生年金、健康保険、積み立てなど行っているところが殆どです。
住職のメリット・デメリット
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住職のメリットは、安定がまず一点目に挙げられます。それ以外に、意外と収入があることもメリットです。
デメリットとしては私生活も立場を弁えた態度を貫かなければならないことと、宗派によっては結婚もできない(許可制)ということです。
また、収入がよい寺院には基本的に空きがありません。実家が寺院であれば気にすることはありませんが、せっかく住職を志しても求人がなければ意味がありません。
住職に向いている人、向いてない人
住職に向いている人はコツコツと修行をすることが好きな人でしょう。少なくともそれが苦にならないという人はかなり適性があります。また、前提条件として信仰心が強くなければいけません。
逆に向いていない人は、朝は早く夜も早く、規則正しく規律正しくという制限に耐えられない人です。自由を謳歌したい人には向いていないといえるでしょう。
次のページでは住職という仕事の将来性を紹介します。