【身投げって何?】「ホタルイカの身投げ」の魅力を解説

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身投げを見に行きませんか?と言われると誰でも「えっ!身投げ?」と驚いてしまいますね。身投げと言っても人では無くホタルイカですので安心して下さい。でも海中生物であるホタルイカが身投げって?とますます謎が深まります。では、ホタルイカの身投げとはなんなのか解説しましょう。

ホタルイカの身投げとは


出典:写真AC

今回紹介する「ホタルイカの身投げ」は期間限定でしか見ることができない、ホタルイカが闇夜のなかで織り成すロマンチックではかない「光のショー」のことを指します。触手に発光体を持つホタルイカは、何かに触手が触れるとまるでホタルのように淡く発光することからその名が付きました。

ホタルイカは産卵のために大量に海岸線へ近付き、お互いにぶつかり合うことで海面が青白く輝きます。産卵後には力尽き波に押されて海岸に打ち上げられる様がまるで身投げをして打ち上げられるようなのでいつしか「ホタルイカの身投げ」と呼ばれるようになりました。

命がけで海岸を目指し、人生最大の発光をしながら産卵し命が費えると光も静かに消えていくまさに命の灯火と言えるでしょう。ロマンチックではかない光のショーこそ、ホタルイカの身投げです。

ホタルイカの身投げはどこで見られる?


出典:写真AC

ホタルイカの身投げは、ホタルイカが多く生息する富山県、ホタルイカの水揚げ量が多い滑川や四方の漁港付近で見ることができます。ホタルイカの身投げはホタルイカの産卵期にだけ発生する自然現象、期間限定の光のショーです。

ホタルイカの産卵期は毎年2月下旬~5月頃、寒い時期ですが冷たく張り詰めるような気候の中でしか見ることができません。地元では一般的に、ホタルイカの身投げは波が穏やかな新月の夜の深夜から明け方未明の満潮時が最も条件が良いと言われています。

でも、自然が織り成す光のショーですからスケジュールは自然任せ、絶対はありませんのでご注意くださいね。

ホタルイカの身投げはどうやって見られる?

壮大で荘厳な光のショー、ホタルイカの身投げは滑川や四方の海岸で見ることができますが、3月末~5月上旬の間、滑川漁港ほたるいか定置網に向かう船に乗り込み、海上から見ることもできます。

富山県のホタルイカ漁のメッカ滑川市にある「ホタルイカミュージアム」に集合し、03:00が出航予定です。沖合いのほたるいか定置網周辺でホタルイカの身投げを堪能し、ご来光を眺めながら港に戻ります。参加料金は大人5,000円、小中学生3,000円、残念ながら小さなお子さんは乗船することができません。

予約制ですので参加希望の方は事前予約を忘れないで下さいね。

ほたるいか海上観光

【開催期間】3月末~5月上旬

【住所】富山県滑川市中川原410(ほたるいかミュージアム)

【電話】076-475-0100 (予約受付 2018年3/1~5/5 9:00~16:00)

【アクセス】北陸自動車道滑川ICから車で約10分、あいの風とやま鉄道「滑川駅下車」、富山地方鉄道「滑川駅」下車、徒歩約8分

ホタルイカすくいについて

出典:写真AC

命の灯火が創り出す美しい光のショー、ホタルイカの身投げですが、美しさを堪能した後は冬の味覚「ホタルイカの味」を楽しみたいのが人情ですね。うれしいことに身投げに来ているホタルイカは誰でも取ってもいいんです。

身投げ後に海岸に打ち上げられたホタルイカは簡単に拾うことができますし、海中に漂う産卵前のホタルイカを網で掬うこともできます。打ち上げられたホタルイカは砂にまみれていることや、産卵後で味が落ちていることから、おすすめは海中から網で掬う方法です。

必要なものは明るめのライト(アウトドア用のヘッドライトが両手が使えるので便利です。)、柄の長めのタモ網、救い上げたホタルイカを保存するクーラーボックス、鮮度を保つための氷の3つ。一番肝心なことは防寒です。寒い時期の海岸線はかなり冷え込みますから、防寒対策はしっかりとしておきましょう!

ホタルイカの食べ方


出典:写真AC

掬った直後のホタルイカをワイルドに生で実食!と行きたいところですが、ホタルイカには高確率で寄生虫が付いているので止めてください。この寄生虫はマイナス30度で4日以上冷凍保存するか、加熱すれば死滅します。生で食べたい場合は、ワタを抜いて慎重に調理する必要があります。板前さんにお願いすれば調理してくれる場合もありますよ。

家庭で楽しむ場合、ボイルして酢味噌とあわせたり、大根と煮込んだりするのが安全で美味しく楽しむ調理法でしょう。たくさん取れた場合は、素干しにしておくと保存が利きます。炙り焼きしたホタルイカを肴に身投げするホタルイカに思いを馳せましょう。

ホタルイカミュージアムとは

ホタルイカの身投げを会場から観賞する方法で触れましたが、富山県滑川市にはホタルイカを取り上げた「ほたるいかミュージアム」が存在します。

深海に生息する謎の多い生物ホタルイカの生態を紹介すると共に、ホタルイカと同じ深海に生息する深海魚の展示や、深海魚を触ることができるタッチプール、ホタルイカやホタルイカ漁に関する歴史や文学などを紹介するミュージアムギャラリー、立山連峰の雄大な景色が一望できるガラス張りのマーケットホールやレストラン、カフェが用意されています。

もちろんホタルイカの身投げについても詳しく説明されていますから、実際に観賞する前に足を運びたい施設ですね。

ほたるいかミュージアム

【営業時間】09:00~17:00

【休館日】6月1日~3月19日(毎週火曜日・祝日の場合は翌日)、年末年始、1月 最終月曜日からの3日間

【住所】富山県滑川市中川原410

【電話】076-476-9300

【アクセス】北陸自動車道滑川ICから車で約10分、あいの風とやま鉄道「滑川駅下車」、富山地方鉄道「滑川駅」下車、徒歩約8分

ホタルイカの身投げの魅力

ホタルイカの身投げは、生物が次世代に命を繋げる荘厳な儀式だと言えます。目の前で次々に消えていく命の灯火を眺めていると、はかない気持ちになると共に生物の逞しさを感じ得ずにはいられません。そして命を奪ってしまいながらも美味しく頂いてしまう人の罪深さも感じてしまいます。

実際にホタルイカの身投げを観賞しながら取るホタルイカは、「食べ残すことはできないな」と教訓を感じさせてくれます。人は食べずには生きていくことができません。掬ったホタルイカは無駄にせず、綺麗に食べるようにしましょうね。

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