三月も中旬になると、そろそろ桜の開花情報が気になり始めますね。今年はどこにお花見に行こう…できれば東京都内の名所で楽しみたい、なんて考えている人もいらっしゃることでしょう。そんな人のために、東京都内で桜が楽しめる名所を紹介します。ハズレなしですよ!
桜の名所、いつ行くべきか?東京の桜の開花時期
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桜の開花時期や見ごろは気温などの気象条件によって変わってきます。例年、桜が満開になるのは開花から1週間程度ですが、開花後に低温が続くとこれより遅くなることもあります。 また、開花から4日から6日程度で5分咲きから7分咲きとなり、見ごろの8分咲きを迎えます。そして、満開とはこの8分咲きのことを指します。
開花から満開までは、四国から九州地方で8日から9日、関東から中国地方が7日ほど、北海道、東北、北陸地方で4日から5日というのがおおよその目安となります。 満開を迎えると桜は通常1週間程度楽しめますが、雨や風、気象条件などによって大きく左右されます。 気になる東京の桜は、平年並みの場合開花が3月26日、満開は4月3日頃となっています。
東京都内の桜の名所を訪れるなら、およそ3月下旬から4月上旬ごろということになりますね。ですが、場所によって咲いている桜の種類が違うため、開花時期もそれぞれ異なるので注意してください。この記事では、各名所の開花時期も紹介しています。
東京の桜の名所①隅田公園
出典:写真AC
隅田川の桜橋から吾妻橋の1キロほどには、徳川吉宗が植えたとされる300本あまりの桜があり、シダレザクラのトンネルは墨堤の桜並木と呼ばれる桜の名所です。墨田区側の左岸では「墨堤さくらまつり」が開催されますが、台東区側の右岸にある隅田公園では例年「隅田公園桜まつり」が開催されます。
隅田公園の桜はソメイヨシノをはじめ、オオシマザクラ、サトザクラといったさまざまな種類がおよそ510本あり、屋形船や水上バスに乗って隅田川の両岸に続く桜並木を眺めることもできるほか、東京スカイツリーとの桜の共演を楽しむこともできます。
また、夜になると公園内はライトアップされるので、幻想的な夜桜の名所としても知られています。 例年、隅田公園の桜の開花時期は3月20日頃から4月上旬となっています。
東京の桜の名所②上野恩賜公園
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東京・上野の桜の歴史は江戸時代まで遡り、江戸幕府三代将軍徳川家光が桜好きの天海僧正のために、奈良の吉野山から桜を移植したのがはじまりとされています。 現在の上野恩賜公園に咲く桜はソメイヨシノをはじめ、ヤマザクラ、サトザクラなど約50品種200本といわれ、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。東京のなかでも有数の桜の名所です。
特にメインスポットとなっているのは「さくら通り」と呼ばれる中央園路の桜並木で、並木道は約400mに渡って続いています。 このほか清水観音堂、上野東照宮、不忍池なども東京の桜の名所として有名です。 毎年桜の咲く時期には「うえの桜まつり」が開催され、花見客は約200万人にも上ります。
例年、上野恩賜公園の桜の見頃は3月下旬から4月上旬となっています。
東京の桜の名所③目黒川
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東京を代表する川の一つでもある目黒川では、大橋から太鼓橋に渡る約3.8kmにわたって続く、川面に乗り出すような800本ほどのソメイヨシノを楽しむことができる名所です。 夜になると天神橋から蓬莱橋にかけてライトアップされ、ぼんぼりの灯かりに照らされた桜がとても幻想的です。 毎年、桜が咲く時期には「目黒川桜まつり」が開催され、会場周辺には多くの屋台が立ち並び、特設ステージではさまざまなコンサートやパフォーマンスも行われます。
桜の観賞スポットは目黒から中目黒までのおよそ2.6kmを散策するコースや、休憩場所としても人気のある目黒区民センター公園、「桜テラス」や芝生広場がある中目黒公園なども桜の名所としておすすめです。
例年、目黒川の桜の見頃は3月下旬から4月上旬となっています。
東京の桜の名所④井の頭恩賜公園
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井の頭恩賜公園は江戸幕府三代将軍徳川家光がこの場所の湧水を「一番の井戸」と称賛したことから「井の頭」と呼ばれるようになりました。明治時代には皇室が所有していましたが、当時の東京市に下賜され、「井の頭恩賜公園」となりました。
公園内には約600本の桜があり、特に井の頭池の周囲の400本の桜は水面に映り息をのむ美しさで、東京都のなかでも桜の名所のひとつであり、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。また、桜の散り初めには桜の花びらが水面を覆い、まるでピンクの絨毯を敷いたように桜色一色に染まります。
例年、井の頭恩賜公園の桜の見頃は3月下旬から4月上旬となっており、期間中は53万人もの見物客でにぎわいます。なかには、東京都外からやってきた方もいるそう。
東京の桜の名所⑤新宿御苑
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江戸時代に高遠藩内藤家の下屋敷だった新宿御苑は明治になると宮内省管轄の新宿植物御苑となり、戦後は国民公園として一般に開放されました。皇室庭園時代から観桜会や観菊会が行われ、これは現在でも続いています。
58.3ha、東京ドームおよそ12個分という広大な庭園は、フランス式整形庭園、イギリス風景式庭園、日本庭園といった3つの様式で構成されており、約65種1,100本ほどの桜が咲き誇ります。「日本さくら名所100選」にも選ばれ、多品種の桜が次々に咲くことから、東京都内でも比較的長い期間桜が楽しめる名所となっています。
例年、ソメイヨシノやシダレザクラ、ウスズミが咲く3月下旬から4月上旬頃が桜の見頃となりますが、4月中旬から下旬にはヤエザクラ系のイチヨウ、カンザン、ギョイコウ、フゲンゾウといった遅咲きの品種が見頃となります。
東京の桜の名所⑥六義園
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六義園は江戸幕府五代将軍徳川綱吉の側用人であった柳沢吉保によって設計・指揮され造園された大名庭園で、その名称は「古今和歌集」の序文の「六義(むくさ)」という和歌に因んでいます。明治になると三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎によって購入され、整備ののちに東京都へ寄贈されました。
この六義園を代表する桜が巨大なシダレザクラで、庭園の内庭大門をくぐるとすぐに眼前に現れる高さ15m幅20mの姿は圧巻です。このほか、ソメイヨシノやサトザクラ、ヤマザクラといった品種の約75本の桜が植えられていて、シダレザクラとはまた違った趣の桜を楽しむことができる名所です。
例年、六義園の桜の見頃は3月中旬から4月上旬となっていて、この時期には夜間のライトアップも行われます。
東京の桜の名所⑦千鳥ヶ淵緑道
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戦没者墓苑入口から麹町消防署九段出張所にかけて千鳥ケ淵沿いに伸びているのが千鳥ケ淵緑道です。「千鳥が羽根を広げた形」から名付けられたといわれる千鳥ヶ淵は、皇居の濠の中でも、緩やかに湾曲した濠に沿って並木が伸びている東京有数の桜の名所です。
明治時代に英国大使館の駐日大使であったアーネスト・サトウによって大使館前に桜が植えられたのをきっかけに、徐々に本数を増やして現在では400本以上もの桜が植えられています。 3月下旬から4月上旬の「千代田のさくらまつり」期間中にはライトアップも行われ、濠ではボートの貸し出しも行われているので、のんびりとボートを漕ぎながら夜桜を楽しむこともできます。
例年、千鳥ヶ淵緑道の桜の見頃は3月下旬から4月上旬となっていて、期間中は東京中から100万人以上以上が訪れる人気のスポットです。
東京の桜の名所⑧六本木ヒルズ 毛利庭園
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2003年に国内最大規模の都市再開発プロジェクトとして東京六本木にオープンした六本木ヒルズは、超高層ビルの「六本木ヒルズ森タワー」を中心にした複合施設として知られています。敷地内の「毛利庭園」は、江戸時代に造られた歴史ある回遊式の日本庭園です。
8本のソメイヨシノと2本のシダレザクラは六本木ヒルズがオープンする前からあり、庭園内を散策しながら眺めたり、カフェからの眺めも楽しめます。 また、六本木ヒルズの開発とともに生まれた「六本木さくら坂」には通りを覆うような75本のソメイヨシノからなる桜並木もあり、夜間はライトアップされるので、夜桜の名所でもあります。
例年、六本木ヒルズ毛利庭園の桜の見頃は3月下旬から4月上旬となっています。
東京の桜の名所の魅力
東京都内には数多くの桜の名所があります。 桜は日本人と切っても切れない関係にあり、花見の歴史は古く、奈良時代にはすでに花見の習慣があったとされ、桜を愛でる文化の奥深さが垣間見えます。 また、一口に桜といっても日本には300種類以上にも上る品種があり、東京都内でも開花時期がさまざまです。
東京都内だけでも名所ごとにさまざまな桜を楽しむことができるので、桜の美しさはもとより、その違いを楽しんでみてはいかがでしょう。