日本の伝統的な工芸品は数あれど、実際に使って満足してもらえる工芸品はというと、困ってしまうのではないでしょうか。やはり、文化や生活様式が大きく異なるアメリカでは、日本の工芸品を欲しいと思う理由も日本人とはまた違うのだと感じさせられます。この記事では、アメリカ人が実際に使って満足する工芸品をご紹介しますので、贈り物選びの参考にしてください。
扇子は実用だけでなくインテリアとしても人気
日本では古来より扇子やうちわであおいで涼をとるという文化がありますが、アメリカにはそうした文化がありません。そのため、扇子本来の用途を伝えてもあまりピンとこない場合が多いですが、夏に日本を訪れたアメリカ人に使い方を教えると気に入って使ってくれることが多いです。
ただ、アメリカに持ち帰った場合にあおぐ用途に使用するかというと、実際はインテリアとして飾るという使い方がほとんどのようです。色柄もバリエーション豊富ですから、インテリアのセンスにマッチしていれば満足してもらえる工芸品です。
江戸切子グラスは花を生ける花瓶としてもおすすめ
江戸切子は、江戸時代末期に生産が開始されたと言われる伝統工芸です。もともとイギリスなどヨーロッパからの技術が融合されていることもあり、欧米人から見ても好まれるデザインです。また、江戸切子の技を継承する後継ぎが減少の一途をたどっているという状況もあり、貴重な工芸品となりつつあります。
こうしたことから、価格は高めの設定ですが、世界にも誇れる日本の素晴らしい伝統工芸品として、アメリカ人に満足してもらえることは間違いありません。日常的な使用だけでなくインテリアの一部としても価値が高く、一輪の花を生けるだけでも粋な雰囲気を作り出すことができます。
アメリカ人もその使い心地に満足の熊野筆
広島県の熊野町で生産されている熊野筆は、実は1700年代の終わりにはすでに生産が始まっていたと言われている日本でも大変歴史の長い伝統工芸品です。そのため、昔から国内で使用する筆のトップシェアを誇る地域でしたが、これまで長年にわたってほとんど脚光を浴びることはありませんでした。
しかし、1990年代になってようやく化粧筆の品質が大変優れていることが日本より先に海外で広がり、あらためて日本人がその良さに気づくという構図が出来上がりました。
出典:白鳳堂
アメリカ人も、この熊野筆の化粧ブラシはわざわざ買い求めたい日本の工芸品の一つであると言えます。多くのハリウッド・セレブ御用達の化粧筆というのもブームを後押しする形になっています。中でも熊野筆を生産する白鳳堂の高級化粧筆は、世界トップシェアを誇ります。
日本手ぬぐいはデザイン性と品質の高さに満足
手ぬぐいと言えば、日本人だったらタオルやお祭りのはちまきといった使い方になりますが、アメリカ人は思うがままに使用します。素敵な柄の手ぬぐいであればマフラーにする人もいますし、テーブルセンターのように使う人もいます。また、インテリアとして壁掛けにする人もいます。
日本製手ぬぐいであれば、その耐久性だけでも世界に誇れる工芸品です。最近は、手ぬぐい専門店もありますので、品質にこだわれば満足いただける贈り物になるでしょう。
海外に友人が日本に来たときや海外に旅行する際は、上記のような工芸品の土産をセレクトしてみてはいかがでしょうか。