書道師範の仕事を紹介|仕事の内容や必要な資格は?

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心を落ち着かせ、紙と筆と自分だけになる静謐の世界、それが書の世界です。書の世界を広める「書道師範」という仕事のことを、皆さんはどれだけ知っていますか。

書道師範という仕事はいったいどのような仕事なのか、仕事内容、特色などについて紹介します。

書道師範とは


出典:写真AC

「書道師範」とは、さまざまな書の流派が群雄割拠する中で、あるひとつの流派の中の指導者として認定された資格のことを言います。

つまり各流派の中で、最も高い資格を持つ指導者、一番偉い書道の先生のことを「書道師範」というのです。師範の認定方法も、各流派によってそれぞれ異なります。

書道師範の仕事


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書道師範の仕事ですが、書道を教えることが基本の仕事です。書道の先生として、その流派に所属する生徒や弟子たちに、書道はもちろんのこと礼儀作法なども指導します。

他にも、流派や書道教室の運営、個展の開催など、師範としての存在や流派の文化的価値をアピールする活動も重要な仕事と言えます。

書道の指導は、普通は楷書や行書を教えます。書道教室によっては、文字でなく、筆を使い自由に書かせる指導方法もあり、教える内容は特に定められていません。

書道師範の年収/勤務体系/福利厚生


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書道師範は年収や勤務体形なども実に様々です。年収にも個人差があります。しかし規模の大きな流派の上位の立場や有名な師範となれば、それなりに年収は高くなるでしょう。

勤務先も流派の書道教室に務めることや、自ら独立して教室や流派を立ち上げる人もいるため、働き方も人それぞれです。師範となる前の勉強期間のうちは、収入的に厳しいものがあるでしょう。

書道師範のメリット・デメリット

書道師範のメリットとしては、やはり師範という資格が世間的に認められていることでしょう。世の中さまざまな仕事がありますが、「師範」と呼ばれる仕事はそう多くはありません。明確な自分のポジションや役割がはっきりしているのはひとつのメリットでしょう。

デメリット、とまでは、言いませんが「師範」という立場をいつも考慮した師範の指導者らしい生活を送る必要があることはデメリットかもしれません。また年収が安定していないことも不安要素といえます。

書道師範に向いている人・向いていない人

書道師範に向いている人は、集中力のある人です。雑念があっては書は上手く書けません。ましてや人への指導となると尚更です。落ち着いて臨とした方は、師範に向いています。また書の世界は、努力も必要です。書道家としても、自分の技術を向上させることができる人が向いています。

逆に向いていない人は、落ち着きがなく、体を動かすことのほうが好きな人です。日本の伝統文化に興味のない方も、おすすめできません。

書道師範の将来性

書道師範という資格を上手く活用し、書道の素晴らしさを世の中に広めていける可能性があります。日本国内のみならず、海外にも日本文化を学ぶ人や、知りたいと思っている人は思いのほか多くいます。そのような人たちに向けて、今後はグローバルに活躍することも可能になるでしょう。

書道師範になるには


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書道師範になるには、いくつかの方法があります。師範になる道としては、どこかの流派の書道教室に入門し、先生について学ぶことが一般的です。先生に習いながら、昇段試験を受け、一段階ずつ階級を上げていく方法があります。

師範は、各流派の指導者として認定される資格となります。流派に属していない人の場合は、民間の資格を取得することもできます。師範の資格を取得する具体的な方法としては、全国書道教授資格認定試験があります。

試験では、第一種から第三種までを段階的に取得していきます。第三種に合格すると師範十位に認定され資格取得となります。また資格の勉強は、通信教育でも可能です。

しかし通信教育の師範取得の条件として、試験を受けられるレベルに到達するまで、およそ2年以上必要とされています。

通信教育の師範試験は、流派に属して取得するよりも比較的簡単です。そのため、流派に属する師範に比べ技術的難易度が低いとされています。

書道師範になる魅力

書道師範になる魅力は、やはり「師範」というレベルの書道家として箔がつくことでしょう。書道を指導し、広めていける楽しみもあります。

しかし書道師範は、ただ資格を取得すればなれるというものでもありません。書道師範になるためには資格は必要条件ですが、十分条件ではありません。

書道師範としてどんな「人間」になるかということは探求する必要があります。指導者としての立場から多くの人から目標とされる人間になれるということは、書道師範の最大の魅力なのではないでしょうか。

 

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