家具職人の仕事を紹介|年収や弟子入り制度などは?

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世の中には様々な職業があり、私たちが知っている職業というのはごく僅かだったりします。 世の中、大人になっても知らないことばかりですね。

職業の中でも「職人」という職業となると、具体的な仕事内容までは理解していないことが多々あります。機械化・効率化の進む中で、人の手で変わらず作り続けられるものには、あたたかみと魅力が宿ります。今回は「家具職人」にスポットをあてて、仕事の内容や特色、魅力について紹介します。

家具職人とは

出典:写真AC

「家具職人」とは、読んで字の如し「家具を作る職人さん」のことです。 家具デザイナーが設計した図面に基づいて、実際に家具を作っていくのが家具職人の仕事です。 機械化やオートメーション化が進み大量生産が行われる中で、ほとんど手作業で作る職人の家具は、一味も二味も違います。

家具職人の仕事

出典:写真AC

家具職人の中でも特徴的なのが「オーダーメイド家具職人」です。 家具職人には、家具製造会社に勤務している人と独自に木工房などを開き仕事をしている人とがおり、オーダーメイド家具のほとんどが木製品です。設計図を基にして、一つの家具を作り上げていきます。

ひとつの家具を作り上げるのには、一人の家具職人が担当することがほとんどです。家具の制作過程は木材の切り出しからはじまり、加工から仕上げまでを、たった一人の家具職人が行います。作業自体が非常に細かく、ひとつひとつの部品の加工にはカンナややすりなどを使用し丁寧に仕上げていきます。組み立て完了後は、塗装を行い、最後にサイズ等のチェックを行います。

仕事の範囲は職人によって様々です。デザインから製造まで手掛ける人もいれば、製造のみ行う人もいます。 また家具の制作だけが仕事ではなく、商売道具となるカンナやノミなどの道具のメンテナンスなども重要になります。ミリ単位での道具の調整が、結果として家具の良し悪しに関わってくるのです。

家具職人の年収/勤務体系/福利厚生

出典:写真AC

家具職人は家具製作会社や工房で会社員として勤務するか、独立して自営で仕事をするスタイルがあります。どの世界でも同じことが言えますが、職人と呼ばれる人の仕事は実力次第で報酬が大きく異なり、個人差が生じます。

収入の目安ですが、見習いや駆け出しの頃は、月収10万円~20万円といったところでしょう。見習い中は勉強期間ということで、収入的には厳しいものがあります。一人前の職人になると月収30~35万円となります。熟練クラスとなると月収50万円程度が見込めることもありますが、これも個人差があります。

家具職人の年収や勤務体系等の統計値は以下のようになります。

・平均年齢: 43.1歳

・労働時間:172時間/月

・月額給与:244,900円

・平均年収:3,300,300円

会社員の職人の場合、所属会社の条件により報酬面や福利厚生などが決まってきます。現実には家具業界は非常に厳しく、輸入家具などの安価な家具が台頭している影響もあり、経営状態が厳しいところが実に多くあります。その為、なかなか年収が上がらないというのが実情です。

家具職人のメリット・デメリット

家具職人のメリットとしては、努力次第で技術やスキルが向上できるということです。また物作りに没頭できることも、まさに職人ならではのメリットと言えるでしょう。

デメリットとしては、見習い期間を乗り越えられるかどうかということがあります。見習い期間は、とにかく給料が低いところがネックです。 また、一人前になったとしても収入自体は他の職業と比べて特に高いわけではないので、その点は理解する必要があるでしょう。

家具職人に向いている人・向いていない人

家具職人は細かい作業が多い為、手先が器用な人が向いています。また作業には集中力が必要な為、集中力が高く黙々と作業を続けられる人が向いていると言えるでしょう。もちろん体力勝負の仕事であるため、体が丈夫で健康なことも条件となります。

逆に向いていないのは、体を動かすことや外にいるほうが好きな人や、人と喋ったり営業や接客などに向いている人には、家具職人はあえて薦められません。

家具職人の将来性

ここ数年で家具業界というのは、大きく様変わりしています。特に大量生産の安価な家具店や、輸入の組立て家具店などの低価格のラインナップを揃える大型店などが増加しています。

そのような状況から、家具職人の仕事は相対的に厳しくなっています。中・長期的にも市場規模が縮小しているのが現状です。そんな中で家具職人が生き残る道には、大量生産にはできない高品質でデザイン性の高い家具や、手作りのあたたかみがあるオーダーメイドの家具などを作り、ニーズを伸ばしていく必要があるでしょう。

家具職人になるには

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家具職人になるのには、特別な資格は必要ありません。 家具制作を学べる学校などもありますので、そちらで知識を身に着けるか、家具製作会社や工房に就職をして仕事と技術を覚えていき職人となるかといった選択肢があります。家具職人に直接弟子入りすることも検討すべきでしょう。

家具職人になる魅力

家具職人の魅力は、自分の腕を使いアイデアを実現化していく、物作りの楽しさと職人ならではの想像力を生かす仕事ができるということです。個性や閃きを家具という作品に映し出すことができますし、オーダーメイドなどの場合は依頼主の希望に沿った家具を提供できることが何よりの喜びになるでしょう。

ものづくりを仕事にしたいという人は、ぜひ家具職人になることを検討してみてはどうでしょうか。

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