ガラス製品は昔から私たちの生活に溶け込み、普段からなんとなく使っているものです。
しかし、それがどう作られているかということを、あまり気にしたことはないのではないでしょうか。そんなガラス製品の中でも吹きガラスは、多くの場所で制作体験ができ、子供でも比較的簡単に作ることもできます。
今回はそんな大人も子供も楽しめる、吹きガラス体験の魅力を紹介します。
吹きガラスとは
吹きガラスとは、ガラス工芸における制作方法の一つです。
古代ローマの時代からほとんど変わらない、原始的ながら簡単に高品質のガラス製品を作ることできる手法となっています。ガラスに息を吹き込んで成形するために、完成品は丸みを帯びた形となることが特徴です。
吹きガラスの作り方
まず、色のついた数種類のガラスを混ぜ合わせます。ここでの配合によって、完成品の色合いなどが決まることになります。 次にそれを溶鉱炉に投入、熱せられ溶けたガラスを吹き竿という金属の細い筒の先端に巻き取ります。
炉からガラスが巻き付いた吹き竿を取り出し、反対側から息を吹き込んで膨らませます。ここで、ガラスに模様をつける作業や気泡を入れ、綺麗なデザインにする作業なども行われます。 膨らませた後は、竿を左右に振ってガラスを縦に伸ばしていくこととなります。
ガラスが十分な高さになれば、別の竿にガラスを移動。これ以降は、作るものによって大きな口をつけたり、花びらのような広がりをつけたりといったそれに応じた作業を行い、作品は完成となります。
吹きガラス体験
吹きガラスを体験できる工房は日本全国にあり、その料金は吹きガラスで何を作るかによって変わります。
1000円程度の安く短時間でできるものから、5000円程度の比較的値段が高くその分最初の工程から体験でき、豪華な作品が作れるものまで、幅広い種類の体験が用意されています。
観光地の一角にガラス工房があることが多く、また沖縄の琉球ガラスのような地域色のある吹きガラス体験ができる工房もあり、吹きガラス体験と一口に言ってもバラエティー豊かです。
関東近郊で吹きガラス体験を行っている工房は、玉田ガラス工房や調布グラススタジオなどです。
吹きガラス体験は子供でもできる?
ガラスを熱する作業は少々危険なものですが、工房の方がしっかりと隣についてサポートしてくれるので、火傷などをしてしまうような心配はほとんどありません。
それ以外の工程でも、子供の肺活量であっても十分にガラスを膨らませることができ、成形も簡単に行うことが可能です。吹きガラス体験は、子供であっても楽しく安全に体験できるものとなっています。
吹きガラスでコップ作りを体験
吹きガラスによるコップづくりでは、まず先ほど書いた通りガラスを巻き取って息を吹き込みます。
その後ガラスを振って縦に良く伸ばし、高さを出すとともに底を成形します。その後は別の竿に移し、コップの口を作るために竿を回転させながら小さな穴を広げます。
そして飲みやすい形の口になったら、それを冷やして完成です。
吹きガラスで風鈴作りを体験
吹きガラスで風鈴づくりを行う場合には、コップよりも高さをより低く、丸みの帯びたものが出来上がるように意識して作ります。
底も作らず、全体として球体に近いものを別の竿に移動、小さめの口を成形します。そして内側に音を鳴らすためのガラスの棒などを糸で付け、コップと同じく冷やして出来上がりです。
吹きガラス体験の魅力は実用性にも
日本には各地に体験教室がありますが、そこで作った物というのは良い思い出にはなるものの、実用的かと問われると答えに困ってしまうような物もあります。
その中で、吹きガラス体験により作ることができるガラス製品というのは極めて実用的です。特にコップなどは、朝昼晩と毎日使えてしまうような物です。
日常生活で使うものを作ることができるのは、吹きガラス体験ならではの魅力です。 また、ガラスというのは普段何気なく使っているものの、それがどう作られているのかといったことにはあまり触れる機会がありません。
ガラスの原料や、熱を加えて加工することなどを実際に自分で行い体験できるので、子供だけではなく大人にとっても楽しく、知識を身につけることもできる、非常に有意義な体験となるでしょう。