書道家の仕事を紹介|気になる年収や必要な資格は?

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世の中には様々な職業があり、何かしら我々の生活を豊かにしてくれます。数ある職業の中でも、職種によっては仕事のイメージが沸かないような、よく知られていない職業もあります。そんな中で今回は「書道家」という職業にスポットを当てて、「書道家」の仕事の内容や特徴などに触れてみたいと思います。

書道家とは

皆さんは「書道家」と聞いて、いったいどのようなことを想像できますか? 和服や着物を身に纏い、落ち着いた佇まいの中、大きな和紙に筆を滑らせる。そのような姿を想像できるのではないでしょうか。

一言で「書道家」と言っても実際に収入を得るには、いくつかの方法があります。いずれにしても「書道」に関することを「売る」ことで、収入を得ているのが書道家です。

似たような職業であれば、画家なども類似している職業と言えます。 画家は描いた絵を売ったり、絵画教室などを開いていたりなど同じようなことで収入を得ています。 絵画で言う売り物は「絵」になりますが、書道の場合の売り物は書ということになります。

書道家の仕事内容

芸術家としての書道家

出典:書家・書道家 川尾朋子オフィシャルサイト

本来の「書道家」は、こちらの分類となります。「書」という作品を売って収入を得て生計を立てる人のことを「書道家」と言います。 書道家の活動では、展示会に出展したり、個展を開いたり、作品としての「書」を多くの人に知ってもらうことによって、作品を販売することで収益を上げます。

しかし、書道家としての存在を世の中に知ってもらうのは簡単ではありません。 書道家として認知され有名になるための手段として最も近道なのは、 書道団体などが運営する展覧会などで入賞するなどの実績が必要となります。書道家としての自分と作品に注目してもらうのが、 何よりも大切なこととなります。

書道家としての仕事や役割は、 ただ美しい文字を書けばよいというわけではありません。 強さや優しさ柔らかさ、書道家の思いを筆で表現するという芸術作業が要求されます。 芸術として認められてこその「書道家」なのです。

実際には、芸術そのもので生計を立てていくのはかなり難しく、 作品の販売のみで生計をたてているプロの書道家は、ほんの一握りしか存在しません。ほとんどの書道家は作品を売る傍ら、書道を教えたりなど書道関係の何かしらの仕事に関わりながら生計をたてています。

商業書道家

芸術家としてではなく、 商業書道家として活動する人もいます。世の中には、絵画と同じくらい「書」のニーズが溢れています。 例えば、お店や会社などのロゴや看板、飲食店などのメニューの書体、パンフレットや、 メディア媒体、CMや商品のパッケージロゴなどなど、 実は我々の生活の中には「書」が活躍する機会が非常に多く溢れていることに気づかされるでしょう。

商業書道家は実に様々な場面で欠かせない存在であり、活躍の場も多岐にわたります。たとえばお寿司屋さんの店名の書を受注した場合、文字だけでその店の寿司の美味しさを表現するという芸術的センスが必要になります。近年ではインターネットでオーダー受付をし、「書」を提供しているサービスもあります。

書道教育専門家

書道を教えるというスタンスで生計を立てている人もいます。 書道教育専門もいれば、芸術家の傍ら書道を教えている人もいます。

書道は小さい子供からお年寄りまで、老若男女問わず幅広い層の人々が学べるものです。 単純に上手く「書」を書くことを教えるだけでなく、ひとりひとりに合わせて苦手な字や書けない字をなどを指導する必要があります。また道具の使い方、礼儀作法や「書」を書く上での心構えなど、教育としてのサービス提供を行う必要もあります。

書道の楽しさ、筆を持つ楽しさを教え、多くの人に書道の良さを理解してもらうことも、仕事のひとつと言えるでしょう。教育者としての書道家のスタイルも多岐にわたり、自宅を利用して書道教室を開業したり、ワークショップや地域のコミュニティセンターの講師として仕事をしたり、小・中学校などの学校関連で書道教師として働くなどがあります。

書道家としての自分をどう表現し、どのような活動を展開したいか、そしてどのような書道家になっていけるかは書道家を目指すその人次第です。アプローチの仕方次第で活躍の場と存在意義を高めることが可能な職業であると言えるでしょう。

書道家の年収/勤務体系/福利厚生

書道家の年収

気になるのは、書道家の年収や勤務体系などですね。 書道家の年収は実に様々で、一概にいくらと言うことはできません。年間で数万円程度の人もいれば、コンスタントに300万円から500万円ほど稼ぐ人もいますし、数千万円稼ぐ人もいます。

前述したように書道家としてのスタイルやアプローチによって年収は全く異なります。書道教室を行っているのか、作品を売っているのか、書道家として有名か、などの要素も関係します。

書道教室でコンスタントな収入を得る

最もコンスタントで安定的に収入を得られるのは、書道教室などの実施です。書道教室の場合、生徒の数により収入が変わってきます。書道教室を開く場合は、教室に通う生徒からもらう入会金と月謝によって成り立ちます。入会金は全ての教室で必要なわけではありませんが、一般的に入会金2,000円程度、月謝は2,000円から5,000円が相場です。

また先生の知名度や、地域によっても月謝に違いが生じます。有名な書道家や教室の場合、7,000円から8,000円と高額な月謝を設定している教室もありますが、実際にはごく一部の教室しかありません。

仮に月謝を4,000円とすると、生徒が40名の場合、月収は月謝代の16万円と入会金となります。 40名もの多くの生徒が在籍していたとしても、それほど収入は高額ではないことがわかるでしょう。また、書道教室を開業した直後は生徒もそれほど多くないでしょうから、教室を知ってもらう営業努力も必要となります。

小学校低学年からの習字教室として地域の方に覚えてもらい、口コミどで教室の評判が広がり生徒の数が増えていけば安定収入を得られます。教室運営の場合、生徒数がダイレクトに収入に反映されますので一定のコンスタントな収入を得るには、営業手腕も多少は問われます。 教室を開業した場合は、営業時間や教室の規則などは自分で決められます。 勤務時間や日数なども自分のスタンスで行うことができます。

作品の金額

書道の作品単価も千差万別。値幅は広く数万円から数千万円とされています。 書道家の知名度や実力によってもその価値は大きく変わります。 芸術作品としての価値には、基準はありません。 書道家として知名度が上がり、世の中に認知されればその価値は上がりますが、認知されなければ無収入ということになります。

書道家のメリット・デメリット

書道家のメリットは、古くからの伝統を多くの人に伝えられることでしょう。そのような教育者としての立場、伝統の担い手として社会への貢献できることは、ひとつのメリットです。書道を教える教育者として生徒の成長を実感できる達成感もあることでしょう。また芸術家として自分の作品が認められることも大きな魅力です。

デメリットとしては、書道家として成功しているのはほんの一部の人であることです。書道家としての現実にどう向き合うかで悩む人もいます。 芸術的価値と商業的価値の狭間で悩むこともあるでしょう。

書道家に向いている人・向いていない人

書道家に向いてる人は、まずは書道が好きな人です。そして「書」の歴史を感じられる、表現力が豊かな人です。また集中力があり、自己表現を豊かにできる感性の持ち主が向いています。

向いていない人は、その逆で落ち着きがなく集中力のない人、体を動かすほうが好きな人などです。飽きっぽい人もあまり向いているとは言えません。

書道家の将来性

書道家のニーズは多々あります。日本の書の文化は海外でも評価が高く、海外での仕事もあるかもしれません。IT社会全盛の時代だからこそ、書道は見直され価値があるものとして存在しています。絵画同様、芸術的な創作としての書は今後も受け継がれていくことでしょう。

書道家になるには

書道家は芸術家でもあるので、一定の定義はありません。 取らなければならない資格もなく、書道教室を自分で開業することもできます。しかし実際には、人に教える仕事である以上「師範」として認められている人が運営をしていることが多いです。

一般的に書道家となるには、流派に所属し腕を磨くか、先生に師事し教えを乞い実力をつける必要があります。大学や専門学校、書道教室など学ぶ場はたくさんあります。

書道家が使う道具

書道に使われる道具は、筆、墨、硯、紙の四つが基本となります。道具も芸術のひとつと言われています。高価なものから安価なものまで様々ありますが、書道家として使うならホームセンターや文房具店の量販店で揃えるより、専門店での購入をおすすめします。

有名な書道家の紹介

矢部澄翔

現在日本の書道家を代表する女流書道家として活動しています。 彼女の書道家としての経歴は6歳からはじまり、22歳で師範を取得、書道家として活動する以前は、七年のOL生活を経験しています。数々の展覧会などでその実力を認められ、現在ではヨーロッパやニューヨークなどでも書道パフォーマンスを行う、ワールトワイドに活躍する書道家です。

書道家として生きる魅力

書道家は芸術家です。 芸術の世界で生きていく、食べていくのはもちろん難しいことです。常に自分を見つめ、芸術家として日本をはじめ世界に対してアピールできてこそ、これからの書道家と呼べるでしょう。自己表現と強い意志を持った人こそが、書道家として生き、活躍できるでしょう。 また一方で地域に根づき、教育者として書道を広める地道な役割を担うことも大切なのです。

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