香川・丸亀うちわの歴史と魅力を紹介

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

香川県と聞いて多くの人は「讃岐うどん」をイメージするのではないでしょうか?香川県丸亀市もうどんの産地として知られ、多くのうどんファンが足を運ぶ名店が数多く存在しています。しかし実は丸亀市にはうどん以外にも世界に誇る伝統工芸が脈々と受け継がれているのです。

それは、香川県丸亀市が世界に誇る伝統工芸「丸亀うちわ」です。 風流な夏の風物詩に欠かせないうちわですが、うちわの逸品として高い評価を得ているのが今回紹介する「丸亀うちわ」です。丸亀うちわの歴史や魅力について紹介していきたいと思います。

丸亀うちわの歴史

mtk.さん(@mtkhys)がシェアした投稿

香川県丸亀市のうちわ作りの歴史は遥か昔に遡ります。 今から400年以上前の慶長5年(1600年)には九州の熊本で丸亀の旅僧が一宿のお礼にうちわの製法を伝授したことから「熊本来民(くたみ)うちわ」の文化が始ったと言われていますので、丸亀うちわの技法は江戸時代以前には既に確立していたと考えられます。

金毘羅参りが盛んに行われるようになった寛永時代には、お土産物としてのうちわの存在が注目されはじめました。寛永10年(1633年)に、金毘羅大権現の別当・金光院住職宥睨(ゆうげん)が考案した天狗の羽団扇にちなんだ朱色に丸金印の「渋うちわ(男竹丸柄うちわ)」が発売されると、うちわはいちやく人気商品となりました。

丸亀藩も藩士の内職にうちわ作りを奨励するなど藩を上げて積極的にうちわ作りに力を入れた結果、代表的なうちわ産地としての基盤を築くことになりました。1780年代に藩が制作を奨励した「女竹丸柄うちわ」や、「奈良うちわ」を手本に作られた「塩屋平柄うちわ」など、他の産地のうちわが融合してできたのが現在に伝わる「丸亀うちわ」です。

丸亀うちわの特徴・作り方

一見シンプルな作りに見えるうちわですが、工業製品を使用せず紙と竹で作られる丸亀うちわは、完成までに実に47もの製造工程が必要となります。 特に握り手である「鎌柄」や薄く削がれた竹が広がる「糸山」、扇いだときに風を生む紙の部分を内部で支える「穂骨」は、熟練した技術を持つ「骨師」と呼ばれる職人によって1つ1つ手作業で作り上げられます。

歴史的に丸亀では「うちわの竹骨」の製造を行いって各地のうちわ産地に出荷しており、多くの骨師の熟練工が存在しました。 出荷先のうちわの特徴に合わせたを竹骨を製造する機会が多いことから、各産地で作られるうちわの特徴が本来の丸亀うちわに融合されるようになったと考えられます。

完成までの製造工程はほぼ職人の手作業で行われるので、熟練工の存在が丸亀うちわの要と言えます。 例えばうちわの面積の大部分を占める「地紙」は、破れにくくするために素材の紙の質や厚さに合わせて糊の濃度を調節するなど卓越した職人技が求められます。

このように全47もの工程を職人の手作業で丁寧に作り上げるのが丸亀うちわの特徴であり、高い評価を受ける所以と言えるでしょう。

丸亀うちわ職人について

ちえさん(@chieppu15)がシェアした投稿

平成になり、丸亀うちわにも「職人の高齢化問題」が立ちはだかりました。 当時丸亀には7人の伝統工芸士が存在しましたが、うちわ作りに関わっているのは「骨師」である3人にまで減ってしまいました。しかし無事後継者を確保し、丸亀うちわの伝統は途切れることなく今に引き継がれています。

現在では7人の伝統工芸士が丸亀うちわの制作に携わっている他に、確実に丸亀うちわの伝統を後世に伝えるべく香川県うちわ協同組合連合会が制定した「丸亀うちわニュー・マイスター」の制度により、新たに17人の職人がニュー・マイスターとして活躍しています。

また丸亀うちわは東南アジアの小国ラオスに竹製うちわの技術指導を行っており、積極的に日本のうちわ文化を保存、普及する活動も行っています。

丸亀うちわミュージアム

香川県うちわ協同組合連合会が丸亀うちわの普及を目的として運営しているミュージアムが「うちわの港ミュージアム」です。ミュージアム内では丸亀うちわの歴史を伝えるさまざまなうちわや、人形で再現したうちわ作りの工程、実際にうちわの製作に使われた職人達の愛用の道具、貴重な文献など多くの資料が展示され、訪れる人たちを楽しませてくれます。

また午前と午後の1日2回、うちわの制作体験が楽しめる体験コーナーも設置されているので、世界に1つだけの丸亀うちわを思い出と共に持ち帰ることも可能です。

【うちわの港ミュージアム】

住所:丸亀市港町307-15

電話番号:0877-24-7055

開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)

休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)年末年始(12月29日~1月3日)

入場料:無料 駐車場:乗用車約50台。大型バスの駐車も可能。

アクセス:JR丸亀駅より北へ徒歩10分 車でのアクセス:善通寺ICより約20分、坂出ICより約15分、坂出北ICより約15分

丸亀うちわ製作体験受付時間:午前の部(9:30~11:30)・午後の部(13:30~15:30) 体験所要時間:約40分~50分 ※概ね10人以上の場合は約90分 体験料:1本700円

丸亀うちわの魅力

遥か数百年の昔から私たち日本人の生活に欠かすことのできなかった「うちわ」、そのうちわの最高峰と言っても過言ではないのが今回紹介した「丸亀うちわ」です。

現在はプラスチック製のうちわの骨が多くなっていますが、1つ1つ熟練した職人の手作業で仕上げられた丸亀うちわを1度手に取ると、きっと手放せなくなることでしょう。ぜひ、こだわりの一本を手に入れてみてくださいね。

香川県の記事一覧

当サイトは、伝統工芸・日本文化を、伝統工芸士や一流の職人さんから学べる体験プランも提供しております。元アクション俳優と兼業で女優をしているお二人が開催する古武道体験などもあります。詳細は下記のリンクをご覧ください。

現在、開催中の体験一覧をみる

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連するキーワードから探す