美しい日本文化を仕事にしたい、というのであればその一つに料理があります。独特な料理形式や価値観が育っている日本では様々な日本独自の料理人がいます。その一つが和菓子職人であり、高い技術と芸術性も兼ね備えている職人であり、目指す人は多いと言えるでしょう。そんな和菓子職人の仕事事情、なり方や収入などを解説します。
和菓子職人とは
和菓子職人は名前の通り和菓子を作る職人のことを指します。饅頭や団子など一般的によく知られているものも作りますが、専門性の高い仕事ですので、あまり馴染みのない和菓子の作り方などにも精通している必要性があります。
和菓子職人の仕事
和菓子職人の作る菓子は多岐にわたります。伝統的な和菓子もあれば、職人としての感性を活かした斬新な創作和菓子を作ることもあります。仕事の内容には下ごしらえ、仕入れはもちろんのこと、得意先への配達などもすることがあります。定期的に大量に買ってくれる顧客は和菓子の販売店にとって有難いことであり、積極的に営業をしたりすることもあります。
和菓子職人の年収/勤務体系/福利厚生
和菓子職人の年収は本当にまちまちであり、初任給としては手取りで大体月に10万円以上あればよい方と言えるでしょう。一人前になり、中堅になっても平均年収は300~400万円もあればよいくらいです。
収入としてはそれほど高くないことになりますが、トップクラスともなればそれなりに稼いでいる場合が多いです。勤務体系は正規雇用が基本ですが、有期雇用もあります。福利厚生も雇用形態次第ではありますが、キチンとした会社組織であれば問題なく、通常通りの福利厚生を受けることができるでしょう。
和菓子職人のメリット・デメリット
和菓子職人のメリットとしては、まず手に職がつくということです。和菓子職人の保有する技術は製菓業界の中でも高いものになるので、一生もののスキルが身に付くと言ってよいでしょう。
デメリットとしては、これは和菓子職人の技術が高いことの裏返しでもありますが、製菓の中でも和菓子しかできないということです。幅広い製菓を請け負える職人ではないので、これはどうしてもデメリットになると言えます。
和菓子職人に向いている人、向いていない人
和菓子職人に向いてる人は鋭敏な舌の味覚を持ち、手先が器用な人になります。また和菓子には自然物を模したものが多いので、観察力や再現力が高ければクオリティの高い和菓子を作ることができます。舌の感覚だけでなく、美術的な感性も持ち合わせているとなおよいでしょう。向いてない人は、細かい作業が嫌いな人、味覚に自信がない人などです。
和菓子職人の将来性
和菓子職人という仕事が将来的になくなることは、ないと考えてよいでしょう。和菓子は日本だけでなく世界的にも注目されていますし、お土産品としての購入もあとを絶えません。確かな知識と技術を身に着けることができれば、十分に将来性のある仕事です。
和菓子職人になるには
和菓子職人になるために、特に資格が必要であるということはありません。独立した「和菓子職人」という資格が存在しないからです。和菓子職人になるためには、一流の和菓子職人の人のところに弟子入りしたり、あるいは製菓学校の和菓子の過程を履修することになります。
もちろん、その後はしっかりと就職活動をすることになります。和菓子を扱っている店では多くの職人を雇っており、求人は常にありますから、技術さえあれば仕事に困ることはありません。
和菓子職人の物語
出典:Amazon
和菓子職人の話は、創作の題材にもなったことがあります。その一つが『あんどーなつ』という漫画作品です。ビッグコミックオリジナルで連載されていたものであり、全20巻で単行本化されています。
あらすじは、パティシエを目指していた主人公の安藤奈津が銀座の洋菓子店の採用面接をの帰りになんとなく立ち寄った老舗和菓子店で和菓子職人の梅吉たちと出会い、その世界に魅力されていくというものです。和菓子の世界とはどんなものであるのか、ということを知りたいのであれば読んでみるとよいでしょう。
和菓子職人の魅力
日本的な価値観の美しいお菓子を作ることができるスキルは、常に需要のあるものです。将来性や収入が極端にあるわけではありませんが、芸術品のような和菓子を作る仕事はやりがいを感じられるものです。最終的に自分の店を持ちたいと考える人も多く、そこを魅力に感じる人もいます。
昔は弟子入りが必須だった和菓子職人ですが、今では製菓学校でもカリキュラムが充実しているので、敷居は高くありません。他の菓子にはない製菓スキルを身に着けられることが、和菓子職人をめざすことの魅力にもなっているのです。また、和菓子の道の伝統を受け継ぐということも、一つの生きがいとなることでしょう。
圧倒的にスキルを磨き活躍したいという人は、ぜひ和菓子職人を目指してみてはどうでしょうか。
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