日本人のみならず、今や世界中から愛されるグルメになった寿司。そんな寿司を握る「寿司職人」のことをあなたはどれくらい知っていますか?意外と知られていない寿司職人の職業事情について紹介します。
寿司職人とは
寿司職人は寿司屋で働く人のことであり、極めて高いスキルを持つ職人系の仕事のひとつです。寿司は昔から職人技が必要であるとされており、今でもそうした側面は強くあります。3年は下積み、卵くらいしか触らせないといわれるほど何年も修行をしなければならず、酢飯を作ることで数年使わされるということもざらでしたが、現在はアカデミーで特訓をして合理的に寿司職人を目指すことができるようになっています。
寿司職人の仕事内容
仕事内容は仕入れ、仕込み、接客、そして寿司を握るということになります。寿司を握ることがまさに寿司職人の醍醐味になりますが、そこまで到達するためには様々な過程を経なければなりません。
朝は仕入れから始まり、店の前の掃除、そして仕込みをして寿司を握っていくわけです。基本的に作りおきができるものではありませんから、依頼されてから握ることになるでしょう。そこが寿司という料理のよいところでもあり、大変なところでもあります。
寿司職人の年収/勤務体系/福利厚生
寿司職人の年収ですが、修行したての頃はそれほど高くありません。また、どんな形態で雇われているのかということも関係します。従弟として入ったのか、アカデミー卒業後に一人前の寿司職人として雇われたのかという差です。低い場合は年収250万円から、一流の寿司職人であれば年収で1000万円オーバーも珍しくはありません。
海外で働くことも珍しくなく、より高い給金で働くために海外にいく人も増えています。勤務形態には正規雇用もしっかりとありますし、休みもあります。福利厚生もキチンとした企業であればあるでしょう。厚生年金、健康保険などは大抵、加入できることになっています。
寿司職人のメリット・デメリット
寿司職人のメリットですが、飲食系の需要はこれからも間違いなく続きます。AIが様々な仕事を奪うとされていますが、寿司職人は確実に自分の技術で食べていくことができます。
昔は一流になるためには10年以上の下積みが必要であるとされていましたが、今ではアカデミーに通うことによって短期間で技術的なことを身につけられることができるようになっています。従弟制度のような形で修行するのもひとつの方法ですが、今ではもっと早く寿司職人になれるようになっていますから、少しでも早めに稼ぎたい、技術をつけて立派に働きたい人というにも寿司職人はよいといえるでしょう。
デメリットは、調理スキルとして特化しすぎているという点です。身につけられるのは寿司に関する調理の方法であり、それ以外の飲食店では使えないのです。衛生面などの知識も身につけられることは確かではあるのですが、それだけで食べていくことができるほどではないでしょう。
また、昔は独立することがそこそこ簡単にできましたが、今では独立店舗でやっていく寿司職人というのは多くありません。この点もデメリットのひとつといえるでしょう。
寿司職人に向いている人・向いていない人
寿司職人に向いているのは間違いなく手先が器用な人です。感覚的に優れている人といってもよいでしょう。一流ともなると同じネタで握った寿司はグラム単位で違いがない、というレベルです。最近では美しさに拘った寿司も多くなっていますから、美的センスがある人もよいでしょう。
貪欲に技術を身につけて創意工夫でやっていくことが好きな人にも向いているといえるでしょう。食を提供するわけですから、人に何かを提供して喜んでもらえたら、自分も嬉しいという感覚を持っている人にも向いています。
向いてない人はそもそも調理自体が好きではない人です。細かい作業もありますし、覚えることも山ほどあります。根本的に厳しいのは、生の魚に触ることが苦手な人です。多少の慣れはありますが、寿司職人には不向きといえるでしょう。
寿司職人の将来性
寿司職人は意外なほど将来性があります。何故かというと、国内だけでなく海外での需要も多いからです。
当然、国内でも寿司チェーン店にたくさんの需要がありますし、本格的な寿司屋も職人を募集しています。機械にも作ることができるようになっている寿司ではあるのですが、それでもスキルをもった寿司職人が握った寿司にも間違いなく需要はありますから、確実なスキルと経歴がある寿司職人は求人に困ることはありません。
寿司職人は海外からヘッドハンティングされることすらあります。海外のほうが給金が高い場合もあり、積極的に海外に目を向けたいという人にもよいです。一流店の寿司職人ともなれば年収で1000万円を超えることもあるので、将来性は十分といえるでしょう。
寿司職人になるには?
「寿司職人」という独立した資格はありません。寿司職人になるには店に入り一から修行していくルートと専門学校やアカデミーに通うルートがありますが、現在注目されているのは後者の方です。
よく勘違いされるのですが調理免許なども実は不要です。しかし、それは必要ではない、という話であり、あれば何かと便利であることは確かでしょう。学校やアカデミーを利用することによってなることができる可能性があります。特に最近ではアカデミーに通うことによって素早く一流になるということがよいとされています。
東京で寿司職人体験
東京にも寿司職人の体験ができるスポットがあります。代表的なのは複数の教室を持つ「すしアカデミー」です。神楽坂すしアカデミー、東京すしアカデミー築地校、東京すしアカデミー西新宿があります。すしアカデミーに限らず他にも寿司学校のようなところはあるので、興味があれば門を叩いてみるとよいでしょう。
こうした学校は必ずしも寿司職人になりたい人だけでなく、シンプルな思い出作りの体験にも利用できます。5000円から8000円くらいの価格で参加できるようになっているので、気軽に参加することができます。
「すしざんまい」で寿司職人体験
寿司チェーン店のひとつ「すしざんまい」も寿司体験をやっています。こちらではカルチャー講座としてシャリの切り方、魚のおろし方、巻物の作り方、握り方を学ぶことができます。時期によって扱う魚が違うので、四季折々に合わせた寿司職人体験をすることができるようになっています。
南青山の高級寿司「寿司陸」
「寿司陸」は外苑前から南青山3丁目の交差点を左折し、少し歩いたところにあります。比較的若い寿司屋ではありますが、非常にクオリティが高い寿司屋として高い人気を誇ります。伝統的な寿司屋のポイントを押さえつつ、モダンな雰囲気も併せ持つ寿司屋です。15,000円からのディナーはもちろん高価ではありますが、値段相応の価値がある寿司であるといえるでしょう。立地もよく、一食の価値ありです。
いかがでしたか?私たちが普段口にする寿司には、寿司職人の技術と魂が込められています。本格的に寿司職人を目指さなくとも、寿司を握る体験をすることだけでも得難い経験なので、興味のある人はぜひ一度体験に参加してみてはいかがでしょうか。
寿司職人を1日体験
寿司職人として、全国すし技術コンクール大会「盛り込み鮨」「笹切り競技」金賞受賞など様々な賞を獲得している「に組」が開催する1日寿司職人体験。
今回の体験では、フジテレビ あっぱれ!さんま大教授など、様々なメディアに取り上げられている笹切りの技術や細工寿司について学ぶことができます。