小豆島といえばオリーブの一大産地で、その歴史は明治時代に遡ります。いまでは、各オリーブ園が国際的なコンクールに出品できるような高品質のオリーブオイルを製造し、世界的にも高く評価されています。
オリーブオイルの歴史を振り返りながら、小豆島のオリーブオイルを紹介します。
オリーブオイルの歴史
世界で最も古いオリーブの種子は、死海のほとりで約5000年前の遺跡から発掘されました。ギリシャなど地中海沿岸では、オリーブオイルを採るため、オリーブの栽培が盛んに行われ、ぶどうと共に主要な作物でした。
紀元前6世紀頃にはイタリアでもオリーブが栽培されるようになり、やがて、コロンブスのアメリカ大陸発見を機に1560年頃にはメキシコで、その後、ペルーやアメリカ合衆国、南米各地でも栽培されるようになりました。
日本には、安土・桃山時代にポルトガルの神父がオリーブオイルを携えてきたのが始まりで、後に豊臣秀吉がスペイン王国から献上されたオリーブの実を日本人で始めて口にしたといいます。
1862年頃には、幕府の医学所の医師林洞海の勧めで、横須賀にはじめてオリーブの樹が植えられました。
小豆島のオリーブ栽培とその歴史
小豆島のある香川県は、明治40年(1907年)に農務省がオリーブオイルを国内で生産するための拠点としたためオリーブが植樹され、それに併せて、恵まれた漁場で獲れるいわしなどの缶詰も生産して輸出しようとする試みがされたのです。
なぜ香川県が選ばれたのかというと、香川県は地中海沿岸地域と非常に気候や風土が似ていたためです。そして、小豆島は、平成15年にオリーブ栽培振興特区に指定されました。
オリーブの森『小豆島産エキストラヴァージンオリーブオイル ゴールドラベル』
オリーブの森の『小豆島産エキストラヴァージンオリーブオイル ゴールドラベル』は、毎年ロサンゼルスで開かれるロサンゼルス国際エキストラバージンオリーブオイル品評会で金賞を受賞し、さらに金賞のなかでも特に優秀なオリーブオイルに贈られるベスト・オブ・クラスを受賞したオリーブオイルです。
このオリーブオイルの品評会は、収穫期が違うため南半球と北半球、それぞれで採れたオリーブオイルを対象に行われるのですが、オリーブの森では、北半球の部に出品。計13カ国480点ものオリーブオイルの中から24点だけ選出されるベスト・オブ・クラスに選ばれたのです。
そして、このオリーブオイルは、イタリアのオリーブオイルのミシュランとも言われる「フロスオレイ」という書籍にも掲載されました。その本によると、「野菜のようで植物的、スイートアーモンドのような香りを醸す、芳醇でまろやかな風味」と書かれています。
また、「さまざまな料理に合う」とも記述されていて、高品質でありながら料理を選ばない、使いやすいという評価もされているのです。
小豆島の新しいオリーブ農園・高尾農園
小豆島では、歴史あるオリーブ農園に混じって、新しいオリーブ農園も優れた品質のオリーブオイルを作っています。そのひとつが高尾農園のオリーブオイル。日本には特にオリーブオイルの品質基準を定めたものがないのですが、高尾農園のオリーブオイルは、国際的なエキストラヴァージンオリーブオイルの基準に合格しています。
そして、厳しい審査をくぐり抜け、イタリアのオリーブオイル版ミシュラン「フロスオレイ」にも2012年から掲載され続けているのです。当初はルッカ種のオリーブオイルのみを製造していましたが、近年はミッション種のオリーブオイルも作っていて、フルーティーでライトな風味、少し辛味も感じられるオイルとして人気を集めています。
オリーブオイルというと、イタリアなど海外のものに目が行きますが、実は、小豆島でも高品質のオイルが生産されています。オリーブオイル以外にも化粧品やオリーブの実の新漬などさまざまな商品が販売されているのです。