身に着けられる和紙?若手職人が受け継ぐ富山の伝統工芸品「越中和紙」 

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富山の伝統工芸品「越中和紙」とは?

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越中和紙とは、富山県の五箇山・八尾・蛭谷の3産地で生産されている和紙の総称で、富山県が誇る伝統工芸品です。
日本の伝統産業の後継者不足が嘆かれる中、越中和紙は若い後継者に恵まれており、技術を習得するだけでなく時代にあった新製品の提案などといった若い感性によって伝統が守られています。

越中和紙の魅力は用途によって変わる多彩な製紙技術と高い染色技術にあり、この2点が越中和紙製品のクオリティとデザイン性を支える主な要素となっています。

【富山の伝統工芸品】越中和紙

五箇山(ごかやま)和紙の特徴

合掌造りの集落が現存する五箇山で生産されている五箇山和紙は、主に神社などの障子紙や重要文化財の補修用紙に使用されています。五箇山和紙は原料である楮・雁皮・三椏の中でも楮の量が多いため、強度が高くしなやかなつくりになっています。

また、大変雪の多い地域なので、製造工程に雪を利用している点も特徴的です。和紙の色を白くする段階で薬品や染料を使わず、雪にさらして葉緑素を抜き天然の白さを得ています。

【富山の伝統工芸品】越中和紙

八尾(やつお)和紙の特徴

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八尾はかつて薬売りが盛んで、その薬の包装紙や薬売りのカバン、帳簿に使用する紙として八尾和紙が発展してきました。その後、機械漉きの台頭によって八尾和紙は廃れていき、現在でも唯一「桂樹舎」のみが八尾和紙の伝統と文化を守っています。紙漉き・型染めのみならず商品企画から商品加工までを一貫して行っており、その商品群はモダンでカラフルなものが多く若者にも受け入れられやすいものばかりです。

【富山の伝統工芸品】越中和紙

蛭谷(びるだん)和紙の再興

元々は滋賀県の蛭谷から富山県の朝日町に移住してきた人々が、その地を「蛭谷」と呼び繁栄させてきたことが始まりです。蛭谷の人々は冬季に内職をしており、その内職が蛭谷和紙の製造でした。しかし、時代の移り変わりと共に蛭谷和紙は姿を消してしまいます。
後にある夫婦が再興のために和紙作りを口頭で教わり、蛭谷和紙は息を吹き返すことになりました。その夫婦が加齢による引退をした後、数年後に再び後継者が現れます。これが現在唯一の蛭谷和紙職人である川原隆邦氏です。
川原氏もまた老夫婦から口頭で和紙作りを学び、「蛭谷和紙」という精神を受け継ぎました。今までの蛭谷和紙は残っていなくとも、その伝統はこれから再び作られていきます。

普段使いもできる伝統工芸品・富山「越中和紙」

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富山の伝統工芸品「越中和紙」の製品①

名刺入れ

桂樹舎から発売されている和紙製の名刺入れです。レトロでカラフルなデザインになっており、古典柄が大きくあしらわれているため渋くなりすぎない点が魅力です。耐久性や防水性に優れ、一度買えば長期に渡って使用できます。和紙は使えば使うほど柔らかくなり、艶や風合いが出てくるため、自分の手に馴染む名刺入れに育てる楽しみもあります。
紙製で軽くかさばらないので持ち歩きにもスマートで便利です。名刺だけでなく定期入れなどにも使えます。目を惹くデザインなので、名刺を渡す際の話題作りにもなり名前と顔を覚えてもらいやすくなるかもしれません。

富山の伝統工芸品「越中和紙」の製品②

aquwaのアクセサリー

五箇山和紙製のアクセサリーシリーズです。
aquwaは「aqua(水)」+「washi(和紙)」から付けられた名前で、水のように透き通った和紙のアクセサリーを意味します。柔らかな彩りの和紙を樹脂に閉じ込めて作られており、見た目にも軽やかな点が特徴です。伝統工芸品を身につけるという特別感を味わうことができ、さりげないおしゃれを演出したい人におすすめの商品となっています。

富山の伝統工芸品「越中和紙」の製品③

クッション

こちらも桂樹舎から発売されている商品で、なんと和紙でできたクッションです。革製品のような耐久性で、使い込むほどに柔らかく肌触りが良くなっていきます。防水・防汚加工が施されており、飲み物をこぼしてもすぐに拭き取ってしまえば問題ありません。色味や柄もレトロでポップなものとなっており、インテリアとしても遊び心溢れた華やかな部屋を演出してくれます。

富山の伝統工芸品「越中和紙」の製品④

FIVEのブックカバー

五箇山和紙で立ち上げられた和紙の新たな可能性を追求するブランド「FIVE」から発売されているブックカバーです。最大の特徴はそのカラーリングにあります。和紙ではなかなか見かけることがない蛍光色を取り入れており、ビビッドな蛍光カラーと和紙の温かみが共存することで絶妙な風合いを醸し出しています。日本の伝統に囚われすぎない若い世代ならでこそのアプローチから生まれた、斬新な商品です。

大きな可能性を秘めた富山の伝統工芸品「越中和紙」

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若手職人の挑戦の場とも言える越中和紙は、昔ながらの使い方とはまた違う視点から切り込んだ提案は現代のニーズに寄り添い、今でも愛され続ける大きな理由となっています。
中には蛭谷和紙のように0からの再スタートしたものもあります。しかし、作り手だけでなく消費者からも寄り添っていくことで、このような伝統産業を発展させ守っていくことができます。作り手がより良いものを作り、その良さを消費者が知ることで伝統産業はより一層大きな発展を遂げることができるのです。

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