今では札幌駅構内にも専門店があり北海道の名物として人気商品となった、洞爺湖が発祥の地であるわかさいもは、素朴な見た目と優しい甘さが魅力の人気のお菓子です。
洞爺湖は、札幌からは少し離れた函館とのほぼ中間地点に位置しており、北海道洞爺湖サミットが平成20年(西暦2008年)に行われたことから知名度が上がりました。
昭和新山と洞爺湖、そして北海道洞爺湖サミット
昭和新山は名前の通り、昭和に入ってから有珠山の活発な噴火活動により生まれた新しい山となっています。その昭和新山と有珠山の北側にあるのが洞爺湖で、湖の種別としてはカルデラ湖とされています。
湖の真ん中には、中島と呼ばれている小さな島があり、地図で見ると丸いドーナッツのような形に見えます。湖から南側に進めばすぐに内浦湾があり、湾に沿って南へ行けば長万部、駒ケ岳が、そして函館に続いています。
洞爺湖畔には、湖に沿って連なる洞爺湖温泉街があり温泉旅館やホテルが並んでいます。また、湖の西側にある小高い山の上には、ザ・ウィンザーホテル洞爺がそびえ立っています。このウィンザーホテルは北海道洞爺湖サミットの会場として一躍有名になりました。
高級感のある佇まいのホテルは、北海道原産の食材を存分に使用したレストランが数多く、この地を訪れる人にとってはその雰囲気から憧れの存在です。このように、洞爺湖は海と山の幸、さらに湖の風光明媚な景色が魅力的なことに加えて、札幌と函館の中間地点にもあたることから観光の要所とも言えます。
実は芋ではない?洞爺湖名物「わかさいも」のルーツ
創業は大正12年 (1923年)、北海道では甘いサツマイモが収穫できないために作られたのがわかさいもでした。このアイディアは、サツマイモがなくても甘くて美味しいものを北海道産の食材で作りたい、という思いから生まれました。
わかさいもというネーミングとなってはいますが、原料に芋は使われておらず、大福豆と呼ばれている豆から作られる白餡と昆布から製造されています。大福豆は非常に品質が高く、芋のような食感を再現できるホクホクとした豆です。さらに、昆布が使われている理由は、芋独特の繊維や筋を表現するためです。
実際にわかさいもを半分に割ってみると、断面から本物の芋にも見られるような筋が見えますが、これらがすべて昆布から出来ているのです。近くで見ても本物の芋からできていると思い込んでしまうほどの完成度の高さです。
わかさいも本舗は、まもなく創業から100年を迎えますが、戦時中には砂糖が希少品となり手に入りにくくなった苦しい時期も乗り越え、今では北海道を代表するお土産のひとつとなりました。
お土産におすすめ、洞爺湖で「わかさいも」が買えるところ
発祥の地である洞爺湖には、わかさいも本舗の本店があります。この中には、通常のわかさいもの他に、「いもてん」と呼ばれているわかさいもをサツマイモの天ぷらに見立てて揚げたお菓子の焼きたてが食べられます。
もちろん、いもてんはお土産としても販売しており持ち帰ることが可能ですが、揚げたての外がサクサク、中はふっくらとしたいもてんはまた格別です。洞爺湖を訪れた際には、ぜひ試してみてください。
この本店には、お土産として定番のわかさいもの他、いもてんやまんじゅう、じゃがクッキーなどの取り扱いもあり、わかさいも本舗の商品がずらりと勢ぞろいしています。
また、なかなか洞爺湖まで出かけることができないという方は、札幌駅の改札口前にわかさいも本舗の札幌パセオ店があります。
ここでは、豊富な種類のわかさいも本舗のお土産が買える上に、北海道の玄関口である新千歳空港まで直通の列車が発着する札幌駅前であることから、アクセスが良く、北海道滞在の最終日に購入して飛行機に乗ることも可能です。
もちろん、新千歳空港内の各種お土産専門店にもわかさいもの取り扱いはあります。
素朴で優しい美味しさでお土産におすすめの「わかさいも」
北海道には数え切れないほどのお土産があり、おもわず目移りしてしまいます。わかさいもは落ち着いた見た目で一見すると北海道らしく見えないかもしれませんが、100年近くもの長い間その美味しさから支持されてきた実力のあるお土産です。わかさいもを是非手に取ってみてくださいね。