大阪四天王寺名物、総本家釣鐘屋の釣鐘まんじゅう

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一般的に、関西で神社仏閣といえば京都や奈良のイメージが強いかもしれません。大阪は関西地方の中心地としてお笑いや食い倒れの街の印象が強いですが、大阪市の南部に位置している四天王寺は、非常に長い歴史のある由緒正しいお寺です。この四天王寺の近くには昔ながらの風情を保っているお店が残っています。

その中でも参拝客や付近を訪れた観光の際のお土産として喜ばれるているのが、総本家釣鐘屋の釣鐘まんじゅうです。その名称のとおり釣鐘の形をしたまんじゅうで、その見た目と素朴な美味しさから多くの人に愛され続けています。

四天王寺の成り立ちと歴史

大阪南部の中心地である天王寺に位置している四天王寺は、聖徳太子が建立したとされており、奈良県にある法隆寺を含む聖徳太子建立七大寺のひとつであるとされています。建立開始時期は593年となっていますが、645年の大化の改新によって動乱の世になり京都に都が移る前までの間、奈良と大阪にも宮が置かれたことが発展の理由です。

また、四天王寺は奈良県にある法興寺(飛鳥寺)と並ぶ、日本最古の本格的な仏教寺院とされています。

非常に興味深いのは、西側の入り口に石でできた大きな鳥居があることです。通常、鳥居は神社にあるものですが、当時は神仏がはっきりと分かれておらず混合されていたと言われており、魔物を防ぐための入り口として寺にも建てられることがありました。また記録によると、1294年に木製だった鳥居を石に作り替えたとされています。

当時は、現在の大阪市中心部のほとんどは海に面していました。この鳥居がある四天王寺の西側も海を眺めることができたとされており、春と秋のお彼岸の頃、ちょうど太陽が鳥居の真ん中を通過し海に沈む瞬間を眺めることができたと言われています。

建物によって周りを囲まれ海を臨めなくなった現在でも、春と秋には日想観(じっそうかん)と呼ばれる儀式が行われています。海に沈む夕日を拝むことで西側にある極楽浄土を観想する儀式ですが、海が見えなくなった今でも行われていることからも、古くから続く四天王寺の長い歴史が感じられます。

四天王寺参拝の途中で立ち寄ることができる総本家釣鐘屋

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創業は明治33年(西暦1900年)、地元の有志から四天王寺に大梵鐘が奉納されたことがきっかけとなりました。それを記念して、釣鐘の形をしたまんじゅうを売り出したことから、総本家釣鐘屋の歴史は始まりました。現在は、当時奉納された釣鐘は見ることができませんが、まんじゅうに形を変えて今でも私たちの心を楽しませてくれています。

建物の窓が釣鐘の形をしている特徴的な外観の総本家釣鐘屋のお店は、先に紹介した鳥居がある西門からはすぐの場所にあります。お店は昔ながらの雰囲気が感じられ、数十年もの長い間経験を積んだ職人がその日の状態に応じてひとつひとつベストな状態になるように焼き上げています。

創業当時は機械が珍しく、手作りが当たり前でした。各所で機械化が進んでいる中、現在も人の手で作られている釣鐘まんじゅうは、職人の技が感じられる四天王寺名物のお菓子として支持されています。

四天王寺名物、総本家釣鐘屋の釣鐘まんじゅう

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まるで本物の釣鐘のような形をした釣鐘まんじゅうは、ふっくらとした生地に程よい甘さのこしあんが詰められており、口に入れた時にとろける感触があります。誰しもがどこか懐かしさを感じられる味なので、幅広い年代にオススメです。また、釣鐘まんじゅうの他にも釣鐘の形をした釣鐘カステラや、特大釣鐘玉子せんべいなどもあります。

知る人ぞ知る大阪土産として

大阪で神社仏閣を訪れるという人は少ないかもしれません。現在は四天王寺の近くに日本一の高さである300mを誇るビル・あべのハルカスが完成し、展望ホールは観光スポットの仲間入りを果たしました。少し足を伸ばして、歴史のある四天王寺参りの帰りに、釣鐘まんじゅうをお土産として選んでみてはいかがでしょうか。

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