長崎発の伝統工芸 波佐見焼のモダンでかわいい器

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「波佐見焼」は、長崎県・波佐見町でつくられている、染付や青磁を主とした陶磁器です。丈夫で壊れにくいものが多く、昔から日常使いできる食器として親しまれてきました。現在も、定番から個性派まで、時代に合わせたバラエティ豊かなアイテムが流通しています。今回は、ちょっぴりモダンなスタイルを提案してくれる、人気の波佐見焼ブランドをいくつかご紹介します。

波佐見焼とは?

今から約400年前に、波佐見町で始まった焼きものづくり。もともとは施釉陶器が主流でしたが、磁器の原料が発見されたのを機に、しだいに染付と青磁を中心とする磁器へ移行しました。

粗い白磁に唐草模様を描いた「くらわんか碗」をはじめ、波佐見焼の多くは手頃な価格で、日常使いできるものがほとんど。成形、型起こし、釉薬、窯焼きとそれぞれに作業を発注するという分業体制も特徴のひとつです。

波佐見焼の伝統技術に少しのデザインと遊び心を

essence(エッセンス)は、西海陶器が展開するテーブルウェアとインテリア雑貨のオリジナルブランド。波佐見町の製陶所跡地にスタジオをかまえ、従来のデザインにとらわれない新感覚の器を作り続けています。家の形をした調味料入れや楽器・動物をかたどった箸置きなど、食卓を素敵に彩るおしゃれなアイテムがそろうのが特徴です。

「esカップ」と「esボウル」は、10種類前後のカラーと柄、また豊富なサイズから、自由に組み合わせることができるようになっています。同じ柄をサイズ違いでそろえるのはもちろん、あえてバラバラのものをチョイスして、カラフルなコーディネートを楽しむのもおすすめ。

現代の暮らしになじむ「HASAMI」、洗練のディテール

複数の波佐見焼ブランドを手がけるマルヒロが、「愛される道具としての器」をテーマに作りあげた「HASAMI」シリーズ。余計な装飾を削ぎおとした、北欧食器を思わせる絶妙な色づかいとシンプルなデザインで注目を集めています。

「HASAMI」の定番プレートは、60年代のアメリカのレストランで使われていた大衆食器をイメージ。フチの高さもちょうどよく、何を盛りつけてもサマになるのが嬉しいところ。カラーは全9種。重ねて収納することができるほか、電子レンジや食洗機もOKと使いやすいように計算されています。

波佐見焼の時代を超えたスタンダードなものづくり

波佐見焼のブランドといえば、外せないのが白山陶器です。デザインから成型、絵付、施釉、焼成まですべての工程を自社で行い、あらゆるタイプの器を生産。グッドデザイン賞やロングライフデザイン賞なども数多く受賞しており、国内外でその確かな品質が評価されています。


白磁と錆色のコントラストが素敵な「錆千筋」シリーズ。蒸し碗は、丸みを帯びたフォルムが可愛らしい一品です。ほかにも急須、茶碗など、取り入れるだけで普段の生活がワンランクアップするようなアイテムがそろいます。

「麻の糸」シリーズからは、酒器をピックアップ。白磁に麻の糸をモチーフにしたうつくしい筋模様が描かれています。ちょうどよいサイズ感でお酒が注ぎやすく、お手入れがしやすいのもポイント。カラーはインディゴとセピアの2種類あり。

過去から未来へつづく伝統工芸、波佐見焼の可能性

400年という歴史を持ちつつも、その時代の暮らしに寄り添い、軽やかに進化を続ける波佐見焼。「気軽に手にとって、ずっと愛用できる」という伝統工芸の新しい姿がここにあります。それぞれのブランドが生まれた背景やコンセプトを理解したうえで見てみると、また違った楽しみ方ができるかも。現地では陶芸体験や絵付けにもチャレンジできますよ。長崎旅行を考えている方はぜひチェックしてみてください。

文・写真/ゆさ みずあ

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