新潟県燕三条が誇るものづくり 「グローバル」包丁の魅力

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「金物と洋食器の町」として知られる新潟県の燕・三条地区。現地では、旅行者が実際にものづくり体験をしたり、職人や地元のナビゲーターとふれあったりしながら、歴史ある産業について知識を深めることができます。

高い技術は世界中で評価されるようになり、「メイドインジャパン」ならぬ「メイドイン燕三条」のアイテムに、さまざまな場所で出合えるようになりました。今回は、世界にブームを起こした立役者でもある「グローバル」の包丁について、ご紹介していきたいと思います。

「GLOBAL」包丁のはじまり


1954年に燕・三条地区の洋食器メーカーとして創業した吉田金属工業。ステンレス加工技術やテーブルナイフの製造ノウハウを生かし、ステンレス製包丁シリーズの販売を始めました。やがて1983年に、オールステンレス一体構造包丁の「グローバル」シリーズを発表。当時の日本では、前衛的すぎるデザインのために受け入れられなかったものの、海外において高く評価されるように。

その人気を受けて、いわば逆輸入のような形で、日本でも徐々にその存在が認められるようになりました。販売から30年以上たった今もなお、世界中のシェフや料理に携わる人たちから支持され続けています。

「GLOBAL」包丁の特徴


「グローバル」シリーズは、「刀身から柄までオールステンレス一体構造の包丁」というコンセプトから生まれました。鋼に劣らない切れ味を持ちつつ、錆びにくく手入れがしやすい、というメリットがあります。またそのスタイリッシュなフォルムは、デザイナー・山田耕民氏によるもの。日本の美意識を感じさせる洗練されたデザインは、従来の包丁業界における常識を覆すものでした。

日本での「グッドデザイン賞」をはじめ、国内外で多くのデザイン賞を受賞しています。現在では、100を超えるバリエーションからアイテムを選ぶことが可能に。「使い手が好みに合わせて選べる」という自由度の高さも、「グローバル」の魅力の一つといえます。

専用アイテムにもこだわって

包丁のお手入れに欠かせない砥石はもちろん、専用のシャープナーもあわせて購入可能です。日常使いには、「スピードシャープナー」がおすすめ。両刃ステンレス包丁用で、研ぎ部分はセラミック製です。包丁の切れ味が鈍くなってきたときに、軽く手前に6~10回引くだけで、切れ味を蘇らせることができます。

また、カッティングボードやナイフスタンド、骨抜きなども、衛生面と実用性を考慮してつくられた名品ばかり。キッチンにそのまま置いても絵になる、シンプルで上質なアイテムがそろいます。

理想の包丁で、料理がもっと楽しくなる

この「グローバル」シリーズのなかでもおすすめなのは、24cmの柳刃包丁。魚仕事のときに使うと、とにかく切れ味が抜群! お刺身もびっくりするくらい薄く均一に切ることができるので、もう手放すことができなくなるでしょう。

包丁選びのコツは、購入前に重さや握り心地、手入れのしやすさなどをしっかりと確認すること。また、目的によって包丁の種類が変わるので、使用シーンやよく作る料理のタイプを把握しておくことが大切です。「これだ!」と思う自分好みの一本を見つけて、時間をかけてじっくりと育てるのも楽しいもの。興味のある方は、一度オンラインショップをのぞいてみてくださいね。

文・写真/ゆさ みずあ

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