「そりが合わない」と「馬が合わない」の違いは?|意味・由来・類語

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言葉の意味には歴史的な背景が含まれていたり、語源に深い意味があるということが多くあります。

「そりが合わない」という言葉、普段何気なく使う方も多いのではないでしょうか?この言葉のが出来たのは、中世の武家の世界だといわれています。「そりが合わない」の意味・由来から英語での表現まで紹介していきます。

【意味】 気心が合わないこと。
【由来】 対にならない鞘に刀をしまおうとすると「反りが合わない」事態となることから。
【類語】 「馬が合わない」「気が合わない」
【対義語】 「気が合う」「息が合う」
【英訳】 ”unable to cooperate””unable to get along”

「そりが合わない」の意味


出典:ウィキメディアコモンズ

「そりが合わない」の意味は、「気心が合わない」ことです。

考え方がどうしても合わず、協調するのが難しい様子を表し、”そり”を漢字で「反りが合わない」とも表現します。

「そりが合わない」の言葉の背景


出典:ウィキペディア

「そりが合わない」とは、元々、日本刀の「刀と鞘(さや)が合わない」という状態を表す言葉でした。

「そり(反り)」というのは、刀や鞘の曲がり方のことで、刀をしまう「鞘(さや)」と刀自体の「反り」が合わなければ、刀は鞘にしまう事ができません。

刀は一本一本手作りなので、「反り」の角度や曲がり方が異なります。そこで、刀を収める鞘は刀に合わせて作るのですが、対にならない鞘に刀をしまおうとすると「反りが合わない」事態となり、どうしてもしまう事ができなくなります。

ここから派生し、「気心が合わない」という意味の日本語『そりが合わない』ができたのです。

「そりが合わない」の使い方


出典:写真AC

それでは、「そりが合わない」という言葉は、いったいどういった場面で使うのでしょうか?

例文とともに見ていきましょう。

「同僚と常に意見合わず、ストレスが溜まる。だが、彼とは”そりが合わない”からどうすることもできない。」

このような経験がある方も多いのではないでしょうか。少し話をするだけでもストレスが溜まる。そんな人が周りにいれば、その人とはきっと「そりが合わない」のでしょう。

「そりが合わない」の類語・対義語


出典:写真AC

「馬が合わない」「気が合わない」などが類語として挙げられます。

「馬が合わない」は、乗馬が語源だと考えられていて、馬にまたがり、馬を操縦する「騎手」と馬の相性が合わず、振り落とされたり、言うことを聞いてもらえない事が語源となっています。

「そりが合わない」と「馬が合わない」は、語源が「刀と鞘」なのか、「馬と人間」なのかが主な違いで、ほとんど違いはないと言えます。

「気が合わない」は、「馬が合わない」や「気が合わない」と比べて、ややストレートな言い方です。使う場合としては、人と人との性格間に限定されるでしょう。

一方で、「そりが合わない」の対義語として挙げられるものは、考え方や感じ方が通じ合うことを意味する「気が合う」や物事を進行する際の調子や波長が合う様子を意味する「息が合う」などがあります。ほかにも、意気投合や馬が合うなどの日本語も「そりが合わない」の対義語として挙げられます。

「そりが合わない」を英語で言うと…


出典:フォト蔵

「そりが合わない」の英訳としては、”unable to cooperate””unable to get along”が適しています。

”cooperate”は、「協力」意味の単語で、”get along”は、「仲良くやっていく」という意味の熟語で、それらに「できない」を意味する”unable”が付くので、「協力できない」「仲良くできない」という意味になります。

日本語と比べストレートに物事を伝える欧米の思想が、言語にも反映されていると言えるでしょう。

「そりが合わない!」と思ったら歴史に想いを馳せてみよう

「そりが合わない」という言葉は、元々の意味としては刀と鞘が合わないという意味であることがわかりました。普段、何気なく使う言葉でも歴史のロマンが隠れていたり、深い意味があることが多くあります。

「あの人とは反りが合わない!」そんな時、この言葉の生まれた経緯を思い出してみれば、ピリピリした気持ちがほどけるかもしれませんね。

「そりが合わない」を生み出した日本刀に親しもう!

今回紹介した「そりが合わない」という言葉は、日本刀が語源だということがわかりました。

現在、語源の意味での「反りが合わない」という場面に馴染みはありませんが、この言葉の生みの親とも言える、日本刀に親しむことができる体験があります。

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