【伝統工芸×現代アート】常識を変える現代アート作家5選

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日本の伝統工芸技術を極めながら、その技術を用いてアート作品を制作するアーティストがいます。

伝統工芸の枠を飛び越えつつも、技術に裏打ちされたこだわりある表現は、海外でも大注目。世界中のアートシーンで話題になっています。

今回はたくさんのアーティストの中から、5人の作家をピックアップしてご紹介。伝統工芸という私達の固定概念を鮮やかに裏切ってくれる作品の数々に感性が刺激されます。

舘鼻則孝 レディ・ガガの靴で大注目!

舘鼻則孝は1985年生まれのアーティスト、デザイナー。東京芸術大学で、染織を専攻し、花魁に関する研究と友禅染を用いた制作をします。

大学の卒業制作でつくったという「ヒールレスシューズ」が代表作。舞妓のぽっくり下駄から着想を得たというこの奇抜な靴が、レディ・ガガの目に留まり、ガガが愛用したことで大ブレイクしました。その後も国内外のアートシーンで大活躍しています。


日本の伝統文化と西洋化されたファッションシーンの融合から新しいものを生み出す作家であり、工芸的な手仕事からオリジナリティあふれる作品を制作しています。

中村信喬 博多人形師から彫刻の最前線へ

1957年博多人形を作る一家に生まれた中村信喬。日本を代表する博多人形作家として国内外で精力的に活動しています。イタリアローマでの展覧会に出品し、ローマ法王に作品も献上しました。

遣欧少年使節団の人形や朝鮮通信使など、歴史上の人物を人形にした、物語性のある彫刻作品で話題となっています。人形制作の伝統にのっとりながらも、異素材や現代的なテーマにも意欲的に取り組み可能性を広げています。

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石井亨 糸目友禅染めで描く「平成の浮世絵」

石井亨は1981年生まれの若手アーティスト。「平成の浮世絵」といい北斎の浮世絵を現代に置き換えたアートを創作しています。

満員の通勤電車をめざしにに見立てた
「In the Train」

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通勤ラッシュ風景を戦国時代の合戦に置き換えた
「In the Ticket Gate」

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コンビニの風景を平等院鳳凰堂に見立てた
「コンビニ院フリーズ堂」

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ユーモアとウィットあふれるテーマとモチーフに加え、特筆すべきはその技法。江戸時代から伝わる「糸目友禅染」という着物の技法を用いて、恐ろしく手間のかかる手作業で制作しています。石井の作品は、海外でも非常に高く評価されています。

桑田卓郎 陶芸文化に根ざしたビビットな色の陶器

1981年生まれの桑田卓郎は岐阜県土岐市に工房を構えて陶芸家として活躍中。国内外からアーテイストとして評価されています。

作品は、デフォルメされた形とポップな色彩が特徴ですが、茶の湯の陶器文化の技法に根ざした「長石釉」や「石爆」などの伝統技法にしっかりのっとっています。金銀やビビットな色合いの茶器のシリーズなど、海外でも人気がある作家です。

青木宏憧 際立つ漆の美しさ!漆をつかった新造型

青木宏憧は1976年生まれ。乾漆の技術をつかった立体作品を創作。スズメバチやクワガタなどの虫をモチーフにした「守箱」シリーズなどで評価されています。


乾漆造形は型に麻布などを重ねてから、漆を塗り重ねて固めるもの。漆は縄文時代から日本では同じみの工芸技術で、昔の仏像などもこの技法で制作されています。軽くて丈夫な乾漆ならではのアートに青木氏は取り組んでいます。

終わりに

いかがでしたか。伝統工芸と現代アートが融合した作品はやはり迫力があり素晴らしいですね。

他にも伝統工芸作家が現代芸術的な作品を制作したり、逆にアーティストが現代工芸の技法を学び取り入れたりと、日本発のアートシーンは伝統工芸との融合が盛んに行われています。

興味を持たれたら、SNSのフォローや展覧会やギャラリーなどでぜひチェックしてみてください。

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