抽選倍率100倍の大福
「霧の森大福」は、愛媛県四国中央市の新宮町の「霧の森菓子工房」で作られている抹茶をまぶしたのが特徴のクリーム入り大福です。これがおいしいとテレビでも取り上げられて評判となり、ネット販売は抽選で100倍以上のこともあると、なかなか手に入らないレア感あるお菓子です。今回はこの霧の森大福についてご紹介していきます。
霧の森大福とは?
霧の森大福が作られている愛媛県の新宮町(四国中央市新宮町)は、お茶処として有名です。ここで栽培された「かぶせ抹茶」をお餅に練り込みたっぷり外側にもまぶしています。
生クリームにこしあんをかぶせ、それを抹茶のお餅で包み、さらに外側に抹茶をまぶした贅沢な四層構造。抹茶のほろ苦さと、こしあんと生クリームの甘さがマッチした味は絶妙です。
抹茶は手仕事で
1個50グラムの一口サイズですが、この大きさも計算され尽くした大きさです。これ以上大きくなると抹茶こしあん生クリームがそれぞれが主張しすぎてしまうそうです。
通常のお菓子は抹茶を機械でまぶすそうですが、そうするとつけられる抹茶がわずかになってしまいよくある抹茶味のお菓子になります。そのため霧の森大福は一個ずつ手作業で抹茶をまぶす製法をとっています。原価を気にせずふんだんに抹茶がつけられているお茶処ならでは作り方です。抹茶好きにはこたえられない味です。
霧の森大福の開発秘話
霧の森大福を作っている、霧の森菓子工房は、愛媛県四国中央市の新宮町にあります。四国中央市は愛媛、香川、徳島、高知の4県が接するちょうど四国の真ん中にあり、2004年に合併してできました。霧の森大福が出来た当初、新宮はまだ合併前で旧新宮村でした。山深いところで、かなりの僻地。人口はわずか1400人。
その新宮町で第三セクター方式で会社を設立し、村が25億円の費用をかけて観光施設「霧の森」をつくりました。この時、特産品の「新宮茶」をテーマとすることが決まり「お茶と癒やし」をキーワードにした施設が作られました。特産品を扱う「霧の森ふれあい館」や宿泊施設「霧の森コテージ」などでした。この時「霧の森大福」もいろいろな特産品として開発された食品の1つだったのでした。
霧の森大福は、開発当初の試作品では、お茶の風味の強さから「苦すぎて子どもが食べられない」「こんなもの買わない」とおおむね不評意見でしたが「和のインパクトがすごい」「抹茶好きにうける」という少数意見に押されて改良され、商品化されたのでした。
霧の森大福の売り切れはぷっすまから
そして1999年「霧の森」オープン。滑り出しは順調でたくさんの来訪者がありましたが、問題は冬でした。冬には寒くて人が全く来なくなり、商品も売れ残り一気に赤字転落でした。オープンから5年後に四国中央市と合併しましたが、「新宮村の負の遺産」と呼ばれるようになってしまいました。
しかし施設は苦戦したものの食品部門はなかなか好調、地道なPR活動を続けていました。それが功を奏したのが2004年。テレビのバラエティ番組「ぷっすま」で「霧の森大福」が取り上げられたことで、インターネットの注文が殺到したのでした。その後も霧の森大福は売れ続け、霧の森全体が黒字になりました。
霧の森大福のネット通販適応力
霧の森大福のヒットは、インターネット通販で丁寧な対応が好評だったことも要因の1つです。まだネット通販の黎明期で、通販自体トラブルが多かったのですが、スタッフの声が入ったメールをこまめに送ったり、信用を心がけることでネットでの口コミも顧客を呼び込みました。
「霧の森大福」の売上は年間2億円を突破し、霧の森では60人を雇用、茶農家の生産量も1.5倍になっています。また「霧の森」を訪れる人も増えて、施設での滞在時間も長くなるなどいいことづくめです。
霧の森大福が売り切れる理由
霧の森大福がレアで手に入りにくいのは、新宮の抹茶のみしか使っておらず、年間生産量が限定されているためです。
かぶせ抹茶は、収穫前に茶の木にネットをかぶせて造ります。日光を遮ることで色の濃い甘みのあるお茶になるのです。かぶせる時期や収穫に注意が必要です。霧の森大福にはこのかぶせ抹茶の品質が欠かせません。
霧の森大福が買えるのは?
↑こちらは「霧の森工房松山店」
霧の森大福が常時買えるのは
「霧の森菓子工房 新宮本店」
「霧の高原センターハウス」
「霧の森工房 松山店」
となっております。霧の高原センターハウスはキャンプ場です。
いずれも一人3箱限定となっています。品薄なので行列ができ、早々に売り切れてしまうこともあります。
霧の森大福はサービスエリアでも買える
また在庫は少ないですが高速道路の
馬立パーキングエリア
でも扱っています。愛媛香川徳島から高知に向かうサービスエリアで、四国内を移動する際には寄りやすいところと言えます。
霧の森大福のお取り寄せは不定期抽選
また遠方の場合はネットでお取り寄せなのですが、製造がまったく追いつかないそうで、通常はネット販売は停止しています。不定期に抽選販売があり、1週間の応募期間で当選された方のみに販売されます。当せんするには、なんと100倍ほどの確率!5年応募し続けてやっと手に入ったなど、という声もたくさんあります。
冷蔵で3日間、お取り寄せの場合は冷凍で30日間の保存期間です。
霧の森大福は稀に出張販売も
それ以外でしたら、全国各地の物産展や特別販売会に出張されているので、うまくめぐりあえれば買うことができます。
「霧の森大福」欲しくてもなかなか手に入らない幻のお菓子ですね。ほんの一口サイズですが、抹茶味が濃厚で甘すぎず、とてもおいしいです。確実に手に入れるためにはぜひ「霧の森」か松山の「霧の森菓子工房」に足を運んでみてください。