【佐賀の伝統工芸品】有田焼のモダンなデザイン豆皿

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日本には、長い間にわたって継承されてきた「匠の技」をもってつくられる、伝統工芸品が数多く存在します。また最近では、伝統工芸に現代のエッセンスを取り入れて、モダンにアレンジをしたアイテムも人気。今回はそのなかから、普段の生活にナチュラルにとけ込む、おしゃれな有田焼の豆皿をご紹介します。

有田焼デザイン豆皿の使い方

豆皿と一言でいっても、大きさや枚数によって使い方はさまざま。あまり頭で考えすぎず、ひらめいたアイデアをどんどん試してみましょう。異なる柄をたくさん並べればポップな印象にもなりますし、印象的な一枚をオブジェのように飾るのもオススメ。また、和柄のお皿にあえて洋風のおつまみを入れて、和洋折衷のアレンジを楽しむのもひとつです。

佐賀の伝統工芸、有田焼とは

有田焼は、佐賀県有田町とその周辺でつくられる磁器です。17世紀初頭くらいにはじまり、伊万里港から出荷されることから当時は「伊万里焼」とも呼ばれていました。プレーンな「白磁」や「染付」から、釉薬の上に彩色を施す「色絵」まで、世界的にも有名なたくさんの様式があります。

有田焼「KIHARA」の「KOMON」シリーズ

佐賀県有田町にオフィスをかまえ、現地の窯元や職人たちと有田焼を作り続ける「KIHARA」。時には国内外のデザイナーともコラボレーションをしながら、常に時代の一歩先を行く、新しい器を生み出し続けています。たくさんそろうオリジナルアイテムのなかでも、ひときわ目をひくのが「KOMON(小紋)」シリーズです。もとは豆皿だけの販売でしたが、今では大皿や箸置きなど別の商品も充実し、定番シリーズとなっています。

有田焼の代表的な伝統紋様を5つご紹介!

日本の伝統紋様をアレンジした「KOMON(小紋)」シリーズには、10種類の絵柄があります。今回は、「吉祥柄」と呼ばれる5種類をご紹介します。それぞれの意味をきちんと知ることで、さらに愛着もわくはず。自宅用に購入するのはもちろん、結婚祝いや新築祝いなど、ギフトとしても喜ばれそうですね。

豆皿1 寿紋

祝いの意味をあらわす「寿」の旧字体を中心に、菊と唐草、麻の葉がデザインされた「寿紋」。菊はいわば「不老長寿」のシンボル。また、つるが絡み合う唐草には、過去から未来まで幸せが続くようにとの願いが込められています。麻の葉は、子どもの成長を願うほか、魔除けの意味も持ちます。

豆皿2 結び桜

「結び桜」は、日本を代表する花、桜を一筆で描いた紋様です。春の風物詩でもあるうつくしい桜の花をグラフィカルにアレンジして、永遠に続く「幸せ」や「つながり」をあらわしています。

豆皿3 松竹梅

おめでたい柄として、誰もが思い浮かべる「松竹梅」です。松は冬でも枯れずに長く生きることから「長寿・不変」、竹はすくすくと成長し勢いがあることから「繁栄」を意味します。梅は、まだ寒い初春のころに咲く花として、「生命力」のシンボルとされています。

豆皿4 波千鳥

波を世間にたとえて、大小さまざまな波を一緒に乗り越えるイメージから「夫婦円満」や「家内安全」などをあらわすという「波千鳥」。群れになって水面近くを飛び、難を避ける千鳥の姿が描かれています。また、波の一つひとつが扇の形をしていることから、「末広がり」に通じるという意味も併せ持っています。

豆皿5 ひょうたん

「ひょうたん」は、種が多いことと、女性の体をイメージするくびれのある形から「子孫繁栄」をあらわします。ほかにも、ものに絡みつくことから「商売繁盛」の象徴といわれたり、古くから幸福や成功のシンボルとして大切にされてきました。

有田焼の伝統模様で食卓を粋に

これらの伝統文様は、季節のうつろいや自然を大切にする日本の「おもてなし」文化から生まれたものです。現代においても、それを忘れずに日々を過ごしたいものですね。数あるデザインの中からお気に入りのものをチョイスして、ワンランク上の素敵な食卓を演出してみませんか?

文・写真/ゆさ みずあ

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