【体験レポート】三味線職人に弟子入り!見習い時期のお仕事とは

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こんにちは!粋の体験レポーター松本です!

江戸川区にある向山楽器店。三味線職人の向山正成さんの職場を学べる体験が開催中とのことで、1日弟子入り体験をしてきました。

今回は三味線職人が見習い時代に任される仕事である”削り”と”磨き”を学ぶ為、箸製作を体験した様子をお届けします。

駅近!東京都認定の伝統工芸士がいる向山楽器店

江戸川区平井駅から徒歩7分ほどのところにある向山楽器店。扉を開くと向山さんが笑顔で迎えてくれました。

座学・職場見学

自己紹介を済ませ、早速向山さんから三味線の歴史などの話を伺いました。疑問に思うことを質問すると、丁寧にひとつひとつ答えてくれるので初心者の方でも安心です。

実際に三味線職人としての仕事を見学することもできるので、深く知見を広げることができます。

革張り、竿を研ぐ『かんべり』、糸巻き調整…etc

作業中の見学は時期によって見れる工程が変わっていきますのでご注意を。

箸づくりスタート!

一通り三味線のことを学んだあとは、箸の削り・磨き体験へと移ります。箸に使う材料は三味線でも使用される花梨という木を使用します。四角い花梨の木を木工ヤスリを使って削っていきます。

木工ヤスリには表裏があり、荒い面がシャリ目、細かい面がトクサ目といいます。まずはシャリ目で削っていきましょう。

削りの工程

ガリ………ガリ…..ガリガリ

全然うまく削れません。

ポイントは回しながら削ることらしく、木の状態を見ながら削っていかないと曲がってしまって修正がきかなくなるということ。笑いながら向山さんは優しく教えてくれました。

私は気付きました。

あれ 曲がってる?

すぐに向山さん見てもらい、修正してもらいました。危うく修正が効かなくなるところでした。。。

1本削るのに約40分!

力加減が慣れていないせいか、かなり腕や手が疲れます。

※下の箸が削ったもの(40分)

形が同じになるように削っていく

普段運動をしない私の腕はいい感じに疲れていましたが、気を取り直して2本目

「へっくしょん!!!」

木を削っているので目に見えないほこりがすごく飛んでいます。鼻が弱い自分にとってはティッシュが必需品のようです。向山さん曰く、みなさん最初はティッシュがお友達になるみたいです。

ゴリゴリゴリッゴリゴリゴリ

削りの工程においては2本目で慣れてきたおかげか、力の抜き方もわかるようになり、ゴリゴリと削るのが楽になってきました。お互い無言で木を削っている空気感は、職人になれたような気分でした。

磨きの工程

天然の木を使用するので、1本1本の色味も違い、粋な風合いが出てきました。微調整に微調整を重ね、ようやく2本の削りの工程が終わりました。手伝いもありながらでしたが、真っ直ぐに削ることができました。

「お疲れ様。次は布のヤスリを使って表面をなめらかにしてきますよ」
布のヤスリに番号がついていて、120→240→400の順で目を細かくしながら削っていく。そうすることで表面がなめらかになっていきます。

箸を包むようにしてひたすら擦ります。

徐々にざらつきがなくなってきました。

ここから更に、竹で擦ります。竹ですることによって表面を潰し、光が反射するようになるのです。

箸にテカリが出てきました。

そして完成です!

合計で1時間半程度。

1㎜削る大変さと、正確に丸く削る大変さを感じました。常に気を抜かずに同じ作業を均一にやり続けることは、精神修行に近いものを感じとても心が穏やかになりました。

これだけ時間をかけた箸にはすごく愛着は湧くものですね。

最後には完成した箸と向山さんと一緒に記念撮影!

向山さんは私の手伝いもしながら自身の作業もしていて、手際の良さに驚かされました。一つ一つの動きに無駄がなく、長い歴史のなかで培われた伝統的手法と向山さんの長年の経験からくるものだと感じました。

この体験を通じて、三味線がいかに素晴らしい技術で作り上げられているかを知ることができ、なにより職人の技術の高さには感服する1日でした。

今回は箸ではありましたが、実際に自分だけの三味線を作れる体験は向山楽器店だけです。

ぜひみなさんも訪れてみてください。

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